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認知度の低い新サービスを成功に導く『指導型営業』の進め方とは?

こんばんは。なかのたいです。

今日は、リリース1年未満の新規サービスの受注率(商談→受注)を10%未満の状態から30%超まで上昇させた営業方法について書いていきます。


こんな方におすすめ

  • いい商材なのに知名度が低く全然売れない・・・

  • 斬新な商材のため顧客が認識していない課題に対して提案しないといけない・・・(時代の先取りをしている感覚)

  • 今までの営業手法が通用しないサービスを扱っている・・・


まず、結論を申し上げます。
今回は、題名にもある通り『指導型営業』についてお話を進めていきます。

「ん?そもそも指導型営業って・・・?」

そうですよね。
どこまで認知があるかはわかりませんが、私が定義している指導型営業とは下記の通りです。

指導型営業とは?(ざっくり)

“顧客に新しい理想状態を提示し共感いただき、顧客が認識していない課題を新たに作ることにより、自社のサービスの提案余地を生み出す営業手法”

こんな言葉だけで言われても「?」な状態かと思いますが、詳細は後述で解像度を上げていただくとして、まずイメージしやすいところとして他の営業手法についてみていきます。

他の様々な営業手法とは?

代表的なところとしては、下記のような営業手法がありますでしょうか。
※SPIN営業や仮説提案営業、ストーリー営業などはソリューション営業からの分岐と考えます。
※また、その他「〇〇営業」は無数にありますが今回は大分類で考えます。

  1. プロダクト営業

  2. ソリューション営業

ではそれぞれ簡単に見ていきますが、

 1.プロダクト営業とは?

ざっくり言うと「この商品の特徴は〇〇です」ということで売れる営業のことです。
例えば、最新のiPhoneが出ました!という時は、「最新の機能として〇〇がありますよ(以前と変わってますよ)」ということである程度売れますよね?

というように、特徴としては『すでに利便性が認識され、認知度が高く、そこまで高額でない商品』はこの営業手法である程度売ることができます。

機能が固定(有形商材)されており、使い方がある程度固定されていることも特徴の一つです。


 2.ソリューション営業とは?

顧客との対話の中で課題を聞き出し整理し、「その課題には〇〇を〇〇のように活用することで解決できますよ」と進めていく営業の事です。

特徴としては、『課題によって使い方が変わり、使い方が変わることで受け取るベネフィットがそれぞれ違ってくる無形商材』と表現できますでしょうか。

法人向けのITツールや広告などはこのような形で進めることが多いかと思います。

では、指導型はどうでしょうか。。


 3.指導型営業とは?

冒頭でも書きましたが、下記のように定義ができるかと思っています。

顧客に新しい理想状態を提示し共感いただき、顧客が認識していない課題を新たに作ることにより、自社のサービスの提案余地を生み出す営業手法

ソリューション営業との違いは、そもそも顧客が課題を認識しているか認識していないかの違いがあります。
また、課題を認識するためには、そもそも理想状態に気付いている必要があり、それがあるかないかというのもソリューション営業との違いに当たります。

例えば、転職を考えている人に、「なぜやめるの?どんな会社が理想なの?」と対話の中で課題を整理し、「じゃあこんな会社がいいのでは?」と提案していくのがソリューション営業に対して、転職すら考えていない人に、「このご時世、数十年前と比較して企業の寿命が短くなり、なおかつ人生100年時代なので80歳まで仕事をしないといけない可能性がある。なので、ひとつの会社で勤め上げきれる可能性は低くなり、いろんな会社で働き、汎用的なスキルを身に着けることでキャリアを築いていけるので一度この年齢で転職した方がいい。」というのが指導型営業です。

この例はすこし雑ですが、なんとなくの違いのイメージは伝わりましたでしょうか。


そもそもなぜこのやり方が必要なのか?

理由としては、顧客が商品を買うまでのプロセスが様々であり、『AIDMA』など、有名は購買プロセスはありますが、題名にもある通り、知名度のない新しいサービスを売るにはこのプロセスに当てはめるだけでなく、その前段階にいる顧客も取り込んでいく必要があるためです。

正しさは置いておいて、私は顧客の購買プロセスは下図のような流れになっていると思っています。

顧客の購買プロセス(潜在版)

すでに課題と認識している顧客が多い業界への提案は、以前までのソリューション営業で何とかできますが、そもそも理想状態を認識していない、課題とすら認識していない顧客には、今までのやり方は通用しなくなります。

ここに対して指導型営業をしていかないとどうなるかというと、
『業界全体的に課題が顕在化するまで商品は売れない』という状況になります。

それでは、今までにない価値を提供する新サービスは売れなくなり、その事業は失敗に終わってしまう可能性が高くなります。

これが指導型営業を必要とする理由です。


営業手法の使い分け

また、これからの営業手法は単独で存在しあうものではなく、包含されているという考え方の方がしっくりくる説明ができ、先ほどの顧客の購買プロセスに応じて、下図のように営業手法が異なってきます。

