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病床の父🌻|エッセイ

私の父は、家族を大切にする一方、仕事大好き人間でもあった。

多少の無理をしてでも仕事に没頭するため、周囲の人間も、父の体調が悪いことに気づくのが遅くなる傾向にあった。

私が十代の頃、父は過労で倒れて、九死に一生を得たことがある。

心不全で救急車で運ばれ、そのまま緊急入院となったのだ。

学校帰りに父入院の一報を聞きつけ、慌てて車で病院に向かった日の事を、今でも鮮明に覚えている。

面会は許されるのだろうか。

意識はあるのだろうか。

学生ながら、そんなことがぐるぐると頭の中を巡り、病室のドアを開けるまで、心臓のバクバクは止まらなかった。


今朝までは、普通に朝食を食べていたのに。

会いに行くまでの間に、容体が急変したらどうしよう。


募る不安の思いを抱きつつ、急いで病院に到着する。

先に病院に着いていた母に案内され、恐る恐るカーテンを開けると……

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