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映画『BLUE GIANT』ネタバレ感想

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玉田がよォ~~~~~~~~~~~~俺は好きでよォ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~もう出てくるたびにオイオイ泣いてた。
才能がない芸術家には感情移入しちゃうよ~ん……と恋人に話したら、「でもあいつ勉強もできて運動もできて音楽もできて努力もできるよ」って言われて死んじゃった。そう、玉田は早稲田に現役合格して、高校では宮城県ベスト8のサッカー部に所属していたのだ。生ぬるい玉蹴りサークルに嫌気が差しているときに音楽に出逢い、たぶん30万とかする電子ドラムをローン組んで買い、留年してまで文字通り打ち込む。彼の進路が若手実業家? っぽいのも含めて、全然、ぜ~んぜん私とは格が違う。そもそも1年半やっただけで好感が持てる演奏ができるんだから才能なくはないだろ。はい。殺してください。
でまあ雪祈にも共感しますわな。大の演奏を聴いて追い出して、たった3年でここまで……って泣いてたところでもう泣いた。すっごい長い間やってきたつもりなのに小手先の技術だけで全然魂がこもってない的なこと言われるわけですけど、何!? 私のnoteへの悪口!? って思ったもんな。とはいえ雪祈は才能がある側なのでそれを打破できましたけど、私なんかには一皮剥ける機会が与えられるかどうか……。ていうか、雪祈って名前よすぎるし、雪の日に感慨に耽ってたら事故るなんて出来すぎだろ。大学生が交通整理なんていうシブいバイトすんな。もうバイト内容の時点でフラグ。
大は総攻め。
感覚派の天才の極みみたいな人間だから真っすぐすぎる癖にたまに何言ってるかわからない。そう、俺はASD傾向。
壁にぶち当たった雪祈を放っておくと決めたの、信頼故だろうし、結果的に正しかったんだけど、玉田が「俺にも下手くそってちゃんと言えよ! 仲間じゃないのかよ!」みたいなこと言ってキレてるのに全面同意してしまってなんて冷酷な……と思った。玉田アツい男すぎる。いい奴だなあ。いやでもSoBlueの平さん? だっけ? にはちゃんと「あいつなら大丈夫です」的なこと言ってたからやっぱ信頼してたんだろうな。最後にはお前の演奏好きだ! ってわざわざ電話で告白してるし。あれ多分雪祈さぞかし嬉しかっただろうな。救いだよ。大丈夫? オーバーキルじゃない? あとでまたちょっと話すけど、「認めている人に認めてもらう」のって最高だからさ……。
ヤベ! ストーリーの話しかしてない! アニメーションや漫画の批評って苦手なんですよね。ストーリーだけじゃなくて絵や音響に乗せられた要素も解析しないといけないでしょ? 大学時代の演習で、漫画批評の回があって、すげえ真剣に発表したのに教授に「真面目に考えて喋ってくれますか?」って怒られたことがある。
慌ててストーリー以外の感想をいくつか。何度か「飲み物越しにステージを見る」演出があったのが気になった。アルコールとジャズの関係性? みたいな話か? 「陶酔」のモチーフなのかもしれない。ジャズにもサックスにも詳しくないけど、最初にアキコさんの店で雪祈たちに吹いてみせるとき、息遣いの荒さの強調で「全力」を表現しているのがすごくわかりやすくてよかった。そういえばヒロインらしいヒロインが居なかった(原作には居るらしい)けど尺の問題かな? ゆきちゃん! 言うてる子が最初誰なのかわからなかった。ピアノ教室の夜逃げの子か。アキコさんずっと同じポーズで泣いてるだけだし、もう少しSoBlueの客席の演出は派手で多彩でもよかったんじゃないか。東京最強のジャズバー(?)なんだろ。……いやその辺は尺として無駄なのか。演奏は絶対フル尺で入れるぞ! という意地が見えていたものな。英断だと思います。これを観て玉田みたいにジャズや楽器や音楽に関心を持つ人はきっと居るだろうし、その感情はとても純粋に近いのではないか。それだけ音楽に真摯な映画だった。

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