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アフリカビジネスモデル図解vol.08「AfricanStockPhoto/ケニア発・アフリカ画像提供サービスで偏見を無くす」

アフリカで会社とNPO経営中、ナイケルこと内藤獅友(Naikel0311)です。

アフリカビジネスモデル図解とは、アフリカ歴6年目、会社とNPOを経営している僕が、アフリカの主にスタートアップを中心に、ビジネスモデルを図解化し、そのユニークかつビジョナリーなイケてるアフリカ企業をご紹介するシリーズです。

第八回は「AfricanStockPhoto」というケニア発のスタートアップ企業です。


ここに全てまとめたマガジンがございます。現在、最新号のみ定期購読者様あるいはマガジン購読者様限定公開となっております。それ以前のは、現在は無料公開中となっております。

尚、この図解は「チャーリーさんの図解ツール」「いらすとや」を利用して作っております。ありがとうございます。


AfricanStockPhoto共同創業者Dicky Hokie

どうも、筆者のナイケルです。

今日はマサイ族でお馴染みケニア発のスタートアップ企業をご紹介するよ!

アシスタント、ベナン出身のケビンだぜ!

マサイ族は西アフリカのベナン人も知ってるくらい有名だからな〜。でも、ケニアはマサイ族以外にも、東アフリカ地域のGDPの40%以上を担う最も有力な国の1つだし、東・中央アフリカにおける経済、商業、物流のハブでもあるから、これからもどんどんビジネスでも注目を浴びる国だろうなー。

そうなんだよ。ケニアにはVision2030という2030年までの目標があって、「全国民が高い生活水準を享受する産業中所得国」を目指して頑張っているんだ。

いいねー!おれらベナンも負けてらんない!って、お前誰だ!!!!

おっとっと。紹介し忘れてたね。彼が今回紹介するケニア発スタートアップAfricanStockPhotoの共同創業者Dicky Hokieさんだよ。

マサイ族ではないけれども、ケニア人のDicky Hokieです。ディッキーって呼んでください。

なんだよ〜、先に言ってくれよ!アシスタント交代させられるのかと思っちゃった!ディッキーさんよろしくお願いしま〜す。

ちなみに共同創業者と伝えたけれど、ディッキーさんと共同でSitati Kituyiさんという方も、一緒にこの会社を作ったんだよね。

うん。今日はちょっと私用でこれなかったんだけど、2人でこの会社を仲良く運営しているんだ。

右がSitati Kituyiさん

共同創業ってあんまり上手くいかないイメージもあるけれど、順調そうなんだね。せっかくだから会社の創業ストーリーを教えてくれないかな?


AfricanStockPhoto創業ストーリー

僕はもともと、ケニアの有名メディアで8年ほど働いていたんだ。その際によく広告を作っていたんだけれど、アフリカのビジネス的な、あるいは日常的な広告を打ちたい時に、素材を探すんだけれど全然なかったんだよね。当時もネット上でShutterstockとか有名な有料画像サイトはあったんだけれど、アフリカ系の素材はライオンとかそういった画像ばかりだったんだ。正直ちょっとショックで、「もっとアフリカには都会もあるし、いろんな側面があるんだ!」という偏見を無くしたい気持ちも強まったよ。

だったら自分で作っちゃおうということで、AfricanStockPhotoを立ち上げることにしたんだ。この事業に共感してくれるエンジニアを探していたら、Kituyiが現れて、彼と一緒にやることにしたんだ。

立ち上げたのは2015年からなんだけど、最初は利益も全く出ずに、仕事の片手間でお互いやっていて、実際に本格的にフルコミットでやりだしたのは2017年からだね。

確かに僕もアフリカの画像を探したりするんだけれど、自然とか動物系はたくさん見つかるけど、日常とかビジネス的な写真はあまり見当たらないもんなぁ。

でしょ!見てもらった方が早いと思うので、サイトを見てちょうだい!

