2017年 12冊目『多文化世界 違いを学び未来への道を探る』

450P 2段組み、実質900Pと言う大作でした。

ヨーロッパ人たちと議論をした際に、自分自身の価値観との違いに驚き、

多文化の論文を書いていたTさんに相談し、この本を読めばよいと教えて頂きました。

ポイント

文化を国ごとに比較する際に5つの次元がある

  権力格差 小⇔大:power distance 

  集団主義⇔個人主義:collectivism⇔individualism

  男性らしさ⇔女性らしさ:masculinity⇔femininity

  不確実性の回避 強⇔弱:uncertainty avoidance 

  長期志向⇔短期志向(Long term orientation LTO)

日本は、

・権力格差の大きさは 76か国で49位。アジアでは最小(格差が小さい)、西欧諸国よりは大きい

・個人主義の強さは、76か国で35位アジアではインドに次いで2位、西欧諸国よりは小さい

・男性らしさは、76か国で2位。圧倒的に男性らしい国!

・不確実性の回避の強さは、76か国中11位。アジアでも圧倒的1位。

・長期志向の強さは76か国中3位。世界1位が韓国、2位が台湾、4位が中国。6位がドイツ。

つまり、日本は

男性らしい国の特徴

  父親が働き、母親が世話をする

  夫は健康的で、裕福で理解が求められ、ボーイフレンドは楽しくなくてはならない

  女の子は泣いても良いが、男の子は泣いてはいけない

  花嫁は貞節と勤勉が求められ、花婿には求められない

  挑戦、収入、評価と出世が重要である

  効率性、高品質、迅速性が必要な製造業、特に大量生産が得意

  調教としての経営:決断力があり攻撃的

  報酬は公平性に基づく

  働くために生きる

  余暇よりもお金

  強者への報酬

  軍事費

  経済成長  

  貧困は貧しい人の落ち度である

  移民は文化を同化すべきだ

  性行為は出生のためだ

不確実性の回避が高い国の特徴

 何が起こるかわからないと(恐怖ではない)心配で落ち着かない

 →あいまいさを減らす方向に向かう

 →明確に予測でき解釈できる構造が組織や制度や人間関係に求められる

 →のんびりと座って静観するよりも潜在的な敵と戦い始める

 →汚いものやタブーについて、子供たちは厳しく教えられる。

 →違うという事は、危険である

 →家庭生活はストレスに満ちている

 →(裕福な国では)子育ての費用に不安を感じている

 →医者は何種類も薬を処方し、患者もそれを求める

 →純度が高く、基礎的な商品が評価される

 →水道水が安全でもミネラルウォータを購入する

 →清潔が重視され洗濯洗剤の使用量が多い

 →新車がよく買われる

 →規則を作ることが好まれる

長期志向の強い国の特徴

将来の報酬を志向する徳、なかでも忍耐と倹約を促す

 仕事の価値観:学習、誠実、順応性、説明責任、自律

 市場での地位が重要

 所有者、管理職と従業員が同じ志を共有

 社会的、経済的格差が大きいことは望ましくない

 思考が統合的

 物質と精神は統合

 Aが真理であってもBも心理であることがある

以下詳細

第Ⅰ部 文化という概念

第1章 社会というゲームの規則

・12人の怒れる男(ヘンリーフォンダ主演の映画)

  スラム街の少年を殺人罪で有罪にするか12人の陪審員が満場一致で決めなければならない 

  文化の違いからコミュニケーション手段が異なり、12人の感情は極限まで高まる

・考え方、感じ方、行動の仕方のパターンを

  メンタルプログラム または

  ソフトウエア・オブ・ザ・マインド と呼ぶ

・図1-1 人間のメンタルプログラミングの3つのレベル(ピラミッド構造)

  最上層 パーソナリティ :それぞれの人に特有 :遺伝+学習

  中間層 文化 :集団やカテゴリーに特有 :学習

  最下層 人間性 :普遍的 :遺伝

・図1-2 文化の表出モデル(たまねぎ型モデル)

