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青春の焦燥

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新宿の交差点を見ながら

新宿の交差点を見ながら

中学生位の時から思っていた。
僕の性的な初体験の人は誰なんだろうって。
そんな事を自分がいずれ経験するとは信じられなかったし、想像も出来なかった。

出来ればクラスの好きな女の子とそうなりたいような気がしたけど、僕の中学3年間の恋愛感情を捧げたその人は性の対象には思わなかった。

僕の胸を常に締め付け続ける彼女を何故そういう対象に思わなかったのか。それは過度に考えれば今の僕の人格形成に至る発端のよ

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考察 2 高円寺とかじゃなくて

考察 2 高円寺とかじゃなくて

目覚め時、小山はひとりだった。
昨夜は楽しかった気がするが、そんな日の翌日は決まってだらりと寝てしまう。

さっきまで部屋の中に誰かがいたと思うけど、今は誰もいない。昼下がり。この時間帯にひとりなのは悪くない。逆に夜は誰かといたい時が多い。安心感に似た感情。それは突然焦りを含んだ感情に早変わりする時もあるけど、今は大丈夫。少し頭が痛む気がするし昼からビールでも飲んでやろうかなと思う。

高円寺の街

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考察 1 高円寺の駅から

考察 1 高円寺の駅から

坊主頭の男が見える。真っ青な空が見える。
知ってるような知らないような坊主頭の男。
名前、分かんないから適当につけよ。
君はラルフね。

この季節の快晴の空ってなんていったっけ。確か漢字2文字くらいの綺麗な言葉があったはず。忘れちゃったから、それにも名前をつけるよ。空の名前はストゥーデントね。素敵。

私の名前はエース。少女Aのエース。別になんでもいいんだけど。適当に今、考えただけで。名前なんて変

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高円寺の話とこれからの話

高円寺の話とこれからの話

阿波踊りだったかな。忘れてしまったけど、祭りが終わった後の人で賑わうガード下の飲み屋で充分過ぎる程に酒を飲んだ後、神社の境内の近くで花火をした事があった。

携帯電話の中を探索して、その頃の写真を探してみたけれど見つからない。撮ったのは覚えているし、どんな写真だったかも覚えているのだけど、あの頃はiPhoneじゃなかったしデータの引継ぎもしていないのだろうからデータは古い携帯電話の中にあってその行

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高円寺

高円寺

初めてJR中央総武線のホームの「高円寺」という看板を目にした時の事を覚えている。八王子だか立川だかにアルバイトに行く途中で目にしたのだ。千葉からの総武線の最中にある事は知ってたから新宿を過ぎたあたりから注意深く駅の看板を見ていたのだと思う。

フジロックに行く為のお金を稼いでいた頃だろう。人材派遣のアルバイトはその日どこの街に行くかは定かではなくて、お金を稼ぐ為にまだバイト慣れしてない僕は千葉、東

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都庁前

都庁前

19歳。アルバイトでお金を貯めて初めてフジロックフェスティバルに行った。といっても、それ以来行ってないから今のところ人生の中で最初で最期のフジロックフェスティバルだ。

フジロックで経験した事は大きかった。何が起こったか羅列したら別に大層な事ではない、どこにでも落ちてて誰からも聞けるような話ばかりかもしれないけど、学生時代のレールを逸脱して自分で選び取った日々。自分で掴み取った特殊な時間という意味

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西武新宿

西武新宿

村上龍の小説で西武新宿駅近くのプリンスホテルが出てくる。あれを読んだのはいつだったか。なんとなくだけど新宿って街にあまり触れる事がなかった頃のような気がする。僕の中での新宿の街のイメージを切り抜いたような話で怖い街っていうか危険な街というか、何か特別な事が起こってそうな街だと思った。

歌舞伎町の入口から1本左に逸れた通りに西武新宿駅はあって、その線路沿いの通りに今はなくなってしまったけど、僕がよ

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三軒茶屋

三軒茶屋

写真は三軒茶屋駅前の交差点。特に思い入れがあって撮った訳でもなくて。この前、都立大で練習があった時に自転車で通った時に撮ってみたものだ。

少し不思議に思った事があって。東京には何百回降りたか分からない駅もあれば数回しか降り立った事のない駅もある。駅の規模の大小とは別に縁のようなものが街と僕にも存在するのかな。なんて思う。

数回しか降りた事のない駅でも印象深い出来事があったりする。結構前の事でも

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