2015年年51冊目『ウルトラマン「正義の哲学」』

ウルトラマンは勧善懲悪の代表だと思っていたのですが、帯に「何が善で、何が悪なのか?誰が味方で誰が敵なのか? ウルトラマンシリーズが伝えたかった、真実の正義とは何かを解き明かす」とあり、少し大げさだなと思いながらも、興味を持ち、手に取りました。

いやー知りませんでした。ウルトラマン深いです。

幾つかの例が載っていますので紹介します。

ウルトラセブン26話 超兵器R1号

宇宙からの侵略に備え、超兵器R1号を開発し、生物が住まないギエロン星の破壊に成功した地球防衛軍。

しかし、ギエロン星には生物がおり、R1号由来で怪物化し、放射能を吐き、人間社会を蹂躙するのです。

ウルトラセブンは、ギエロン星獣を葬ります。しかし、超兵器を開発した地球防衛軍の面々は反省し、R2号の開発を中止します。

ウルトラセブン42話 ノンマルトルの使者

海底開発を進めていた人類に「海底はノンマルトルのものだから侵略すると大変なことになると」警告を受けます。

M78星雲ではノンマルトルとは地球人の事なのに不思議に思って調べたところ、もともと地球は先住民であるノンマルトルのもので、現地球人は侵略者でノンマルトルを海底に追いやることで、地球を乗っ取った事を知ります。

その時にノンマルトルが操る怪獣ガイロスが出現します。セブンは怪獣を倒し、軍艦、海底基地まですべてを破壊し尽くしました。

ウルトラマン2話 侵略者を撃て

東京で怪しい電波がキャッチされました。それはバルタン星人からの通信でした。科学特捜隊は攻撃と対話が議論され、対話することを選択しました。バルタン星人は、行き過ぎた核戦争で母国を失い、地球への移住を主張していたのです。火星への移住を提案しますが、火星ではなく地球が良いと主張します。しかも、その数20億。巨大化したバルタンを倒したウルトラマンは、20億のバルタン星人がいる宇宙船も破壊するのです。

ウルトラマン 23話 故郷は地球

某星に置き去りにされた地球人パイロットが、その星に適応する中で怪獣に変化したのがジャミラです。国は犠牲が出たことを秘密にしようとしていました。それを知った科学特捜隊は、地球に現れたジャミラとの戦いをやめます。彼は地球人であり、先輩でもあったからです。しかし、パリ本部から正体を明らかにせず、葬る指示が来ます。ウルトラマンは人間であったことを知りつつ、殺すのです。

ウルトラマン30話 幻の雪山

猟師がクマを撃とうとすると、ユキが邪魔をします。
ユキは山に住んでいる子供です。
猟師がユキを追いかけたところ、怪獣ウーが助けに来て、猟師に危害を加えます。

その後、その猟師が穴に落ちて凍死をします。
村人はウーのせいだと決めつけ、猟師たちはユキを追いかけます。

そこにウーが登場し、ウルトラマンと死闘を繰り広げます。
ユキはウーに戦いをやめるように言い、ウーは消えて行きます。
雪山には倒れているユキの絵があり、放送は終わります。

核開発、先進国の侵略、移民問題、自分たちと異なるものへ排除など様々な問題がテーマとして取り上げられていました。

これ以外にも考えさせられる話がたくさん載っています。
お勧めです。

▼前回のブックレビューです。

▼PIVOTに出演しました。よかったらご覧ください。


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