  最外層(4層) :シンボル:特別な意味をもつ言葉、しぐさ、絵柄、物

  中間層(3層) :ヒーロー:人々の行動のモデルとされる人

  中間層(2層) :儀礼  :あいさつの仕方、尊敬の表し方、社会的、宗教的儀礼

  最内層(1層) :価値観 :ある状態よりほかの状態が好ましい。悪いー良い、汚いーきれい

  4層を貫く :慣行

・図1-3 価値観と慣行

  価値観:子供時代の影響が大きい。家族の影響が大きく、次に学校

  慣行 :学校以降の影響が大きい。仕事の影響が大きく、次に学校

・モラル・サークル

人間は自分たちと同じ集団とみなすところに心の線をひく

我々のメンタルモデルは、モラル・サークルの中での生活に合わせて調整される

宗教、哲学、国家、民族、外見、言語、性別、世代、社会階層、企業、部署、など

  規模が大きくなると希薄になる

  敵を作ることで結束を強めようとする

  「われわれ」と「やつら」

・国民文化の違い

国民国家の創造は、人類史上最近の出来事:20世紀の半ばに世界に広まった

17世紀から20世紀にかけて発達した植民地システムに続いて生まれた概念

国民国家と社会は同じではない

建国後、統合をさらに進めようとする強い力が生まれる

公用語を1つに定め、公共のマスメディアを作り、教育システムを制定し
軍隊を持ち、政治システムを整備し、強くアピールできるスポーツの祭典に国代表を送り自国の市場を整備する

→国家が人々に共通するメンタル・プログラムのかなりの部分を規定する源になっている

民族集団、言語集団、宗教集団は、国家にはなれないものの、

アイデンティティが認められるよう戦い続ける

アルスターのローマ・カトリック教、ベルギーのフランダース人、西、仏のバスク人

西アジアのクルド人、ルワンダのフツ族、ツチ族、ロシアのチェチェン人など

・図1-4 国家や集団間の違いの源

アイデンティと価値観と制度は、歴史に根ざしている

価値観と制度は相互に影響を及ぼすが、アイデンティは独立している

アイデンティティ:どの集団に属しているかの答:言語や宗教を源にしている(国民文化の中核でない)

:明示的で言葉で表せる「2つの文化に属する人」「アメリカ人」

:変化する

価値観:源はメンタル・プログラムであり目に見えない。

自分自身の動機や感情、タブーに基づくので、語る事は難しい。

制度:規則、法、組織(家族生活、学校、医療、ビジネス、政治、スポーツ)

・文化相対主義

いかなる文化も他の文化の活動の程度が「劣っている」とか「香り高い」と判断する絶対的な基準など持っていないと言うのが文化相対主義の主張。

自分たちとは異質な集団や社会に、安易に判断を下すことに対して警告を発している。

文化の部外者は、異質な社会のやり方を快く思わない傾向がある。

第2章 文化の違いを研究する

・文化の次元:国ごとに解決方法が異なる

  権力格差 小⇔大:power distance 

  集団主義⇔個人主義:collectivism⇔individualism

  男性らしさ⇔女性らしさ:masculinity⇔femininity

  不確実性の回避 強⇔弱:uncertainty avoidance 

  長期指向⇔短期志向(Long term orientation LTO)

第Ⅱ部 国民文化という次元

第3章 平等? 不平等?

