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上司と部下の見えているものが違う時

今週はあるお客様のところで、部下の方の仕事量の話になりました。
それを聞いて昔の自分がフラッシュバックしてきました。


人がいなくて業務量が・・・

どこの会社でも人手不足はあると思いますが、このお客様はそれに加えて長期休業を余儀なくされた方が出てしまったため、中間管理職の方にそのしわ寄せがいってしまっている状態でした。

今年度の課題について、その方が取り組む予定の仕事が滞っていてどういう状態なのか話を聞きました。

部長、課長、中間管理職の方(仮にAさんとします)と現状確認をします。

部長や課長は外へ出ることが多く、なかなか社内にいることが少ない。そうなると社内のちょっとした決済や店舗からの問い合わせに対応するのはAさんの役割になります。

Aさんも部下に下ろせるものはなるべく下ろそうとしているようですが、集中して課題に取り組める状態ではないとのことです。

課長が一部仕事を引き取って業務量の改善を図っているようですが、それでも細々したことがAさんのところに集中してしまう構造になっているようです。

Aさん曰く・・・「何がどうなったらいいのかとか、これができていないとか言われても、日々のことに追いかけられて自分ではどうすることもできないし考えられない。この状態がいつまで続くのか?いつまでがんばればいいのか先が見えない。上司はほとんど不在だし、どこまで自分のことを見てくれているのか」と言葉を選びつつ話していました。

この会社の決まりであと数ヶ月は人員補充の目途が立たないそうです。

上司はどう見ているのか?

その後、部長、課長と話をしたところAさんに対して少々見ているところが違っていることがわかりました。

確かに業務量は増えているが彼の能力から考えたらもっとできるはず。
なんだか日々の簡単な?業務に逃げて、本来やるべきことを後回しにしているのではないか?ということが返ってきました。

一理あるとは思います。人はどうしてもやったことのない仕事よりも自分のできることの方が楽ですから、そちらに逃げるというのはよくある話です。

ただ個人的にはそれはどうなんだ?と思いました。
上司の方も人手不足の中、どうすることもできないのも理解できますので、彼になんとかしてほしいというのもわかります。

上司にどうしてほしかったのか?

私も会社勤めをしていた時は人事総務の中間管理職でした。上司は取締役兼務だったため、部内の細かいことはすべて私が仕切って部下にも指示を出していました。

Aさんの話を聞いた時、自分の過去の感情がフラッシュバックしてきました。

外部(社内含めて)からの対応をすることは、想像以上に集中力が途切れます。それでも対応しなければ困る人がいる。他にできる人がいない。そうなると目の前のことが優先となります。

自分でもイライラがわかりますし、そうなるとモチベーションも下がります。自分一人で苦しんでいる状況が続きます。

悲しいかなこのように業務負荷がかかっている時ほど、評価は下がると言う傾向がありました。

上司からの評価は
「人員を補充できないのは申し訳なかったが、それでもリーダー職なのだからどんなに忙しくても感情的にならないことが必要。どんなに忙しくても冷静に対応する力もつけるように」というものでした。

正直「そんなことわかってる!」と叫びたかったです(笑)

冷静にあの時、私は上司にどうしてほしかったのだろうと思いました。

・感情的だろうととにかく話を聞いてほしかった
・一緒に考えてほしかった

この二つに集約されるように思いました。

一緒に考えてほしいというのは答え(指示)がほしいということではありません。何かやったことのないことに取り組む場合は、何をどこから始めればいいかわからないとか、どうやって進めればいいかわからないとか、迷うことがたくさんあります。そんな時に一緒に悩んでくれる人がほしかったように思います。

何を甘えたことを言っているんだと言われるかもしれませんが、一人で抱え込むことがしんどかったのだと思います。

上司の役割は部下の特性に合わせた経験学習サイクルを回すことだと思います。どんなに忙しくてもこれをしなければ部下は成長できません。

忙しくても対話の時間を強制的につくる

Aさんの様子を見ていても、自分のことをわかってほしいけど上司にきちんと伝えていないように見えました。

・こんなこと言っても聞いてもらえない
・こんなこと言ったら評価してもらえない

というようなことが無意識に上司に対する行動を止めているのではないかと思いました。まずはどう思われようとも、話さなければわかってはもらえません。上司なんだからわかってよ!は通用しません。

と言ってもなかなか当事者同士では感情的に難しいのかも。
こういう時に第三者として間に入って客観的に聞いてあげることが、私たちコンサルの役割なのかなと思いました。


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