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滋賀県東近江市長の発言を聞いた元不登校児の感想

「フリースクールの存在を認めてしまったことにがく然としている
フリースクールといって良かれと思ってやることが国家の根幹を崩してしまうことになりかねないくらいの危機感持ってる」

国が2023年3月に掲げたフリースクールなどを支援する取り組みを東近江市長が「国家の根幹を崩しかねない」と非難し、フリースクール関係者や保護者から大バッシングされニュースでも報道されていたので知っている方は多いと思います
そんな市長の発言を聞いた元不登校児の私の感想を書こうと思います

不登校は子供のワガママ、皆きちんと学校へ通うべき

市長は「大半の善良な市民は嫌がる子どもを無理にでも学校に通わせて義務教育を受けさせている」と言い放ちました
さらに「ごく少数の人に焦点を当て行政がフリースクールの負担をみなさいというと、皆がそちらに行きたいという雪崩現象が起きる
あくまで個人の意見だが、なんで子どものわがままを認めるようなことをするのか」と、まるで不登校の子がわがまま放題しているかのような発言をしていました

好きで不登校になったんじゃない

こちらのnoteにも書きましたが、私の実親も不登校=子のワガママだと決めつける人物でした
「朝早く起きるのが嫌だから」「長距離歩いて登校するのが嫌だから」「勉強するのが嫌だから」学校へ行きたくないと言っていると決めつけ「学校行け!」「学校なんてただ自分の席に座ってればいいだけでしょう、それの何が不満なの?」「何が嫌なの?」と、わが子がいじめられているという事を認めたくないのか、私の訴えを完全にスルーして「なまけ癖」「我儘」とひとくくりにされ毎日怒鳴られました

教師にも何故学校へ来ないのか聞かれました
「イジメられているから学校へ行きたくない」と何度も訴えたけど、いじめというキーワードを聞いた途端に苦笑いを浮かべられました
そして被害の聞き取りと称して、警察の取り調べのように何度も何度も同じことを聞かれました
でも、いくら被害を訴えても「ふーん、それは気の毒だねぇ、じゃあ先生が〇君達にちゃんと言ってあげるから明日から頑張って学校来ようね!」とニコニコしながら言われるだけで、いじめ問題は一切解決しませんでした
最初は押しに負け仕方なく学校へいったのですが、登校さえさせれば後は知らなーいという感じで私が教室へ入った後は放置されました
様子を見に来るという事も一切ありませんでした
そして私は余計いじめられることとなったのでした

みんな頑張って来てるのに!

いじめに耐え、なんとか学校へ通ってたある日の事でした
いじめ加害者の男子達に「お前いつもズル休みしてるよな!みんな嫌でも毎日学校に来てるんだぞ!俺だって休みたいけど毎日頑張って来てるんだぞ!」と言われました
お前たちのせいで私は学校へ行きたくても行けないんだと思いましたが言い返す力はなく、ただ黙って暴言に耐えるしかありませんでした

当時、別学年に不登校の子がいたのですが、教師はその子を引き合いに出して「〇〇ちゃんは、人とすれ違うだけでパニック起こしたり、ちょっとでも雷が鳴ると動けなくなる繊細な子だから学校に来れないんだよ、でも君は違うでしょ?知らない人とすれ違っても平気でしょ?雷なってもけろっとしてるでしょ?あんたはいつもいじめられたとか言ってるけどそれはただの被害妄想です、だから同じクラスの子を悪く言うのはやめようね
悪いところばかり見るんじゃなくて良いところを見つける努力をしよう!」
と私に言い放ちました

わかってくれる人がいない、そう思って、私は学校へ行くのを完全に拒否しました

そのまま小学校を卒業し、中学生となるも相変わらずいじめ問題は解決されず不登校のまま

中学に入学したものの、田舎なのでクラスメイトは変わりません
当然いじめ加害者も居ます
そんな環境なので当然私は学校へ通えませんでした
そんな私に中学の先生からある提案が出されました
「不登校の子たちが集まるコミュニティがあるんだけど、そこへ行ってみないか」
そのコミュニティというのは、後にフリースクールと呼ばれる施設の事でした
当時はまだフリースクールとして運営されておらず、いくら出席しても学校の出席扱いにはなりませんでした
でも、社会からも家族からも孤立させられていた私は似たような境遇の人たちと交流したいと思い、その施設へ通いたいと言いました
ところが、子供の事より世間体を気にする実母が「学校の出席扱いにならないなら意味ないでしょ!そんなとこ行けるならちゃんと学校行け!!」と大騒ぎしたため、断念しました
その後、中学は2年の途中から少人数学級へ入ることで何とか通うことができるようになりました
因みに加害者の男子達からは一切謝罪はありませんでした
実母は「やっとわがまま言わず普通に学校へ行ってくれるようになった」と大喜びしている様子でした

人の価値観は変えられない

昭和を生きた人間は「子供は学校でしか学べない」という価値観が根強く残っているのでしょう
オンライン授業が中々浸透しないのもそのせいでしょう

コロナ禍の頃、企業がリモートワークを導入しようとした際に「仕事は会社で行うもの、自宅じゃサボる奴が続出する」「家で仕事なんてあり得ない」「在宅ワークなんて仕事できない無能がやるもの」と難癖付けていたのも昭和世代の人間でした
だから市長も「学校へ行かなければ勉強なんてできない、だから嫌でも学校へ」と言ったのでしょう

以上、滋賀県東近江市長の発言を聞いた元不登校児の感想でした
最後まで読んでくれてありがとう
よろしければ下記のnoteも読んでください

私のフレネミー
生徒会長とその取り巻きに敵視された話
シングルマザーに敵視された話

https://note.com/nakazon_memo

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