目的と目標と・・・あと一つ
組織で仕事をしている時、「目的」と「目標」をきちんと使い分けていますか?
私は恥ずかしながらあまり意識していませんでした。最近では採用の領域でも「何のために会社が存在しているのか」ということを伝えないと人が採用できないと言われ始めています。改めて「目的」と「目標」の意味を考えてみたいと思いました。
目標の上にあるのが目的
目標とは目的を達成するためのステップです。目的は行き先です。なので目標が単体で存在することはありません。必ず目的と目標はセットです。
わかりやすい例で言うと
ダイエットをして10kg痩せる!
⇒これは「目標」です。
何のためにダイエットするのか?
これは人によって変わってきます。
・健康のため
・着たい洋服が着られるようになるため
・人気者になって注目されたい ・・・等々
これらが目的になります。人気者になって注目されるためならば他にも目標があっても良さそうです。
最近よく聞くのは、若手に仕事を教える時にはその仕事は「何のためにやるのか」を伝えなさいということを言われます。これがないと若手は目的を見失いやる気がおきず退職という選択をするということを耳にします。
立場によって変わる目的と目標
仕事の目的を伝えるというのは大事なことです。上司、先輩の方は意識したいですね。
ただ、これも立場によって目的と目標が変わってきます。
会社には事業を継続させる何らかの「目的」が存在します。(ここが人を採用する上で大事なところ)
その目的を達成するために、それぞれの部門で「目標」が割り振られます。その部門の責任者はその部門の目標を達成することが「目的」になり、達成のために部下に「目標」を割り振ります。
このように上の人にとっては「目標」でも下の人から見ると、自分の「目的」になるわけです。
ですから、上の人は会社からの目標をそのまま部下に下してはダメなのです。その目標を達成するために(目的)、部下にどういう目標を与えるかが重要になります。この関係生はしっかり理解したいところです。
これがきちんと理解できると、部下は自分のやっている仕事が会社の存在目的とどうつながっているか理解でき、仕事に意味を見い出してくれます。
目的がわかっていれば良いのか?
最近では会社の存在意義や行動指針などを社員に浸透させることが重要だと言われており、言語化している会社も多いようです。
それでは会社でこれらが言語化されていれば良いのでしょうか?
先日、研修をサポートさせていただいている会社で以下のような話がありました。
みなさんは「お客様の所得向上に貢献する」と言っておられました。そこで、「お客様の所得がいくら向上したら良いのですか?」と聞いたところ、「・・・???」「人によって違う」「所得向上させるならもっと簡単な方法がある。でもそれじゃ自分たちの意味がない」というような話がたくさん出てきました。
その後、自分たちの大事にしないといけないことは何か?それがお客様の所得向上につながっているという意見交換がたくさんされていました。
目的が達成した時のビジョンを描く
結局何が足りなかったのかと言うと、会社で示された理念などは呪文のようにすり込まれていましたが、それが達成された時に
・お客様がどういう状態なのか。どんなふうに自分たちと関わっているか
・自分たちはどんな風に働いているか。周りのメンバーとどんなやりとりをしているか
・その中で自分はどんな行動をしているか
このようなビジョン(映像)が描けていなかったのです。
言葉だけがすり込まれていて一人歩きしている状態でした。
ビジョンというと何か大層なもののように聞こえるかもしれませんが、ビジョンは映像です。1時間先でも自分がどういうふうに動いているかイメージできればそれはビジョンです。
目的・目標を理解したとしても言葉だけだと人によってイメージしていることが違います。個人個人は厳密には違っていて良いのですが、部門でどんな風に動いているか方向性は揃えておかないとバラバラな動きになってしまいます。自分が行動することで目的が達成できることがイメージできれば、自分で考えて行動できるようになっていきます。
そのためには、メンバーで達成した時のビジョン(映像)を話し合うのは成果を出すための第一歩ですね。。。ということをお客様に教えてもらいました(笑)