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「わらしべ長者」的お仕事広がりまくりの流れをじっくり振り返る【月刊(本当は週刊だけど)お気楽フリーランス論Vol.18】自分から「撤退する」と言ってはいけない件

上の写真、かつて「お通しの闇を追う!」みたいな企画をした時に下北沢の某店で出てきたお通しです。麻雀牌のごとき大きさの厚揚げが2切れあってこれで500円! これ、価値は100円でしょうよ……。ここで着実に儲けを出そうとする店の姿勢はよく見えましたが、絶対にこの店はこの後行きません。一見客だけでバンバン来るような店にも見えなかった(すいていた)のに、目先の儲けを重視するとこんなバカなお通しを出すようになるわけです。

挙句の果てに私には〈残念すぎる刺盛りを食べて思い出した「コスパ悪すぎメニュー」の数々〉なんて記事を書かれてこのお通しが紹介されてしまうわけです。もちろん店名は出しませんが、食い物の恨みは恐ろしい。この記事は今でもよく読まれています。ちなみに以下の「謎の煮物」は400円です。こうして生きていればなんでもネタにできるのがフリーランス(特にライター・編集者)の良いところです。日々、「これはどう仕事に使えるか」を考える。「オン/オフ」の概念なんてなくても構いません。日々の気付きがその後のカネをもたらしてくれます

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今回も頂いた質問から開始します。「どうすれば速く原稿を書くことができますか?」(20代・男性)。

一つのやり方は、当マガジンのタイトルのように、まずは「書くこと」を決めてしまうことにあります。このタイトルを念頭に置くだけで、それに関連したエピソードが次々と出てきて、原稿の文字量が増えるとともに、具体的事例を次々と繰り出せ、文章が分かりやすくなります。私も現段階で今回のマガジンで書く内容は大体決まりかけています。

競馬に行こう、有力者に好かれよう

しかし、そうするためには様々な経験をするしかない。それこそ「競馬に行ってみる」と色々なことが分かってきます。意外と競馬場のモツ煮込みがおいしいことやら、そこまで殺伐とはしておらず、案外家族連れが芝生でピクニックをしていたりすることも分かる。入場料は200円ですが、賭けはしないまでも馬が走っている姿を見るのは楽しいものです。普通に「居酒屋」「飲み会」的に行くのもアリですし、この経験はどこかで使える。

さらに、競馬にしても「競馬の貴賓室に行ってみる」という経験をしてもいい。私の場合、行きつけの渋谷の居酒屋の社長が年に3~4回ほど貴賓室に行く権利を持っているため、その社長から「おい、中ちゃん、行くか?」と誘われ、毎回我々の仲間4人ほどで貴賓室に行ってきます。

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これらの経験をしているかいないかでは、アイディアをいかに思いつくか? ライターの場合はいかにして企画を立て、原稿を書くか、といったことが「できる/できない」というとんでもない差が生まれてしまうのです。「競馬に行く」「貴賓室に行く」--この経験があるかないかではまったく企画のあり様も変わってくる。貴賓室はドレスコードがあるんですよね。「襟つきのシャツを着る」とか。菊花賞とかみたいなでかい賞の時は「ジャケット着用」とかもある。

というわけで、本稿の主題と近づいてきますが「何でもやっておきましょう」というのが大事だと思います。何かに誘われたら基本は断らない。様々な経験をすると、エピソードが増え、書けることが激増します。

取材する時はテープ起こしをするな

もう一つは「取材をする時テープ起こしはするな」です。じゃあどうすればいいのかといえば、「その場で膝の上にPCを乗せて打て」となります。

コカ・コーラの五輪担当者を取材した時は鈴木オリバー氏の目を見ながらパタパタとキーボードを打ち続けていたのですが途中、「ちょっとちょっと、待ってください! えっ、何もPC見ないで打っているんですか! こんな取材初めてです! すごいですね!」と言ってくれました。これだと、数千字の記事を「取材の一時間」+「編集の一時間」の合計2時間で作れてしまうのです。

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T.M.R.西川貴教氏の取材も8000文字になりましたが、これも一切録音はナシ。「どうせチェックしてもらえるから…」という甘えはありつつも、とにかくテープ起こしなんてするぐらいだったらその場で打ってしまった方がいい。テープ起こしって外注すると1万円ぐらいかかるし、自分でやっても取材時間以上の時間がかかってしまいとにかく効率が悪い。

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タイピングのスピードが相手の喋るスピードに合っていなくてはならないのですが、そこは完全には追いつかない。話し終えたところで「少しお待ちください」と数秒間沈黙の中「カタカタカタ」と打つこともあります。2月3日も某芸能人の取材をZoomでしましたが、Zoomだと特にやりやすいですね! 何しろPC画面を見ながら、机の上に置いて打てるのですから! タイピングを速くする方法はとにかくキーボードの配列を完璧に覚えるだけ。それで速くなります。

誰かと出会うことにより「わらしべ長者」的に金持ちになる

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