見出し画像

2019年 63冊目『最高の顧客が集まるブランド戦略』

大学時代からの友人 木村隆之さんの本です。

トヨタヨーロッパ→レクサス→ユニクロ→日産インドネシア社長→日産アジア社長→ボルボジャパン社長というキャリアです。

身内を褒めるのは少し恥ずかしいですが、お世辞抜きで必読の本です。

ボルボを担当して、データにより現状把握をし、顧客群がドイツのプレミアムカーとそん色ない事を把握します。

一方で当時のボルボのポジショニングが、今後プレミアムカーとエコノミーカーに二極化する中で、中途半端であり、とても危うい事を把握します。

それからの動きも早い。

現場の値引き体質を改めると同時に、レクサスに培った育成フレームを参考に導入し、接客をプレミアムカーのそれに向上させます。

ユニクロで学んだ短期の振返りサイクルを導入します。

トヨタで学んだ徹底的な顧客志向を導入します。

それらを単純に使うのではなく、冷静な現状把握により、必要に合わせて活用するのです。

書くと当たり前です。

まさにマネジメントの王道を地道にかつ豪快に実施しています。

そして決して安泰ではなかったボルボのポジションニング一気に変えていきます。

4年で売上1.6倍、2年連続カーオブザイヤーは輸入車で初の快挙です。

メーカーがかなり決める前提がある中で、インポータであるボルボジャパンが独自戦略を打ちます。

全ての車に安全仕様を標準装備にします。

値段も変えます。

潜在プレミアム顧客向けの情報発信基地を青山に作ります。

スマボという販売の仕方を作ります。

つまりマーケティングミックスの4Pすべてを変化させているのです。

まさにドラマのような話です。

しかも、本自身も読みやすいです。

データや根拠がちりばめられています。

結果、とてもリアリティがあります。

中に出てくる

データ→アイデア→ストーリーというマネジメントツールも納得性が高いです。

トヨタ時代に経験から考案した14のポイントも秀逸です。

木村塾という育成の仕組み(販売店の次期経営者や管理職育成)法も素晴らしいです。

※これには私も少し貢献しています。

木村さんは以前、レクサス時代に教育の本を書いていたことがありました。

しかし、その本とはレベルが違います。

従業員も同じ、取扱製品も同じ、市場は決して良くない。

その中で、様々な数値大幅改善です。

業績が伸び悩んでいて悩んでいる会社の教科書のような位置づけの本だと思います。

お薦めです。

▼昨日のブックレビューはこちら


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?