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雑感66 さやえんどうの卵とじ

 義実家に行ったときに、「あまり量がないから、卵とじにでもしてね」と、義母からさやえんどうを渡された。ちょっと困った。
 わたしは、ほとんど卵とじを作ったことがない。というのは語弊があるので説明すると、かつ丼とか親子丼などの丼ものではするのだが、おかずとしての卵とじはない。
 理由は不明。アレルギーのある家族がいるわけでもなく、卵が嫌いな人がいるわけでもなく。強いてあげれば、母があまり作らなかった、とはいえる。
 合わせて、豆の青臭さが苦手だった。今ではそれほどでもないけれど、グリーンピースやさやえんどうは舌に残るえぐみが、子どもだったわたしには美味しいとは思えなかったのだ。
 聞き分けの良い嫁ではないので、普段なら「華麗にスルー」なのだが、なんとなく作ってみようと思ったんだ。これも理由は不明。
 食べたことはあるので、なんとなく作り方も想像つくけれど、そこは小心者。ネットで調べる。たまたま開いたページが、まぁ作れるだろうと思うほどに簡単なレシピだったので、そのまま作ってみる。
 調味料は、出汁、しょうゆ、みりん、オイスターソース。ん? オイスターソース?
 備考欄に、オイスターソースはコクを出すためとあった。「コクねぇ。コクがあればいいってもんでも、なかろうに」と料理下手なりの考えはもっているけれど、今はそんなことを言っている時間はない。
 素直にオイスターソースを加える。味見はしない(いつものこと)。
 美味しかった。オイスターソース、正解。
 豆のえぐみが少なかったとか、わたしの舌が大人になったとか、別の因果があるかもしれないけれど、とにかくえぐみを感じない濃い目の味付けが快かったのだ。
 和食にオイスターソースという組み合わせに疑心暗鬼だったけれど、ちょこっと加える分にはいい。そんな発見をした立夏の夜。
 
 

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