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美術館で職員さんに質問する

中山泰地

僕が初めて美術館に行った記事はこちら ↓ ↓

公園を歩く途中、2回目の美術館に入った。
次の企画展に変わったので、違う作品の雰囲気を味わおうと思ったから。


「観覧料600円です」
通常は260円。入口の表示にも(一般 260円)としか書いてない。

「え、あ、え、…」
あらかじめ小銭トレーに310円出していた手の引っ込みがつかなくて、僕が言葉をもごもごさせていると、
受付の職員さんも
「え、あ、はい…」
職員さんももごもご。

「企画展が変わったら料金も変わるんですね」
改めて600円を小銭入れから探しながら、
本来職員さんが説明するセリフを僕が説明調で説明。

「そうなんです、はい」
それだけか。


ちなみに今回受付に立っていたのは、前回僕の観覧に付いてきた職員さんだった。
(ローテーションするんやな)
美術館業務の一端を知る。


今回はある日本画家の作品の展示。
大きめの絵が多い(感想が素人)。
画角が大きいとでも言い換えようか。

パッと見て、大きい額縁の絵が並んでるなと。
その大きなキャンバスの中に、抽象画ではなく細部まで緻密にデッサンした光景が収められている。

間近で見ようと壁に掛かった絵に顔を寄せる。
一瞬、絵との遠近感が分からなくなりよろける。
足元を見て壁との距離を確認。

(あ、線がある)

絵の前には全て、白い線がテープで床に貼られていた。
(おもっきり近づいてた…)
近づき過ぎはだめなんやね。


油絵?水彩?
重ねて塗られてる感が油絵かな?いや、わからんな…

ていうヒトリ議論をうっすい独り言でブツクサしながら、あることに気付く。
(直接空気に触れていいんかな?)

僕が油絵か水彩かを確かめるぐらい近寄った絵は、ケースに隔てられていない観覧者と同じ空間に、絵の紙がそのまま曝露されている。
そうやって観覧スペースの壁に直で掛けられている絵がある一方、
観覧者のいる空間とは隔ててガラスのショーウィンドウの中に展示している作品もある。

それぞれの空間の隅っこには、小学校の百葉箱の中にあるような計測器が置かれている。ロールペーパーが回転し、温度と湿度が針で自動計測されている。

展示物の保全には温度・湿度が重要なんだろう。素人でもわかるさ。

じゃあ、そんなに保全が重要なのに、なぜ空間に曝露した絵とケースで丁重に保護された絵があるのかな?


(聞いてみよ)


今日僕に付いて来ていた職員さんは女性。
僕の方に視線を向けることなく、同じ部屋の隅で一点を見つめ待機されている。僕が質問しようかなと視線を遣ると、一瞬ビクッとしたような気がしたのは気のせいか。


「すみません、ちょっと聞いてもいいですか?」
「はい」
意外と落ち着いている。

「直接空気に触れている絵とケースに入ってる絵では、何か影響が違うんですか?」
「あぁーーー…ちょっと聞いてみますね、ちょっとお待ちください」
「あ、いいですいいです、大丈夫ですよ、すみません」

わざわざ確認に行ってくれた。

先輩風の職員さんが対応に駆け付けてくれる。
回答してくれたけど、そこは伝言ゲームのさがやな、
うまく質問が伝わってなさそうだったので、もう一回聞き直してみる。

「この同じ空間で空気に触れている絵と、ショーケースの中に展示されている絵がありますけど、温度とか湿度の影響があるから展示し分けているとしたら、絵具とか材質とか絵の性質が違うんですかね?何か影響が変わるんですかね?」

よし。こんどはしっかり聞けた。


何か要領を得ない感じで回答してくださったが、その中に僕の欲しい回答が見え隠れした。
要は、両者に特に意味はなく、配置の順番上たまたまショーケースの中に入ったものとたまたま同じ空間の壁に掛かったものとがあるそうな。

「じゃあ、特に影響の違いはないんですね?」
「そうですそうです」

なるほど。

世界の名だたる美術館でも環境活動家が美術品を汚せるぐらいオープンになっているんだから、そんなに厳密な管理ってないのかもな。もちろん作品によるだろうけど。

観覧者のモラルに任されている側面もある。性善説。信用に基づいてる。

変な質問してごめんなさい。




絵の感想?
…キレイやった。美しかった。


…もう少し観る目を磨きます。
でも少しずつやけど、細部と全体とを見比べようとする態度は出てきている気がする。

芸術って、きっと、ある程度、自由なはず。
次回も楽しみだ。


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