プロセスに応じた営業手法


どのようにして指導型営業を身に着けるのか

それでは、具体的にどのような流れで指導型営業を進めていくのかについてお話していきます。
※前提として、プロダクト営業やソリューション営業はできる前提で進めますので、扱ってる商材の特長や、どんな課題に対してどのようなベネフィットを提供できるのかはすでに把握されているということで読み進めてください。

 ① インプット

業界での最先端のセミナーや、公共機関が出しているような業界の統計データ、最先端の経営をされている約1%の顧客に具体の運営について聞くなど、マクロ情報・最先端情報を取りにいきます。

 ② 理想の経営を考える

例えば、紙業務が多いレガシーな産業があるとして、「この企業が〇〇な経営ができれば理想」と考えたり、①でインプットした企業へのヒアリングなどから理想の運営方法を定義します。
ここではできる限り、自社プロダクトへのバイアスをなくして、経営視点で俯瞰的に考えるとよいかと思います。

 ③ 自社プロダクトとの紐づきを考える

自社プロダクトが、先ほど描いた理想の経営状態に対して、どの点において価値提供できるのかを考え、顧客の理想状態と自社プロダクトを紐づけるための言語化を進めます。

このあたりがまずは下準備となります。


具体的な商談の進め方

※これは人それぞれ得意な流れは異なるので、あくまで過去に私が行った流れを参考程度に書いておきます。

①簡単に顕在化しているお困りごとを聞く
ここでいきなり細かいヒアリングをするのではなく、アイスブレイクも兼ねてざっくりで大丈夫です。
ここで深堀しすぎると、顕在課題ばかりに目がいき、顧客に理想状態に気付いてもらうことが難しくなります。

②商材のコンセプトとざっくりとしたサービス紹介をする
ここであまり詳細の具体説明はしない方がいいと思っています。
課題がもっと顕在化していて、商品の機能がばっちり刺さる顧客であればいいですが、今回は理想状態にすら気づいていない課題が潜在化している前提の顧客を想定しているためです。
「何がいいのかよくわからないですよね?」ぐらいのスタンスでいいかと思います。

③このプロダクトはどんな人の為になぜ存在するのかを語る
ここが肝になってきます。
ちょっとビジョナリーな売り方でもありますが、ここで、「この業界は〇〇なので、〇〇になっていく必要があります」「〇〇な課題を抱えている法人は、よく〇〇が課題になっているケースがあります」「なので、この業界の方は〇〇のような経営をしていくことが、今後発展していくカギになるのです」と、先ほどの前準備でインプットした内容などを語ります。

※そしてここで、冒頭で簡単にヒアリングしていた顕在課題と少し紐づけ、さらにそれを膨らませて顧客に理想状態に気付かせることができればベストでしょう。
このようにして、理想状態を先方が認識することで、顕在課題だけでなく、「頭には浮かんでいなかったが、こんな状態になったらうれしい」というように潜在する課題を呼び起こします。

④1つ前で出た「こんな状態になったらうれしい」に対するソリューションを提示
ここで出た【理想の状態】に対して、「この商品をこのように扱うことで、先ほどの理想状態を叶えられますよ」というように、相手の顕在課題に対する提案ではなく、先ほど出た理想状態(=潜在課題)に対する提案をします。

※ここも、話す流れや手順など話し出したら奥が深いところなので、ここでは掘り下げないですが・・・


まとめ

プロダクト営業とソリューション営業、指導型営業との違いは明確にわかりやすいですが、ソリューション営業と指導型営業の違いをざっくり説明すると、『顧客の今までの考えから来る顕在課題に対して提案しているのか、顧客に新しい知見を共有し潜在化していた新しい課題に対して提案しているのか』の違いかと思います。

顧客の価値観を変えることにもなるので、単に潜在課題を呼び起こすといってもかなり難易度が高いものかと思っています。 

また、なるべく詳細に書いたつもりではありますが、これでもまだまだ抽象度は高くサービスによって全然違ってくるものなので、参考にしながらも「自社サービスだとどうなのか・・?」というのは是非深く思考いただきたい点です。

そして、必ずしも『指導型営業』が上位互換ではなく、サービスによっては、プロダクト営業やソリューション営業の方がマッチしているケースもあり、その点についても検証は必要となります。


OPS構築、営業の型化など、営業組織の活性に関するご支援を行っておりますので、もし少しでもご興味のある方は、無料相談など行っておりますので、コメントなどいただけますと幸いです。

おわり。

他にも、仕事や生きる上で役立つ考え方に関する記事を書いています。
ご興味のある方はどうぞ。


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