 権力格差の研究

権力格差が小さい:部下は上司に相談されることを好む。気軽な関係。

ほとんどのヨーロッパ諸国、アメリカ、バルト3国、南アフリカ、日本

分権化が一般的、監督者が少ない、理想的上司は才能豊かな民主主義者

中流層が多い、平等な権利、多数決、複数政党政治、中道が強い、収入格差が小さい

権力格差が大きい:部下は上司に従う。但し、それを好む場合と嫌う場合がある。

マレーシア、ロシア、フィリピン、メキシコ、アラブ諸国、ルーマニア、中国

中央集権、監督者が多い、理想的上司は慈悲深い独裁者かよき父

中流層が薄い、権力者は特権、現任者が後任を選ぶ、右派、左派が強い、収入格差が大きい

権力格差は家庭(親や年長者と関係)から始まっている

学校での教師との関係もそう

医者と患者との関係もそう

第4章 わたし・われわれ・やつら

 集団主義社会:集団の利害が個人の利害よりも優先される社会:世界では大多数

 →中南米の大半、中東欧、イスラム、アジアの大半の国

 生まれた時からメンバー同士の結びつきが強い内集団に統合される。

 組織に忠誠を誓う限り、人はその集団から生涯にわたって保護される

 ①訓練、②作業環境、③技能の発揮

 社会的環境との調和を保つことが美徳

 他人と面と向かってたいけつする事は不作法

 ノーは対決を意味するので、ほとんど使われない

 人々が出会うときに、その場にともにいるだけで十分である

  集団の調和、恥、面子(Loosing Face)が重要

  I(私)を省略して話をする

個人主義社会:個人の利害が集団の利害よりも優先される社会:世界では少数

→欧米の大半の国

※インド、日本は欧米の最下位(両者の中間くらい)

個人と個人の結びつきやゆるやかで、自分自身と肉親の面倒をみればよい

①個人の時間、②自由、③やりがい

自分の心の内を語るのは美徳

対決は実り豊かな結果につながる

意見の衝突は高次の心理につながる

人々が出会うときに、言葉によるコミュニケーションが求められる(沈黙は変)

罪の文化、自尊心が重要

I(私)を入れて話をする

権力格差指標が大きいと集団主義社会

権力格差指標が小さいと個人主義社会

学校、職場での集団主義社会、個人主義社会

  学校

集団主義的な教室では、

調和と面子の維持という美徳が絶対的な価値

意見の対立や争い事は避けなければならない

避けられるならば生徒の面子を失わせるべきではない

個人主義的な教室では、

個人は公平に扱われることを期待している

その場、その場でグループを作りかえる

意見の対立や争いごとを皆で議論するのは健全と考える

面子をこだわる意識は低い

職場

集団主義的な社会では、

男性は自分の父親の職業をつぐ傾向が強い

雇主は単なる個人を雇うのではなく、ある内集団に所属する人物を採用する

雇主の親族または社員の親族を雇う事が好まれる

職場自体が内集団であるという意識が強い

集団を処遇することが重要

個人と業績を率直に話すのは拙い

インターネットを使わないで、家族や友人との時間を大事にしたい

個人主義的な文化では、

社員は自分の利害に応じて行動するものと思われている

雇主と個人の利害が一致するように仕事は組織されている  

職場での家族関係は依怙贔屓につながるので望ましくない

雇主と従業員は仕事上の取引関係である

個人をいかに処遇することが重要

評価のための面接をどのようにするのか考えられている

個人同士がつながるためにインターネットを積極的に使う

集団主義社会と個人主義社会を説明する2つの要因

国の豊かさ:裕福な国ほど個人主義スコアが高い

地理的緯度:赤道に近い国ほど個人主義スコアが低い

第5章 男性・女性・人間

 特定の専門的職業に従事している傾向

  女性が多い職業

・ロシアの医者、ベルギーの歯医者、西アフリカの小売店主、フィリピンやタイの管理職

男性が多い職業 

・パキスタンのタイピスト、オランダの看護師

 男性らしさ

1給与、2承認、3昇進、4やりがい(個人主義の次元にも寄与)

