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牛心臓のあらゆる部分を食べ比べてみた!

今回は「牛ハツ」こと「牛心臓」のあらゆる部位を食べ比べてきた思い出を総括したい。牛の心臓はひとつだけだが、場所によって食感や味わいが異なる。さらに、心臓についている菅や弁まで含めると、たくさんのホルモンが展開されているのだ。

焼きに、刺しに、食べ方もいろいろ。
悶絶必至の牛ハツの魅力に迫ってみよう。


牛の心臓はデカイ!

牛一頭の心臓は、重さ約1.6kg。
長さ20cm・幅17cmぐらい。

そう言われても、あまりピンとこないかもしれないが、2キロの米袋をイメージしてほしい。それより少し軽いぐらいで、大きさもそのぐらいだ。

品川の東京食肉市場には、実物大の内臓模型があるぞ!
食肉市場内にある見学施設『お肉の情報館』には、実物大の内臓模型がある。展示しているのは、牛・豚の「舌(タン)」「心臓(ハツ)」「肝臓(レバー)」。触って形を確かめて、持ち上げて重さを体感できる。牛さんの臓器が、いかに大きいか。実物大の内臓模型で感じてみよう!

場所によって食感と味わいが違う!

内臓肉専門店では、使いやすいサイズに切られた牛ハツのブロックが棚に並ぶ。とんがった先端の部分や、脂つきの部分もある。

形を見れば、心臓のどの辺りの部位なのか見当がつく。
心臓の構造を覚えておけば、どれが「心房」で「心室」なのか、見分けることもできるだろう。

牛ハツは場所によって、食感や味わいが違う。

  • 真ん中のほう:肉質がやわらかく、甘みも感じられるやさしい旨味

  • 先端のほう:肉質も風味も締まりがあり、ギュッと詰まった旨味

いろいろな「おいしい」が潜んでいるのが、牛ハツの魅力なのだ。

ひとつの牛ハツから、いろいろなホルモンが取れる!

ひとつの牛心臓から、いろいろなホルモンが展開される。心臓の肉そのものだけでなく、心臓を構成する周辺部位も食べ比べてみよう。

◎ ハツモト(牛大動脈)

大動脈は、心臓から送り出された血液が通る血管のこと。体のなかで、もっとも太い血管だが、体が大きい牛の大動脈は、厚みもある。

そのままでは噛みきれないので、焼肉で食べるときは、隠し包丁を細かく入れる。焼くと、切り込みを入れた部分から、ジワジワと脂が出てくる。コリコリとした食感で、噛むほどに旨味が出る。クセになる味わいだ。

◎ 赤コリ(牛心臓弁)

「赤コリ」とは、大動脈(ハツモト)と心臓(ハツ)をつなぐ部分についている心臓弁のこと。別名「心臓の耳」とも呼ばれている。

よく見ると「弁」のような形をした部分もあるね。

心臓についている部位だが、見た目・食感・味わいすべてが、ハツとは異なる。サクサクとした歯切れの良さと、あっさりとした食べ心地だ。

心臓弁は、血液をスムーズに流し、逆流を防ぐ役割がある。心臓には、いくつか弁がついているが、主に「赤コリ」として提供されるのは「大動脈弁」の部分。ハツモトを取ったときの副産物だ。

◎ ハツ刺し

特にやわらかい、上等な部分を使ってつくられる。

刺しで食べるハツは、甘くネットリやわらかくて、禁断の味わいだ。焼いたハツは、心臓の旨味が直球で感じられるが、刺しで食べると、まったく別の表情に変わる。

◎ 脂付きハツ

脂付きのハツは、好きな人にとっては大当たりの部分。あっさりしたハツと、旨味のある脂が楽しめる。ひとくちで二度おいしい、ツウ好みの肉だ。

脂ほど、いい。

私が買っている牛ハツは、上質なやわらかい部分も、端っこの部分も、単価は同じだ。「捨てるような脂部分は損してる」と考える人もいるかもしれない。だが、脂好きの私にとっては、極上の大当たり部位なのだ。

新鮮な牛ハツは、魅惑の旨味がある!

新鮮な牛ハツを食べた時のこの感覚。旨味で口の中が締まる感じ。濃厚な貝汁を飲んだ時と同じような感覚だ。旨味が濃くて、口の中がキュッとする味。どんな言葉で伝えればいいのか。とにかく魅惑の味わいなのだ。

新鮮な内臓は素材自体がウマイので、味付けは「塩」がオススメ。

新鮮なハツは、まだ血管がピンと張っている。少し前まで、ここに血液が流れていて、心臓を動かしていたのだ。

牛さんの命をいただく。
この大きなハツを食べれば、こころも強くなりそうだ。

同一部位の食べ比べは、内臓マニアの必殺技!

ひとくくりに「牛の心臓」と言っても、場所によって、食感や味わいが違う。同じ部位なのに、場所によって「おいしい」が、いろいろある。牛ハツは、本当に奥が深いホルモンだ。

鉄分豊富で栄養満点。牛ハツのあらゆる部分を、いろいろな食べ方で楽しもう。よく知っている部位だと思っていても、新たな魅力に気づくだろう。

同一部位の食べ比べは、ホルモンマニアの必殺技だ!

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