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美容室の開業 60歳を超えてもサロン開業が出来るのか?

2-3-5 美容室の創業融資 美容師が創業融資を受けやすい理由

60歳を超えてサロンを開業した人がいます。
人生これから。私がサロンを開業することで勇気を与えられるはず。だから、私はサロンを開業する。そういってご自身のサロンを開業されました。
サロンの開業をご支援させて頂いた私も勇気を頂きました。今回のテーマは、60歳を超えてもサロンを開業できるのか?についてお伝えします。

〇シニアの方が不安に思っていること
 ここでいうシニアの方とは何歳くらいの方を想定しているのかと言えば、日本政策金融公庫にある融資制度のシニアの定義を借りるなら、55歳以上の方をシニアと呼んでいます。ここでは、55歳以上の方が美容室を開業する場合についてお伝えします。
 シニアに方と開業相談をしていると、今から大きな借入が出来るのか?大きな借入をしても大丈夫なのか?という不安をよく耳にします。今の年齢と借りたお金の返済年数を考えると、不安になるのも当然かと思います。
 創業融資はシニアの方はそもそも受けられるのかどうか?については、結論から言えば、まったく問題はありません。年齢が高いという理由だけで創業融資が受けられない、ということはありません。後で触れますが、創業融資を積極的に行う日本政策金融公庫ではシニアの創業を積極的に支援しています。一般的に考えれば、55歳を超える方が新しく事業を始めるというのは簡単ではありません。ただ、これが美容師の開業となれば少し事情が違います。

〇シニアの方だから有利なこと
 美容室の売上は、オーナーである美容師がどんな経験を積んできたのか、どんな技術を持っているのか、どれくらいの固定客があるのか、で概ね決まります。ただ、私の開業支援で大切にしていることは、美容師としての属性は考慮せず、どんな場所に出店するのか、セット面の数は何台入れるのか、どんな集客方法を選択するのかを売上の根拠にしています。誰がやっても成立する事業計画が立てられる条件が揃っていること。その上で、その美容師さんだからできる事を事業計画に上乗せする。そうすると、まず美容室の開業で失敗することはありません。
 シニアの方が有利な点は、美容師としての経験の長さです。年齢を重ね、技術も積み重ねてきています。コミュニケーション能力も同じです。人間関係の幅も広がっているはずです。もう1つの有利な点は、これから必要となる資金の大きさです。若い方が美容室の開業を考える時に、今の生活資金だけでなく、将来のライフプランを支えるためにもっと大きな資金を確保できるようなサロン経営をする必要があります。でも、シニアの方の開業の場合は、比較をすればそこまでの生活資金の確保をする必要がない場合が多いです。年齢と共に重ねた美容師としての経験、必要となる生活資金の大きなはお金を貸す側としてもプラスの材料と言えます。

〇国はシニアの創業を応援しています。
 日本政策金融公庫には、女性、若者、シニア起業家支援資金という融資制度があります。制度としてシニア起業家の資金の支援を積極的に行っています。お金が借りられるのはいいけど、大きな借金をして、もし、自分に万が一のことがあったら、残った借金はどうなるのか?と心配される方もいます。このことは年齢に関係なく、大きな借金をすれば、だれだって不安になります。自分に万が一のことがあっても借りたお金は返さなければなりません。
 そんな不安を解決するための制度が、「事業資金融資団信保険」、いわゆる「団信」という制度です。この制度は、自分に万が一のことがあった時に、借りた借金を保険金として支払ってもらえるという制度です。この保険は68歳未満の方まで加入が出来ます。保険があるから大丈夫、という訳ではありませんが、それでも安心して事業をする上では積極的に活用してほしい保険です。

〇シニアの方が開業する上で準備すること
 もっと多くのシニアの方がサロン開業をすべきだと思います。若い方と比較すれば、今後の必要な生活資金もそれほど多くなく、体力は若い方と比べれば劣って当然ですが、美容師として長年積み重ねてきた技術は大きな武器となります。シニアの創業を国は応援していますし、万が一の保険もあります。年齢を重ねた美容師の方が開業する環境は実は揃っているのです。でも、だれでも開業しても大丈夫、というほど経営は甘くはありません。年齢を重ね、将来は違う働き方をしたい、と考えている方は是非準備をしておいてください。
 シニアの方でも融資が受けられる方というのは、美容師としてのキャリアをしっかりと積み重ねてきた方です。コツコツと自己資金を貯めてきた方です。将来の開業に向けて、改めて目標をセットし、自己資金の準備、自分のお店を開くにあたり必要となる技術、お客様との関係性を見直して準備を始めることをお薦めします。

〇開業した後の経営は上手く行っているのか?
 昨年、60歳を超えてサロンを開業された方はお二人おみえです。お一人は、長年勤めてきたサロンの大先生がお亡くなり、その先生の意思を引き継ぐ形で大先生のお店を継承されました。もう一人の方は、ご主人と長年サロン経営をされてきた方が、自分のやりたいことを実現させたい、と女性のお顔そりに特化したサロンを開業されました。開業のために新しい技術の習得もされました。お二人ともとてもパワフルな女性美容師です。シニアの方の必要な生活資金はそれほど必要ない、と書きましたが、だからと言って、利益が少ないという訳ではありません。お二人ともしっかりとした節税対策が必要となる状態までお店は成長されています。
 開業した後、その年でお店をオープンするのは凄いですね、とたくさんの方に言われたそうです。そして、お二人の周りで私も何か始めたい!と挑戦をスタートされた方も何人かいたそうです。シニアのサロン開業はいろいろな方に勇気を与えます。

ではまた。

ではまた。

美容室専門税理士 中嶋 政雄

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