女性らしさ

5上司、6協力、7居住地、8雇用の保障

男性は1、3を女性は5,6を重視

男性らしさが強い国:スロバキア、日本、ハンガリー、オーストリア、ベネズエラ

  父親が働き、母親が世話をする

夫は健康的で、裕福で理解が求められ、ボーイフレンドは楽しくなくてはならない

女の子は泣いても良いが、男の子は泣いてはいけない

花嫁は貞節と勤勉が求められ、花婿には求められない

  挑戦、収入、評価と出世が重要である

  効率性、高品質、迅速性が必要な製造業、特に大量生産が得意

  調教としての経営:決断力があり攻撃的

  報酬は公平性に基づく

  働くために生きる

  余暇よりもお金

  強者への報酬

  軍事費

  経済成長  

  貧困は貧しい人の落ち度である

  移民は文化を同化すべきだ

  性行為は出生のためだ

女性らしさが強い国:スウェーデン、ノルウェー、ラトビア、オランダ、デンマーク

  両親は収入を得る役割と世話をする役割を分かち合う

  夫はボーイフレンドのようでなければならない

  男の子も女の子も泣いてよいが、ケンカをしてはならない

  花嫁と花婿に求める基準は同じである

  人間関係と生活の質が求められる

コンサルタントや輸送のようなサービス産業、オーダー製造、収益性の高い農産物など生ものが得意

  家事としての経営:直観と合意

  報酬は平等性に基づく

  生きるために働く

  お金より余暇

  弱者との連携

  海外援助

  環境保護

  貧困は不運のせいである

  移民と文化を統合すべきだ

  性行為の娯楽の側面に中立的か寛容

 男性らしい職種の順番

 1販売職、2エンジニアと科学者 3技術者と熟練工 4管理職 

 5半熟練工と非熟練工 6事務職

第6章 違うということは、危険なことである

 不確実性の回避

  仕事のストレス、会社の利益と会社の規則、長期勤続

  この3つの質問の国別平均値が独自の軸であった

 何が起こるかわからないと(恐怖ではない)心配で落ち着かない

 ※この傾向が高い国では

 →あいまいさを減らす方向に向かう

 →明確に予測でき解釈できる構造が組織や制度や人間関係に求められる

 →のんびりと座って静観するよりも潜在的な敵と戦い始める

 →汚いものやタブーについて、子供たちは厳しく教えられる。

 →違うという事は、危険である

 →家庭生活はストレスに満ちている

 →(裕福な国では)子育ての費用に不安を感じている

 →医者は何種類も薬を処方し、患者もそれを求める

 →純度が高く、基礎的な商品が評価される

 →水道水が安全でもミネラルウォータを購入する

 →清潔が重視され洗濯洗剤の使用量が多い

 →新車がよく買われる

 →規則を作ることが好まれる

 不確実性の回避が高い国

  ラテンアメリカ、ラテン系ヨーロッパ、地中海系諸国

  日本と韓国も高い

 中くらいより高い

  オーストリア、ドイツ、スイス

 中程度より低い

  アジア各国、アフリカ、アングロ系と北欧

 高い宗教

  ギリシア正教、ローマカトリック

 中程度

  イスラム教、仏教とヒンズー教

 低い宗教

  プロテスタント、仏教とヒンズー教

 西洋の宗教の共通点(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)

  絶対的な真理があり、人はそれを手にすることができるという仮説がある

  不確実性の回避が高い宗教は

   自分たちの真理のみが正しく、他は間違っていると考える傾向が強い

 起源

  権力格差(3章)に関する差異の起源は2000年前のローマ帝国まで遡る。

  東アジアでは、更に古く古代中国王朝にあると考えられる。

  不確実性の回避も、ローマ帝国(成文法)の流れをくむロマンス語圏が高い。

  中国語圏(人による統治)あるいは中国系が少数だが重要な地位を占めている国では低い。

第7章 昨日、いま、これから

 長期志向-短期志向

  長期志向:将来の報酬を志向する徳、なかでも忍耐と倹約を促す

   仕事の価値観:学習、誠実、順応性、説明責任、自律

   市場での地位が重要

   所有者、管理職と従業員が同じ志を共有

   社会的、経済的格差が大きいことは望ましくない

   思考が統合的

   物質と精神は統合

   Aが真理であってもBも心理であることがある

  短期志向:過去と現在に関する徳、なかでも伝統の尊重、「面子」の維持、社会的義務の達成を促す

   仕事の価値観:自由、権利、業績、独立心

   最終損益が重要

   管理職と従業員は心理的に2つの陣営に分かれている

   能力に応じて報酬を受ける実力社会

   思考が分析的

   物質と精神は分かれている

   Aが真理であれば、その反対のBは誤りである

  長期志向の国

   韓国、台湾、日本、中国、ドイツ、ベルギー

  短期志向の国

   中南米、西アジア国家

 孔子の教え

 1 社会の安定は、人々の間の不平等な関係を基礎としている

 2 家族はあらゆる社会組織の原型である

 3 他者に対して徳の高い行動をとるためには、自分が扱われたくないように、他者も扱わないことである

 4 自らの日々の職務において徳を高めるとは、技術や教養を身につけ、一生懸命働き、必要以上の消費を慎み、忍耐強く根気のよいことである

第8章 明るい?暗い?

