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【読書録】ORIGINALS

概要

 著者は「現代は誰もが独創的になれる時代である」という考えから本書を執筆されています。では「オリジナル」とはどういうことなのか?どうやったらオリジナルなものを生み出せるよな発想を手に入れられるかに?ついて記されています。
 著者は「GIVE&TAKE」を書いたことでも知られる新進気鋭の組織心理学者です。オリジナルになるためには特別な才能はいらないと本書では断言されています。
 特に重要であると感じた部分をまとめてみましたので最後まで読んでいただけると幸いです。

傑作を生み出す可能性はどうすれば高められるか?

 著者はズバリ「多くのアイデアを生み出すこと」であると述べています。どんなに才能がある人でも、質の高いアウトプットを出すためには試行錯誤を繰り返す必要があるのだと思いました。ついつい一つのアウトプットに時間を掛けがちですが、ある程度見切りをつけて次に行くことの方が重要なのです。見方を変えると傑作を生み出すのは確率の問題であり、とにかく数を打つことが何よりも重要であるということです。自分ではダメだと思ったアイデアも他の人から見れば魅力的な可能性もあります。アイデアはアウトプットしなければ評価すらされません。失敗を恐れないことの本当の意義はここにあるのだと感じました。

専門知識と経験が深まるほど、世界の見方がある一定の状態に固定されてしまう

 これは本当に気を付けたいと感じました。大学、大学院と専門知識を深めるにつれて、自分の考えがある程度固定されていると感じていたからです。専門分野に対する考察や理解のスピードは速くなる一方で、他の分野も全て同じ思考プロセスで考えてしまい視野が狭まっているような危機感がありました。
 固定された思考を変えるには、これまで体験したことのないことをインプットするしかないと思います。自分とは違う思考に触れる効果的な方法は読書ではないでしょうか。ビジネス本でも小説でも著者の思考や物事の捉え方の結晶であることには変わりありません。私の個人的なイメージとして、ビジネス本は頭の中の引き出しを増やし、小説は感情の解像度が上がる感覚があります。

オリジナルであるには、先発者である必要はない。オリジナルであるというのは、他とは異なる、他よりも優れているという意味である

 特に研究では先発者であることに重きを置かれる傾向が強いです。一方でビジネスの世界では後発であっても他より優れた点があればオリジナルとされる印象です。質の高いアウトプットというのは、先発、後発に関係なく評価が高いものであるということは、自分のアウトプットのオリジナリティを決めるのは他人になります。この点もオリジナルであるためには多くのアウトプットを生み出し、評価される回数を増やすことが一番の近道であると解釈できます。

さいごに

 アウトプットの量と質はある程度比例すると思います。しかしここで勘違いをしていけないのは、その量が圧倒的に多い場合であるということです。私のような凡人は他人の何倍ものアウトプットを出せば質の高いものが1つか2つできるくらいの感覚でいるのがちょうどいいと感じました。これからは1つのアイデアを磨くことに固執するよりもアウトプットの数を増やし、発信することを意識しようと思います。

参考文献

アダム・グラント著、楠木建訳(2016)「ORIGINALS」三笠書房


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