デコボコがあっても
生きづらさなどに関する本の紹介です。
よかった本①
雑誌『いいね』 クレヨンハウス
”あらゆる「バリア」をなくし、みんなが生きやすくなる新しいバリアフリーを!”
と題して、社会の中にあるバリア(障壁)をなくしていくためにさまざまな分野で活動されている方々と活動について紹介されています。
本文より
世界ではじめて盲ろう者の大学教授となった福島智さんが代表をされている、東京大学先端科学技術研究センターではバリアフリー研究がされています。その研究室の研究員である大河内直之さん(表紙の方・視覚障害者当事者)のインタビューの言葉を読んでハッとしました。
”障害は社会が生み出した『害』である”
そういうことだなぁと感じました。
身体的・精神的な障害がある方、病気や疾患がある方、生活に困窮している方など…
当事者と〈健常者〉との間には断絶があること。
その違和感のような感覚をずっと感じてきたけれど、それはここに書かれていることだったなぁ…と思いました。
(病気や障害がある人に対して、個人の側の問題として捉えられること。その人に問題があるから生きづらいのですよ、という考え方に対する息苦しさ。)
“病気”や“障害”は誰でもなる可能性があるけれど、たとえば理解されにくい、孤立しやすいなどの精神的問題の他にも、現実的に多くの問題が重なって起こってくることが多いと思います。
私の場合の例をあげると、履歴書に空白の期間(働けなかった期間)があることで面接の書類選考の時点で落ちやすい、など。その時に理由を聞いた訳ではないですが何度も同じような経験をしてきました。
また、就労の問題や困窮など経済的問題を抱える人たちに対して、その個人の ”努力が足りない” という捉え方もふつうによくあることだと思います。
よかった本②
凸凹あるかな?わたし、発達障害と生きてきました
著 : 細川貂々 監修 : 山登敬之 平凡社
漫画家・イラストレーターである細川貂々さんのご自身の発達障害の経験のお話。絵が素朴でかわいらしくホッコリ。発達障害のさまざまな特性などについて詳しく書かれていて勉強にもなります。
たいへんだった経験を漫画で伝えることでいろんな人の励ましやちからになっていること。とっても素敵だなぁと思います。
※私自身は強迫症(OCD)の症状でてんてこまいできたので、発達障害について受診して調べるようなことはなかったのですが、HSP(繊細で敏感な体質)という体質はあるし発達障害もあるんじゃないかなとは思う。
監修の精神科医の山登先生が後書きにこのように書かれています。
最初に紹介した「いいね」のところでもあったけれど、社会が〈健常者〉仕様にできていて、〈フツウ〉を求められ〈フツウ〉が良しとされている。そこのレールから外れることは恐ろしいから、体調を崩すほど頑張ることになったり、自分を見失ってしまうのかと思います。
社会のあり方と本当の自分のはざまで、困難や生きづらさが生まれるかと思います。精神的・現実的にさまざまな壁がある中で、自分らしく生きるって決して簡単ではないこと。
けれども世界中でさまざまな出来事が起こっている今、本当に多くの人が強い不安を感じたり問題にぶつかっているとも思います。
大きなことをなんとかしなくちゃ…と思うと滅入ってしまうから、身近なことを大切に、小さなことからと思って過ごしています。
冴えなくて全然駄目だったなー…そんな日ばっかりだったりもしますが、小さなよろこびを探していけたらと思います。