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特別講師として社長の結城が大学生に授業をしました。

先日、東北学院大学様より特別講師としてお招きいただき、社長の結城が授業を行いました。
地域づくりに興味を持つ学生に対して、1回目(全2回)となった講義では弊社がこれまでどのような思いで、どのような取り組みをしてきたかをご紹介しました。

地場ゼネコンとしての想い


弊社は空襲で焼け野原になった仙台という土地で、地場ゼネコンとして、病院や公共施設といった建物を建てたことが原点でした。高度経済成長期も乗り越え、これまで70年以上の歴史の中で沢山の建物を建設してきました。

長い年月をかけてまちは発展し、多くの資源や便利な施設により生活は豊かになりましたが、なぜか幸福感を得られないことがあります。また、もともとあったまちのコミュニティの衰退も進んでいます。特に東北地方では人口減少が進んでいて、コミュニティの衰退は深刻な課題となっています。
そこで弊社はこのような状況の中で、単に建物を建てるだけではまちは豊かにならないと考え、建物やインフラだけでなく、生活に関わるサービスにも注力する取り組みを始めました。

まちの「課題解決」を通して、まちにとって「価値のあるもの」を残す。
そして、あったら「いいな」を「いいね」に変えるものを提供する。

そんな思いから生まれた4つの事業を紹介

講義の中ではまちの課題を解決するために行っている4つの事業を紹介しました。

1つ目が企業主導型保育園の運営です。
3階建ての建物を建設し、それぞれのフロアに保育園や医療モール、共同住宅の役割を持たせることでまちの待機児童や女性の社会進出、保育士の労働環境改善といった課題解決に繋げています。弊社では保育園の運営も行っており、社員の福利厚生としても利用できるようになっています。

2つ目が高齢者向けナーシングホームの建設と運営です。
高齢者の住まい不足や、追いつかない地域医療といった課題に対して、建物に住む高齢者だけでなく地主様や運営事業者様の課題にも寄り添うことで解決に向けた方法を見つけました。

この「さんりょう」と呼ばれるスキームでは、遊休地をお持ちの地主様に高齢者住宅を建てて頂いた後、弊社が建物を一括で借り上げることで家賃を保証し、運営事業者様に賃貸としてお貸しすることで、地主様の賃貸リスクを下げることが可能になりました。新しい土地活用や相続税対策の一環としてご提案しております。

また、運営事業者様のメリットとして、新規店舗を計画する際のエリアマーケティングや自分達で土地、建物を建てる資金を金融機関から借入れする必要がないという点があります(地主様が建てるため)。それによって新規店舗の運転資金のみの借入れで、事業をスタートできるので、運営に専念でき、事業拡大のスピードを上げることができます。
「さんりょう」スキームを利用する事で本当に必要とされている地域医療を提供することや、高齢者の住まい不足という課題の解決にもつながっています。

3つ目がクラウドファンディング「まちワクファンド」の運営です。
土地、建物を購入するには、たくさんのお金が必要となるため、希望の土地や建物を自分たちの資金で購入したり、金融機関から借りたりなど、何か事業を行うとなると容易に始めることが難しい場合がありました。

そこで弊社では不動産特定事業法という免許を取得し、不動産クラウドファンディング事業をスタートしました。
具体的には必要な土地、建物、リフォーム費用など掛かる費用を算出し、総額をみんなで出資します。そこで出た賃料(家賃)を出資してくれた皆さんに分配(配当)します。

たとえば総額3000万円かかるとすると、1口10万円として300人の出資者を集めるようなイメージになります。
1人が3000万円出すことが難しくても、みんなで10万円ずつ出して集めればそんなに難しいことではなくなります。
このスキームを使って、空き家などの課題解決と同時に「古民家再生」、「病院」「老人施設」など、自分のまちに必要な施設にかえていけたらいいなと考えています。

実際に、仙台市内で空き家を再生し、障がいを持つ方のグループホームをリノベーションして賃金を募集し、運営をすることができました。
これからもこのスキームを使って地域課題を地域資産に変える取り組みを行っていきたいと思います。

そして4つ目が農福連携事業です。
障がいをお持ちの方の雇用、住まい不足といった課題や、使われなくなった休耕地、農業の食料自給率の低下、高齢化による担い手不足といった課題に対して、農福連携事業のなかで「まちワクプロジェクト」というプロジェクトを通して解決していく仕組みづくりを行っています。
弊社としてはグループホームを建設し運営を行ったり、別会社として農業法人まちワクファームを設立し使われなくなった8棟のビニールハウスで野菜やフルーツを栽培したりしています。併せて就労継続支援B型事業所も設置し、まちワクファームと連係して障がいをお持ちの方と農作業や箱作り、清掃作業なども行っています。3つの事業を連動させる事で、障がいのある方の自立支援の環境を整えながら、持続可能な循環型社会をつくっていきます。


今回の講義では、学生の皆さんが熱心に話を聞いてくださったり、沢山の質問もいただくことが出来ました。そして東北の現状を認識して頂いた上で、よりよいまちをつくっていくことができるとお伝えすることができました。

2回目の講義は、1回目の講義に基づいて学生からのフィードバックを楽しみにしています。