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逆パワハラにご用心!上司が部下から受けるパワハラの実態と法的解釈

こんにちは、中小企業の経営者や人事担当者の皆さま。
パワハラといえば、上司から部下への一方的な圧力や嫌がらせを思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、逆に部下から上司へのパワハラ、いわゆる「逆パワハラ」も存在します。
今回は、奈良県職員が逆パワハラで懲戒処分を受けたニュースを参考に、部下から上司に対するパワハラの具体例とその法的解釈について解説します。

ニュース記事はこちら
【逆パワハラ】部下が上司に「下級の下級のくず以下」「ポンコツ無能給料泥棒」 5ヵ月間で約100回メッセージ送る 奈良県職員を懲戒処分 (msn.com)

逆パワハラとは?

逆パワハラとは、部下が上司に対して行う嫌がらせや攻撃的な行為を指します。
上司の立場にある人が被害を受けることで、職場環境が悪化し、生産性や士気が低下する原因となります。

実際の事例:奈良県職員の逆パワハラ

奈良県で発生した逆パワハラの事例では、部下が上司に対して「下級の下級のくず以下」「ポンコツ無能給料泥棒」などのメッセージを5ヵ月間で約100回も送ったことが明らかになりました。
このような攻撃的なメッセージは、上司にとって深刻な精神的負担となり、職場の秩序を乱す行為として懲戒処分の対象となりました。

逆パワハラの具体例

1. 言葉による攻撃

部下が上司に対して侮辱的な言葉や嫌がらせの言葉を繰り返し送る行為は、典型的な逆パワハラの例です。
例えば、「無能」「給料泥棒」といった言葉を頻繁に使うことで、上司の精神的健康に悪影響を与えます。

2. 無視や排除

部下が上司を意図的に無視したり、重要な情報を意図的に伝えない行為も逆パワハラに該当します。
これは、上司の業務遂行を妨げるだけでなく、孤立感を感じさせる行為です。

3. 誹謗中傷やデマの流布

上司の評判を落とすために、虚偽の情報を広めたり、誹謗中傷を行う行為も逆パワハラです。
これにより、上司の信頼が損なわれ、職場のチームワークが破壊されることがあります。

逆パワハラの法的解釈

逆パワハラは法的には「職場のパワーハラスメント」に該当する可能性があります。
厚生労働省のガイドラインによると、パワハラは「優越的な関係を背景にして行われる業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動であって、労働者の就業環境が害されるもの」と定義されています。
ここで重要なのは「優越的な関係」という部分ですが、逆パワハラの場合でも、集団による行為や持ち場の重要性により、上司が優越的な立場にあるとは言えない状況が考えられます。

逆パワハラを防ぐための対策

1. 明確なハラスメントポリシーの制定

会社全体でハラスメントに対する明確なポリシーを制定し、逆パワハラも対象とすることが重要です。
全社員に対して、このポリシーを徹底し、違反行為に対して厳格な対応を行う姿勢を示しましょう。

2. 相談窓口の設置

逆パワハラを受けた場合に相談できる窓口を設置し、上司が安心して相談できる環境を整えることが重要です。
第三者による公正な調査を行い、適切な対応を迅速に行うことが求められます。

3. 定期的なトレーニングと教育

全社員に対して、ハラスメントに関する定期的なトレーニングと教育を行うことで、ハラスメントの認識を高めることができます。
特に管理職に対しては、逆パワハラの兆候を早期に発見し、適切に対応するためのスキルを習得させることが重要です。

最後に

逆パワハラは、上司と部下の関係を悪化させ、職場全体の雰囲気を悪化させる深刻な問題です。
奈良県の事例を教訓に、逆パワハラを防ぐための対策を講じることが重要です。
明確なポリシーの制定、相談窓口の設置、定期的なトレーニングと教育を通じて、全社員が安心して働ける環境を整えましょう。

今回のことはハラスメント防止の大事な視点や、自分がハラスメント行為者にならないためという視点も含めてstand.fmでもお話しています。よろしければこちらもお聴きください。

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【私について】
株式会社EAPサポート喜び
代表取締役 中井裕規(なかいゆうき)

国際EAPコンサルタント(CEAP-International)
精神保健福祉士、公認心理師、産業カウンセラー、健康経営アドバイザー
東京大学大学院医学系研究科 職場のメンタルヘルス専門家養成プログラム修了

大学、大学院にて心理学を専攻。EAP会社勤務を経て、独立起業し、職場改善と男性育休の推進を目指すEAP会社を設立。
職場のメンタルヘルス対策、コミュニケーションを専門として法人コンサルティング、企業研修、職場カウンセリングなどを行ない、0次~2次予防を中心にはたらく人と企業のwell-being向上に取組む。
EAP会社等10社の法人向けメンタルヘルスサービスの新規事業立ち上げにも参画。
双子の男の子を育児し、育児を通して人生を豊かにするために多胎家庭支援やパパママに対する講演活動にも積極的に取り組む。

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