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【挿絵あり】№20_召喚術の授業は××な魔物と、 【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約BL

【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約を巡る攻防を描く、現代的で現実的なファンタジー召喚BLです。


 
進んだ先には、菜園のようなものが広がっていた。

どんよりと暗い空の下、魔界の植物らしきものが様々植えてある。
(屋敷の方と、空気が少し違う気がする…)
気体の重さを感じられそうなほど、濃くまとわりつくような空気の感触。
そのせいか少し息苦しかった。

「……、」
もしかしたらここは、魔界に近い環境なのかもしれない。
植物の育成のためにはその方が適しているだろうと、整然と管理された庭園を見渡しながら思った。

(となると、空気や環境に害がないか様子を見た方がいいよな…)
体に異変が起きないか確認するため、しばらくじっと動かずにいることにした。
せっかく巡って来た脱出の機会はおろか、命まで無駄にするわけにはいかない。



「………」
10分程度その場で佇んでみたが、特に異変は起きなかった。
あとは遅効性の毒素がないことを祈るだけだ。

本棚の隙間にあった秘密の入り口は、こちらではアーチ状のゲートになっていた。
それに背を向けて、歩き出す。
しばらくすると、図書室で嗅いだあの甘い香りが鼻をかすめた。

(この植物園のどこかで、あの毒薬の素になる植物を栽培しているのかもな)
香りに誘われるように奥へ進むと、温室のような建物にたどり着いた。



(あの花だ…)
温室の中にあった、花壇の一角。
甘い香りの源は、白と薄紅色の可憐な花だった。
白から薄紅色へ中心に向けてグラデーションしている花弁は3センチくらいで、 ジャスミンに似ている。

鮮やかなエメラルドグリーンの茎は背丈が30センチほどで、花は一輪だけしかついていない。
花から少し下がったところには、葉や蔓がまとまって生えていた。

どこかで似たような花を見たような気がした。
教科書や図鑑だっただろうか。

(それにしても、いい匂いだな…)
熟れた果実のような濃密な甘さのなかに、お香に似た厳かさ、植物の青葉の爽やかな苦み…
それらが複雑に絡み合った奥行きのある芳香。

癖になるそれを、肺いっぱいに吸い込んでみたい…
そんな欲求のまま、可憐な花達の住処にフラフラと近づいてしまった。
魔界の植物が、なぜ甘く薫るのか考えもせずに。

「っ!?!」
 
 


今回はここまでにします~
ではまた~ 

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