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バリュー(大事にすること)とコミュニケーションの場

昨日はある会社でバリュー作成研修を一般職向けに実施してきました。

ミッション・ビジョン・バリューの作成

そもそも会社でミッション・ビジョン・バリューが大事とはよく言われています。会社としてきちんと制定するのであれば経営層や管理職が作成に関わると思います。

経営層がつくる場合は
ミッション(使命)⇒ビジョン(状態)⇒バリュー(価値観)の順番で作成します。そして社員へ浸透させるために様々な取り組みをするのが一般的です。しかし社員側から見れば「ふ~ん」で終わることがよくあります。

社員からすると、仕事を選択するときにいきなりミッション(使命)を考えることはしないと思います。
自分のやりたい仕事はどんなものか。自分が大事にしたいものはどんなものかを考えて、それが実現できるところはどこか?実現できたらどんな状態になっているか?と想像して、この会社なら良さそうだと思い、この会社のミッションを見てみたら、「あ、いいじゃん!」となって入社を決めると思います。要するに社員から見ると、ミッションは最後に出てくるのです。

なので、会社が決めたバリューがいくら素晴らしくても、実際に働く社員が最初に考えるバリューとかけ離れていたら「絵に描いた餅」になるわけです。

今回のオーダーは、中心になって働くメンバーの世代が代わってきたこともあり、現状のメンバーが何を考えて仕事をしているのか知りたいということからスタートしています。

実際の研修では・・・

と言っても、なかなか社員がバリューをつくるというのは難しい作業です。普段はそんなことを考えて仕事をしていませんから、あらためて言葉にするのは難しいものです。

実際にはいくつかのツールを使いながら、自分の価値観(バリュー)をピックアップして、自分という人を他の人に説明する。そして他の人からいろいろ質問してもらって、更に言語化を進める。
これでお互いがどういう人なのか理解が深まります。意外な一面が見えてくることも多いようです。

そしてチームごとにメンバーのバリューを集めてチームのバリューをまとめていく流れで行いました。更にここに「この会社で働き、5年後に目指す状態になるためには何が大事か」という要素をプラスして最終的に作り上げました。

もう一つの目的⇒コミュニケーションデザイン

実は社員のバリューを知るというのは表の目的で、もう一つ目的がありました。
コロナ禍の3年の間、どこの会社でもあると思いますが、様々な対話の場やみんなで集まるという行動が著しく制限されました。そのため、一般職に関しては目の前の仕事をこなすだけの毎日が続き、自分の部署以外の人が何を考えどういうことをしているのかわからない状態になりました。
当然、コミュニケーションの総量は激減しましたし、重い雰囲気にもなっていったのは全員が何らかの形で感じていたようです。
そんな状態ですから、何か会社で不都合な結果が出ることも多くなり、益々負の連鎖が広がっていったように思います。

今回は「研修」という場を利用して、「自分たちは何を大事に仕事をしているのか(バリュー)」ということをフックにして、コミュニケーションの場をデザインしました。

共通の目的についてみんなで対話する

最近聞くのは、コミュニケーション不足解消のために社内行事を再開したというようなことも耳にします。それはそれで良いのですが、少し注意したいのは「何でもいいから話す」はあまり効果がないと思っています。

対話とは「お互いの違いを認識するコミュニケーション」なのですが、集まったメンバーの共通の目的について、それぞれの違いを理解した上で、
それじゃあみんなでどうする?と行動を決めていくことが、コロナ禍で失われたコミュニケーションの復活に繋がるのではないかと考えています。

今回の研修に関しては、始まる前には否定的な意見があったのは事実なのですが、集まってくれたメンバーの感想を見ると、こういった場がお互いを知る場になったし、こういうコミュニケーションが仕事を楽しく有意義に進めるためには必要だということは感じてくれたようです。


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