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東京食肉市場まつりで「モツ煮込み」を喰らう!

品川にある東京都中央卸売市場食肉市場で『東京食肉市場まつり2023』が開催された。年に一度、市場内の普段入れないエリアまで解放して肉を販売してくれる、マニアにはたまらないイベントだ。

まつりの目玉は、無料試食の「しゃぶしゃぶ」と「モツ煮込み」。ホルモンマニアの私は、当然のことながら、モツ煮込みの回に参加することにした。


まつり限定!無料試食の「モツ煮込み」

無料試食のモツ煮込みを受け取るには「試食券」が必要だ。何人に配布するのかは書かれていないが、過去の行列を見る限り、100〜150人分ぐらいはありそうな気がする。

受け取った試食券は「0275番」。配布開始時間と同時にかけつけたが、並ぶこともなく、すぐに券を受け取ることができた。

東京食肉市場まつりには、毎年足を運んでいるが、試食するのは今回が初めて。この日は、あいにくの雨だったので、来場客が少なかったのだろうか。それが逆にラッキーだった。

試食時間になると、モツ煮込みのフードカー前に行列ができた。容器に煮込みを盛り付けてもらい、それを受け取る手順だが、「汁少なめで」という人がいたり、お好みで七味をかける作業があったりで、途中、流れが止まることもある。

フードカーに近づいてくると、モツ煮込みのいい香りが漂ってくる。試食券を持っているので、あせらなくても大丈夫だ。はやる気持ちをおさえながら「落ちつけ!落ちつくんだ!」と、繰り返し自分に言い聞かせた。

そして、ついに「無料試食モツ煮込み」を手に入れた。

煮込みといっても、野菜などは一切入っていない。本当に内臓肉(モツ)だけでつくられている。これぞ「This is モツ煮込み」。食肉市場でつくっているので、市場超直送 だ。

モツ煮の具は、豚内臓がメイン

ホルモンマニアとしては、真っ先に具材の分析を始める。煮込まれてリボンのような形に縮んだ豚小腸や、肉厚なテッポウ(豚直腸)が見つかった。この煮込みは、豚内臓がメインだ。牛内臓のような脂がついた部位を見つけると「これコプ(牛小腸)だよね!?」と、一緒に来たホルモン仲間と盛り上がった。もしかしたら、すべて豚で、牛など入っていないかもしれない。そう、モツ煮込みは宝探しだ。まぼろしの数だけ、おいしさと楽しさが増していく。

甘めの味付けに、思わず汁まで飲み干す勢い!

無料試食のモツ煮込みは、味噌ベースで甘めの味付けだった。私がこれまで食べたなかで、もっとも甘いモツ煮込みだ。砂糖か、みりんなんかが多めに使われている感じで、汁に程よくとろみがある。汁の中には、白ゴマらしきものもある。後からかけた七味は黒ゴマだったので、煮汁に使われているものだろうか。どことなく、焼肉の味噌だれに似た雰囲気もある。

私にはモツ煮込みを甘く味付けしようという発想がなかったので、「こういうのもありなのか!」と衝撃だった。これは真似してつくりたい。

並んでいるときに「汁少なめで」とリクエストしている人もいたが、これこそ、飲んでおきたい汁だ。野菜・薬味なし、内臓肉オンリーでありながらも、モツ臭さなど一切ないところが、またすごい。

無料試食のモツ煮込みは、毎年同じレシピなのかも気になるところ。来年もまたここで、モツ煮込みの試食にチャレンジしたい。

食肉市場の食堂でも「モツ煮込み」を食べてみよう

東京食肉市場内には「一休食堂」という食堂がある。ここでも「モツ煮込み」が提供されているので、ぜひ食べてみてほしい。

一休食堂のモツ煮込みは、牛だけを使ったもので、味付けは味噌ベース。汁も濃厚で、モツの風味がしっかりしている。無料試食のモツ煮込みとは、また違った味わいだ。

モツ煮込みは宇宙空間ぐらい奥が深い!

東京食肉市場まつりでは、無料試食のモツ煮込みに加えて、食堂のモツ煮込みまで体験できる。一日にいろいろなモツ煮込みを食べ比べられるとは、ホルモンマニアにとっては、誕生日とクリスマスが一度にやって来たぐらい、すごいイベントだ。

これからも酒場に行ったら、モツ煮込みは忘れずに注文したい。初めての煮込みに出会うたびに、驚きと発見がある。いつも食べていると思っていても、世の中には、まだまだ知らない味が無限にあるのだ。

味付けや調理法、使う内臓肉のチョイス。その土地の食文化か、それとも作り手のこだわりか。一杯のモツ煮込みから、いろいろな想像をかき立てられる。モツ煮込みは本当に奥が深い!

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