こんな感じでアフリカに特化した画像サイトになっていて、「tech」という項目だとスマホを使っていたり、Uberを使っていたり、近代的なアフリカの写真が見られるよ。「people」というカテゴリでは、アフリカ人の自然な暮らしの写真がたくさん出てくる。こういう自然でハイクオリティな写真が意外となかったんだよ。

おお!めちゃくちゃいいなー!この写真はディッキーさんたちが撮っているの?

ううん。これらはアフリカで活動する写真家たちが撮ったものを登録してもらって、売れたら手数料をこちらで差し引いた残りのお金を報酬として渡しているんだ。

AfricanStockPhotoとしては、「リアルなアフリカ画像の普及」「それによる偏見の緩和」「アフリカ写真家の収入源」を追求して事業を展開しているんだ。

上質でいろんな種類でリアルなアフリカ画像が手に入って、偏見も減って、アフリカ写真を撮るのが趣味だったような人もお金を稼げて、とても意義のある事業だね!


AfricanStockPhotoのビジネスモデルと儲けの仕組み

では、ここからはAfricanStockPhotoのお金とサービスの流れを解説してもらいたいと思います!

オッケー。

基本的には他の有料画像サイトと同じビジネスモデルになっていて、①写真家から画像を提供してもらってサイトに載せる。売れたら報酬を渡す。②ユーザーは1枚ごとに買うこともできるし、③パック料金でお得にまとめて購入する権利を買うこともできるという仕組みになっているよ。

ビジネスモデルについてちょっと解説するね。

②はPay as you goという手法で、使ったら使った分だけサービス料を払うというモデルだよ。Suicaでチャージしてその都度払うのもこのモデルだね。ここでは画像を一枚買うごとに支払うというサービスになっている。1枚あたりの価格はクオリティによって分かれていて、15ドルと20ドルで提供しているね。

③これはパック料金モデルで、月額課金ともまた違って、例えば靴下を5枚買ったら1枚分お得!のように数枚買う人がお得に感じて沢山購入してしまうようなサービスだね。この場合は、20枚セットで150ドル一括で払うと、1枚あたり7.5ドルで購入できるようになるから、とてもお得に感じるね。

ふむふむ。おれでもわかりやすい。でもこれは、他の画像提供会社と同じなんだよね?AfricanStockPhotoならではの特徴はあるのかな?

特徴としては、「写真家側への還元率が高い」んだ。

有名な画像提供会社のほとんどが、売上の70%以上を自社の収益にしている(写真家側は30%以下)のだけれど、うちは少なくとも50%以上は写真家に還元されるように設定しているよ。

それは素晴らしい!!でもそんな下げちゃって大丈夫なんかい?潰れないの?

幸い、昨年に投資家からの出資もあったから大丈夫。中期的な目でまずは写真を登録してくれる写真家を増やし、コンテンツを充実させることを重視するための戦略としてこの方法を取っているんだ。

おかげさまで使ってくれる写真家も100人を超えて、日々カタログは更新されているし、購入するユーザーも増えているので、一応生活する程度には稼げているよ。

これはある種「写真家」と「ユーザー」のマッチングサービスとも言えるので、事業者としては、いかに双方の母数を増やし、利用頻度を上げていくことにフォーカスする必要があるからね。

早い段階で手数料を上げてしまうと、その母数が逃げてしまう可能性もあるから、ある程度の母数を獲得するまでは、この戦略はとても正しいと思うよ。

あとは質の維持と向上の為にも、写真家と直接対話する機会も設けているよ。「こういう写真が求められている」とか「最低でもこの程度の質はあった方がいい」というユーザーからのフィードバックを彼らに伝えることで、ミスマッチしないコンテンツを提供し続けられている。

地道な努力をしているんだな〜。

ふっふっふ。AfricanStockPhotoと言ってるくらいだから、我々は決してケニアだけで終わるのではなく、最終的にはアフリカ全土の写真提供サービスのトップシェア会社を目指しているんだ。その為ならこんな努力は当たり前さ。

カッコいい!!そうだ!!おれのポートレート写真をたくさん載せたらもっとユーザーがたくさん集まるんじゃないか!特に女性の!

お前のInstagramで勝手にやってろ!


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