中山泰地

「医療従事者も人間だ」仕事 家族 少しのサブカル 冗長 短絡 理屈 思い込み

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朴訥(ぼくとつ)

趣味という趣味を持たず 毎日同じような服をまとい 食に頓着なく 大酒はたまにするけど 同じ時間に寝て同じ時間に起き 人付き合いはそこそこに 洗濯と食器洗いだけを馬鹿の2つ覚えとし ただ機械的に自転車通勤をこなす かわりばえのない日に 未知の体験を乗せ心養う

    • 「どう?こっちの生活は。いいとこでしょう?」?そうじゃないときどうするんだ。

      故郷の匂いってある。同じようにツクツクボウシを聞いても、そこから香る草の匂いは、どこか同じじゃない。 生まれ育った場所とは違うところで暮らしている。子どもの時に夏の道端の縁石に座り感じた、アスファルトの照り返しと湿度とにおいは、今同じような条件下にいても再現されない。道端のわずかな日かげで、道路脇に溜まった砂に作られた蟻の巣を、棒の切れ端でこすって壊したりした。その時のにおいは、炎天下の似たような環境であっても今再現されることはない。 そのときの五感は、物理的な条件以上に

      • 「お大事に」のタイミング

        皮膚科を受診した。予約しても予約時間通りに順番が回ってはこないのはよくあることだ。むしろ、丁寧な対話の診察を心掛けている先生であるとも言える。 会計窓口の前のソファに掛けて待っていると、会計にやってくる患者さんたちの様子がよく分かる。カウンターがやや高めであり、小柄な高齢女性は少し背伸びをするように現金トレイをのぞき込んでいる。 小柄な高齢女性が支払いを済ませ、窓口のスタッフさんは「おだいじにー」と言った。しかし「おだいじにー」のタイミングが、私には早すぎるように思えた。

        • 健康志向のおっちゃんかと思ったら坂の下でタバコ吸ってた

          毎朝住宅地の坂道を歩いて下る散歩のおっちゃんがいる。私が自転車で横を通りすがるたびに手を挙げて挨拶をしてくれるので、私も手を挙げて挨拶を交わす。 喋ったことはなく素性は知らない。歩みはゆっくりで、きっと何か病気をした後に、毎日歩くことを自分に課しているんだろうなとか、そんな勝手で無粋なストーリーを作っていた。 そんな関係性のおっちゃんが坂を下った後の動向は、いつもどうしているのか知らない。坂を下るその一場面でしか私たちは繋がっていないから。 先日は私の時間がずれたのか、

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          平穏

          本当は平穏なのに平穏に気付かず人生が過ぎてしまうのは、不幸せかもしれないな。どうせなら平穏であることに気付きたいけど、これが平穏なんかな。 そうであると思わないと、分からないものなのか?平穏って。 平穏って難しいな。

          夢の中のわっるいやつ

          見た夢をそのまま書く。 今日は「わっるいやつ」。 「ゴッ」 どんなだったか覚えていないけど、私はわっるいやつを殴った。 ただの悪いやつじゃない。「わっるい」やつだ。 法的にどうなのかは置いておいて、悪いやつよりもわっるいやつである方が、社会通念上、殴ってもどちらかといえば情状酌量が認められると思う、どちらかといえば。 殴るに値する、とまでは言わない。それは言い過ぎだとも思う。 殴ることの価値観に言及するのは、規模の大小の差だけであって、暴力、果ては戦争を許容することに

          夢の中のわっるいやつ

          こぼすことが前提の食べ物

          こぼすことが避けられない食べ物がある。作った人がこぼすことを予め想定して作っている場合は、受け皿的なものや汚した手・口元を拭く紙的なものをセットで提供してくれている。しかし作った人が、特にこぼすことを予見していなかったり、予見していても屋外で食べることを前提としていたり、味や見た目などクリエイティブを重視して作っている場合は、こぼすという2次災害のバックアップ体制は取られていない。 スイカを作る人は、こぼすこぼさないといった些末な次元にはおらず、「自然を感じてほしい」「夏を

          こぼすことが前提の食べ物

          公園でサッカーする人

          FCバルセロナのゲームシャツをまとい、真夏の炎天下、平日昼間の公園で個人技を磨く人がいる。この人は私が知る限り、去年の夏からここでこうしている。去年の夏にたまたま見かけたのが初めだから、もっと前からやっているかもしれない。 3、40代と思しきその男性は、スペインのサッカー1部リーグ所属のFCバルセロナのシャツを着け、ズボンは黒の細身のストレッチパンツ、靴はローカットのスニーカーかフットサルシューズのようなものを履いている。遠めに見ている限り、黒の細身のストレッチパンツは、春

