見出し画像

今週は「決める」という場面に立ち会うことが重なりました。


自分たちで決める

あるお客様の部長職が集まる会議に参加しました。
この会社は部長職がほぼ次の世代に代わって、これからはこのメンバーが会社を引っ張っていきます。

今回、営業部長から新規案件をいただいた時の、話し合いの進め方について議論のテーブルに上がりました。

もちろん営業がお客様との窓口なのですが、営業だけが決められることは少なく、専門知識を持った各部がいろいろな場面で関わることが必要です。

営業部長はこれまで何度かやりにくさを感じて、今回、この議題を話し合いたいということでした。

何が正解かわからない時代ですから、どこかの部門だけが責任を取れるような題材ではありません。

誰も答えを持っていないので、重苦しい感じで話し合いが進んでいました。

その時、あるメンバーが次のようなことを言いました。

「この会社は決めるための基準がないんだよね」

まあその通りなんですが、それなら決めるための基準を提案するのかというとそうでもなさそうです。

これは他の会社でも見かけるのですが、目の前の課題に対して、
「自分たちは悪くない」という他責の思考で話す方がいます。

気持ちはわからなくはないですが、他責で話しているだけで目の前の問題が解決するのでしょうか。

結局、自分たちでできることを決めて実行していく以外に、前には進めないと思うのです。

対話と決断はセットで

以前にも書いたことがあるのですが、立教大の中原先生の著書にはこう書かれていました。

何が正解かわからないテーマは

よい話し合い(対話)を行い、個々が感じていることを表に出し合い
 ↓
自分たちは〇〇したいと決める(決断)
 ↓
決めたことを実践して初めて成果が出る

対話だけでも決断だけでもダメだということです。

そして決断には「どのように決めるか」というルールを全員で事前に共有しておくことが必要です。

この本の中で一番共感できたのは
「決める」には正解はない
「納得度」があるだけ
決めた後には自発的フォローが不可欠である。
自分と違う意見が結論になったとしても、納得して自発的に貢献することが
ルールとして全員に共有されていないと、話し合う意味はない。

という部分でした。


自分たちの決め方を学ぶしかない

本に書いてあることは納得できるのですが、実際の現場で見ていると難しいと思います。

別のお客様のミーティングで、プロジェクトの核になるコンセプトを深堀したのですが、担当した班の説明を聞いたあと、これでいいのかどうかを決めることになりましたが、どうやって決めるか決まっていませんでした。

時間も迫られていたので多数決になり、おおむね賛成となりましたが、核になるものなので、全員の納得が必要ではないかという意見もありました。

あるメンバーが「大体いいけど、細かすぎて何言っているかわからない。もうちょっとシンプルにまとめてほしい。キャッチフレーズとかあるといい」と言っていました。

まあそういうのは多数決を取る前に発言してほしいのですが・・・

結局、これもこのメンバーで「決める」ということに慣れていないため、やりながら学んでいくしかないと思います。


前述の会社も、それぞれの発言を聞いていると「自分の部では責任持ちたくない(できない)」というのが見え隠れしていました。

しかし部長職の集まりです。
これをやっていかないと事業の発展はないし、自分たちの目指す姿にはならないということは、全員理解しているようでしたので、それぞれがどういう役割を持ってどういう順番でやってみるのか決めていました。

これが正解かどうかはわかりません。

自分たちが決めないと誰も決められないということはわかっていたので、最後は不安を残しつつ「実践」を決めていました。

自分たちで決めて、やってみて、振り返って、またやってみる。
成功体験を積み重ねて・・・

自分たちの決め方

を身につけていってほしいと思いました。
自分たちで決める勇気(覚悟)を持てる人たちが、組織のリーダーになれるのだと思います。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?