 主観的幸福と世界価値観調査

  生活満足度と国の豊かさは相関がある。

  生活満足度と主体的幸福は相関が無い

   非常に満足と感じている人が多い国は、貧しい国が多い

    西アフリカ(ナイジェリア、ガーナ)

ラテンアメリカ北部(メキシコ、エルサルバドル、コロンビア、ベネズエラ)

 幸福を表す軸:放縦と相関がある→幸福感、人生のコントロール、余暇の重要性

  放縦:自分が満足するように行動し、お金を使い、友人と一緒にあるいは一人でくつろぎ、楽しめるような活動にふけっても良い

    ベネズエラ、メキシコ、エルサルバドル、コロンビア、ナイジェリア、スウェーデン、オーストラリア、ガーナ、デンマーク

抑制:人の行動は社会的な規範や禁忌によって制限され、くつろいで楽しむことや浪費、道楽は悪い事である。

  パキスタン、エジプト、ラトビア、ウクライナ、アルバニア、ベラルーシ、リトアニア、ブルガリア、エストニア、イラク、香港

日本は真ん中あたり、

幸福感、主観的健康感、将来に対する楽観主義の3つは生まれてくる子供の数に関係している

 ※裕福な国28か国では、放縦が出生率予測の主な要因になっている

 ※教育レベルや国の豊かさよりも説明力が高い

放縦指標が高いと心臓血管疾患による死亡率も低い

第Ⅲ部 組織文化

第9章 ピラミッド・機械・市場・家族ー国境を超える組織

 組織内の2人の部長がもめていた時の対応策

 権力格差指標の大小×不確実性の回避の強弱で4パターンに分けられる

 ピラミッド:権力格差大×不確実性の回避強:フランスなど、社長(上位階層)が対応すべき

 機械(仕組み):権力格差小×不確実性の回避強:ドイツなど、部長の権限やルールの整備をすべき

 市場:権力格差小×不確実性の回避弱:イギリスなど、話し合いで解決すべき

 家族:権力格差大×不確実性の回避弱:中国、インド、アフリカ諸国など、上司に全面的に任せるべき

 ミンツバーグ

  組織は(多くても)5つの部分に分かれている

   1作業部門:作業に携わる人々

   2司令塔:経営者

   3中間管理職:組織の中間層

   4テクノストラクチャー:スタッフとしてアイデアを提供する役割を
              果たす人々

   5サポート・スタッフ:すたっふとしてサービスを提供する役割を
              果たす人々

  組織は、活動を調整するメカニズムの中から1つかそれ以上を利用して
       いる

   1相互調整:インフォーマルなコミュニケーションによる

   2直接の監督:上司による

   3仕事のプロセスの標準化:仕事の内容を明確にする

   4アウトプットの標準化:求める結果を明確にする

   5技能の標準化:職務遂行のために必要な訓練を明確にする

  組織の形態は、次の5つのいずれかである

   1単純構造:司令塔×直接の監督:中国

   2機械的官僚制:テクノストラクチャー×仕事のプロセスの標準化:
              フランス

   3専門的官僚制:作業部門×技能の標準化:ドイツ

   4事業部制:中間管理職×アウトプットの標準化:アメリカ

   5任意性:サポートスタッフ(作業部門含むケース有)×相互調整:
               イギリス

  ビジネスリーダのビジネス目標の優先順位

   1事業の成長

   2事業の継続性

   3当年の利益

   4個人の富

   5権力

   6名誉、面子、名声

   7何か新しいものの創造

   810年後の利益

   9法の順守

  10従業員に対する責任

  11倫理的規範の尊重

  12社会に対する一般的な責任

  13ゲームとギャンブルの精神

  14愛国心、国会威信

  15家族の利益

  各国の特徴

   アメリカは、倫理観を重視し、事業の継続性を重視しない

   インドは、愛国心と10年後の利益を重視し、当年の利益を重視しない

   ブラジルは、ゲームとギャンブルの精神、家族の利益を重視

   中国は、倫理観、愛国心を重視し、当年の利益、個人の富を重視
         しない

   ドイツは、社会責任を重視し、権力、個人の富、事業の成長、
            当年の利益を重視しない

  結論:組織の合理性は国民性で決まる

   何を考えながら組織を作ったのか

   アメリカ-市場