          公園でサッカーする人

          坂を下るおっちゃんが反応してくれる

          おっちゃんは必ずこっちを見て手を挙げてくれる。 「オッス」とでも言うように。 毎朝、住宅地の坂を歩いて下っているおっちゃんがいる。 おそらく日課の散歩であることは間違いない。 つばが小さめのアドベンチャーハットを被り、半袖ポロシャツにハーフパンツ、newBalanceっぽいスニーカー、肩掛けの洒落たミニポーチのいでたちのおっちゃん。 私が通勤自転車で坂を下る時間にほぼ毎回、坂の中腹をおっちゃんが下っていくのを後方から見つける。 おっちゃんは坂の下に向かって左側の歩道、

          坂を下るおっちゃんが反応してくれる

          爪をさらす鷹は能がない

          諺「能ある鷹は爪を隠す」を逆にしただけなんだが、「能ある鷹は爪を隠す」の逆は「爪をさらす鷹は能がない」であってるよね? 逆にしようと思って、最初、「能のない鷹は爪をさらす」としてみたんだが、「これって必要十分条件になってる?」とか、「逆は必ずしも真ならずだし…」とか、高校の数学Ⅰが頭の中を渦巻いてきて、考えるのを一旦やめた。 一旦やめて、逆が真になるようにもう一回考えた結果、「爪をさらす鷹は能がない」に着地することにした。でもやっぱりよく考えたら「爪をさらす鷹は能がない」

          爪をさらす鷹は能がない

          歯磨きはじめた人やめる人

          アラフォーに差し掛かり、昼休みに歯磨きをはじめた同僚がいる。 他の職業の人はどうしてるんだろうか。 「昼休みに歯磨きをする習慣がある」というのが、医療従事者の特徴の1つかと思っている。個人差はあるだろうが、医療施設・介護施設・福祉施設に勤める多くのスタッフは休み時間に歯を磨く。夜勤スタッフなら各々の休憩時間か朝か、とにかく、休み時間に歯を磨く。 私が学生として実習に通っていた病院のスタッフも、昼休みに歯を磨いていた。16年前である。それ以前も、医療従事者は押し並べて昼休

          歯磨きはじめた人やめる人

          にごり

          よく行く川遊びの川の水が、今日はややにごっていた。少し下流にある堰で流れがせき止められ、いつもの遊泳エリアがいわば水たまりのようになっている。連日の日照りで水位が下がり、堰からは板の隙間から一定の水が流れ出ている。いつもは堰のコンクリートを越えて水があふれるように流れているのに。水流が減った分、水のにごりが増えたのだろう。 私はゴーグルは着けず裸眼で潜る。いつもは透明度が高いからある程度それでもいいのだけど、今日はにごっている。堰で止められた水たまりみたいな川に裸眼で挑んで

          お腹を空かせて

          盆の中日、帰省してきた家族たちと焼き肉に行く。義母が食べ放題で予約してくれているので、今日は朝から調整の一日だった。いかに食べ放題のパフォーマンスを高めるか。 学生時代は力技で乗りきれた。直径50cmのお好み焼きを30分で完食し無料券をもらったりとか、王将の餃子60個を30分で完食し無料券をもらったりとかした。過去を美化する癖があるので数字の誤差はあるかも知れない。ファクトチェックはできない。いずれれにしても力技で食べたいものを食べたいだけ食べられた。しかしそんな武勇伝も今

          お腹を空かせて

          日照りが強すぎて(?)ミミズの糞塚が消滅した。

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          プチ「ステップ気候」

          ↑は行きつけの公園の様子である。 ほとんどの草が枯れている。 本来ならこの時季は、公園管理の人たちが定期的に芝刈機を走らせても後から後から草が繁茂する。しかし先日の芝刈り後、数日ぶりに通りかかるとこの有り様。 刈られて地肌が露出したところに灼熱の太陽が照りつけた影響で、本来生い茂るはずの種々の芽を枯らせたのか。 いや、全くの不毛の地になったわけではなさそうだ。よく見ると、すねの丈ほどの細長い草が疎らに生長している。疎らなので、広角に眺めても背景に紛れて視認できない。近く

          プチ「ステップ気候」

          蚊柱に眼球

          夕暮れ、自転車で帰宅の途につく。8月の18時過ぎは、まだ明るいとも言えるしどうやら薄暗いとも言える。雑木林と住宅地の間を縫う県道の下り坂を、涼しいとも生ぬるいともつかない空気を割いて走った。 数メートル先の眼前に黒い斑点が舞っていると思った次の瞬間には、その中を突っ切った。蚊柱に突っ込んだようだが、特別驚くことではない。夏の夕暮れは蚊柱たちのゴールデンタイムだ。そこかしこに活動グループが形成されていて不思議はない。そこに人間が足を踏み入れた。彼らの領域を侵したのは私だ。彼ら

          蚊柱に眼球