2019年 85冊目『自然経営 ダイヤモンドメディアが開拓した次世代ティール組織』
友人の武井さんの本です。
Teal組織がもてはやされる前からいわゆるTeal組織を実践してきた話です。
そしてある意味Teal組織を超えているダイヤモンドメディアの話です。
天外伺朗さんとの塾での会話を中心にそこに天外さんの解説などが入っているので読みやすいです。
元々は天外さんの「非常識経営の夜明け」、セムコ社の経営、天外塾のフロー経営などが下敷きになっているそうです。
内容は多岐に渡り、塾生の質問に回答する形で話が進みます。
面白いなって思ったのは「給料をオープン」にするのを抵抗する組織が多いそうです。
それは、社長の給料をオープンにするのを嫌がるのと
例外だらけで作って来た既存社員の給料をオープンにするのを嫌がるそうです。
案外、後者が多いようです。
給料について触れている章が多いです。
確かに、前の会社で、これを議論した際に人事部門が大反対しました。
しかし、実際は人事だけ、知っているんですよね。
情報を公開することの重要性が載っていました(100%同意します)。
特定の人だけが、知っているってのは、ホントひずみを産みますね。
給料を自己評価にするとバブルが起きるようです。
きちんと議論をせずに承認しあうので、そんなことが起きるようです。
同社は、(ざっくりした)社外相場と内部評価(ここの観点が独自性がある)で決めています。
半年に1回1時間程度でやるそうです。
他人に一任もOKだそうです。
目標管理などを丁寧に時間をかけてやり、評価も時間をかけてやるのとは対極ですね。
会社ではありませんが、私は、私のも含めて報酬をオープンにしています。
というか、よく考えたら、複数人が関わっているプロジェクトはすべて報酬をオープンにしています。
もちろん情報はオープンにしています。
1つのプロジェクトは、発注者にも私のチームの支払いをオープンにしています。
とてもうまく行っています。
コミュニケーションにムダが無いです。
会社と比較して、プロジェクト形式の仕事なのでメンバーが固定化していないのでやりやすいかなと思うのですが、実際にオープンにしている例はあまりないですよね。
自然経営は、給料をオープンにできるかが1つのポイントだという事です。
分かる気がします。
ダイヤモンドメディアは、会社に来るのも来ないのも勝手だそうなのですが、一方で1on1を大事にしていたり、オフィスに吹き溜まりスペースを作っていたりしています。
かつて読んだベル研究所でもこの吹き溜まりにができるように、各室から食堂の廊下を工夫したとありました。
標ぼうしている「自然経営:じねんと読みます」どおり、自然の摂理道理運営しているエピソードが満載です。
武井さんはとても勉強をされていて、現行法の中で何が問題か。
その中でどこまでできるのかという話をされています。
それを読むだけでも価値があります。
Teal組織にもいくつも種類がある話、経営者のレベルによって実現可否が変わる話、とても興味深いです。
武井さんは、ダイヤモンドメディアを退任され、この自然経営を広めることに注力されるそうです。
興味ある方は連絡されると良いと思います。
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