   フランス-権力

   ドイツ-秩序

   ロシア-効率性

   オランダ-合意

   北欧-平等

   イギリス-システム

   中国-家族

   日本-日本

第10章 象とコウノトリ-組織文化

 組織文化を規定する6つの次元

 1過程を重視するか、結果を重視するか

 2社員を重視するか、仕事を重視するか

 3所属主義であるか、専門的であるか

 4開放的なシステムであるか、閉鎖的なシステムであるか

 5コントロールがゆるいか、きついか

 6規範的であるか、現実主義的であるか

 1過程を重視するか、結果を重視するか

   運営費に占める人件費と原料費の比率に強く相関があった

    労働集約型組織:結果志向

    原料集約型:仮定志向

   結果志向の強い組織

 欠勤率が低い、フラットな組織、労働組合の加入が低い、経営陣の教育水準が低い、平社員からの昇進

   過程志向の強い組織

    専門化、形式化

 2社員を重視するか、仕事を重視するか

   上部組織からのコントロール

    社員志向

     予算との比較、平均年齢、平均勤続年数、資本投下総額

仕事志向

財務上業績で評価

 3所属主義であるか、専門的であるか

所属主義

 伝統的技術

専門的

 規模大、ハイテク、労働組合加入率低、上長がメンバーと1対1で面談

 4開放的なシステムであるか、閉鎖的なシステムであるか

   開放的

    女性社員の割合高い、

閉鎖的

 形式化が進んでいる

 5コントロールがゆるいか、きついか

  ゆるい

   社員が急に増えた、欠勤率が低い

きつい

 原料集約的、上司が報告書やメモを読む時間が長い、管理職の教育水準が低い

 6規範的であるか、現実主義的であるか

  規範的

   公共部門

現実主義的

 民間部門

 組織文化に対する個人の認識 6つの次元

  疎外感、ワーカホリック、野心、マチスモ(男性らしさ)、秩序正しさ、権威主義

 職業文化に関する6つの次元

 1人を扱う-モノを扱う

 2スペシャリスト-ジェネラリスト

 3規律訓練-自由独立

 4構造化-非構造化

 5理論的-実践的

 6規範的-現実主義的

 ドイツの研究

  変革をもたらすには、権力者と専門家の協力が必要

   構造を変え、過程を変え、人事を変える

第Ⅳ部 共生への道

第11章 異文化との出会い

 文化変容のカーブ

  多幸症期(肯定的)→カルチャーショック(否定的)→文化変容(否定的)→安定状態(いろいろ)

 受け入れ側

  好奇心→自民族中心主義→多元主義・・・・→(異国崇拝)

 言語とユーモア

  言語特有の違いがある:英語は率直、フランス語は議論

  ユーモアも違いがある:オランダ人が悪口を言うのは親愛の証拠。インドネシア人はそれを額面通り受け取る。

文化的側面が持つ国際競争上の優位性

 権力格差

  小:責任の所在の明確さ

  大:規律

 不確実性の回避

  弱:基礎的な革新

  強:正確さ

 集団主義

  従業員のコミットメント

 個人主義

  経営の機動性

 女性らしさ

  個人対応型サービス

  オーダーメイド製品

  農業、食品、生化学

 男性らしさ

  大量生産

  効率性

  重工業、科学、バルク化学

 短期志向

  適応の早さ

 長期志向

  新規市場の開拓

 海外の企業進出と文化的リスク

  ①支社の開設→②戦略的提携→③合弁事業→④買収→⑤合併

 異文化とのコミュニケーションを学ぶ

  自覚→知識→技術

   学習によって高めることができるが、効果が無い人もいる

    自己中心主義、不確実さへの寛容さが低い、情緒不安定、人種差別主義、極右、極左

 カルチャー・アシミレータ:文化同化の手引き→効果のある学習教材

  ある質問に対して、1つの選択肢は、その民族が選び、他の3つは他の民族が選びそうな設問

第12章 文化の進化

 コンシリエンス:通常は一緒に考える事のない複数の観点を統合して考える手法

 進化に関する5つの論点

 1進化は不可避

 2進化は先取りをしない

 3進化は経路依存的

 4進化に用いられる複製子は様々

 5進化は進化する

▼前回のブックレビューです。


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