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多様性を機能させる為に「人への関心」が大切な理由

「理解できない学生」を採用できない人事の罪

先日、日経ビジネスの次の記事に非常に共感したので共有したい。

是非読んでいただきたいが、自分なりに要約すると次の通りだ。
まず、FFS理論という手法で5つの因子の高低によりタイプが分けられる。

【5つの因子】
凝縮性・・・こだわりの強さ
受容性・・・面倒見がいいか
弁別性・・・ハッキリさせたいか、曖昧でもいいか
拡散性・・・好奇心と行動力
保全性・・・興味のあることをコツコツできるか

そもそも採用とは面談者の主観が強く、自分に近い人間を採用しがちである。人事は仕事柄、人と接することが多く、受容性と保全性が高い人間が多いので凝縮性、弁別性、拡散性が強みの人間は採用されにくい。当然、能力が圧倒的に高い人間もいるが、争奪戦は必至であり、採れるかどうかも分からない。だったら尖った人間を採って、多様性を組み合わせて組織を強くする。そしてこの記事は「宇宙兄弟」の次の言葉で締めくくる。

グーみたいな奴がいて
チョキみたいな奴もいて
パーみたいな奴もいる
誰が一番強いか 答えを知ってる奴 いるか?

要は、「組み合わせれば最強じゃん!」っていうことである。

あえて自分なりの解釈を付け加えると、企業が安定していた時代は、人材が金太郎飴でも良かったのかもしれない。しかしながら、イノベーションすなわち新結合を求めるなら異なる個性を持つ人間が組織にいて、それぞれの強みを活かした多様性が必要だということである。

ダイバーシティのフォルトライン

上の話と同じ結論になるが、もう一つダイバーシティのフォルトラインについて少し紹介したい。

簡単に言うとダイバーシティには次の2つの型がある。

タスク型:人間の内面・・・バックグラウンド、職歴、経験など
デモグラフィー型:目に見える外面・・・性別、国籍、年齢など

組織に対して前者はプラスの影響を与えるが、後者はマイナスの影響を与える可能性がある。なぜデモグラフィー型はマイナスの影響を与えるのか?性別、国籍、年齢は目に見える側面であり近い属性が集まり、属性毎にグルーピングされやすく、境界線すなわちフォルトラインが引かれるからである。つまり、仮に日本人男性ばかりの会社だとした時に、やみくもに女性や外国人を増やしても組織にとってマイナスになる可能性があるということだ。
しっかりと経営の中にダイバーシティを落とし込めている企業は、フォルトラインの理論が分かっている企業であり、タスク型のダイバーシティを進めた結果、たまたま女性や外国人が増えただけなのだ。
その意味からすると、多様性はキャラクターに求めるべきであり、夫々の強みを活かすことが重要なのである。

人への関心の大切さ

FFS理論にしろフォルトラインの理論にしろ、多様性をキャラクターに求めるということは、相手がどういう人間か?という関心を持たなければならない相互に関心を持つからこそ、夫々が存在承認される。流行り言葉の「心理的安全性」も究極のところ人への関心なのではないかと思う。そこで気付きが生まれ相互に強み弱みを補完し合える。こういう素敵な関係性が真の意味での多様性であり、「人への関心」が変化の激しい時代で生き残るためのスタート地点なのである。

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