見出し画像

絶望の国!日本で生きる君たちへ!

突然だけど、日本って終わってるよね!

そんな絶望の国、日本で生き残るにはどうしたらいいかを解説していくよ!

  • 第1章では「日本がいかに終わっているか」について!

  • 第2章では終わる日本を象徴する「無敵の人」について!

  • 第3章では狂った現代社会で生き残る「下品な人」について!

  • 第4章では日本で増える宗教「拝金教」について!

  • 第5章では「自己責任論」で自分の首を締める庶民について!

  • 第6章では絶望の国で生き残る「上品な生き方」について!

  • 終章では日本流の上品な生き方「粋」について!

を、解説していくよ!

ぶっちゃけ長いから別に読まなくてもいいよ!

参考にした本はコレ!

書籍の画像
出典:Amazon.com

佐藤 優『メンタルの教科書』(クロスメディア・パブリッシング、2020)
佐藤 優について
元外交官で文筆家。ロシア情報収集・解析のエキスパート。魚住昭/ジャーナリスト。ノンフィクションに著作多数。青木理/ジャーナリスト。元共同通信記者。『日本の公安警察』『絞首刑』など著作多数。植草一秀/経済学者。日本経済、金融論が専門。

Amazon.com

第1章!
日本がおわってることを皮肉を交えて再確認!

まずはじめに、日本がいかに終わっているか皮肉を交えてみていくよ!

うつ病患者が増え続けるのは病院が優秀なおかげ!

まずはじめに、日本でうつ病になる人の推移をみてみよう!

厚生労働省の「患者調査」によると、気分障害などいわゆるうつ病などの患者は、1996年は43万3,000人だったけど、右肩上がりに増え続け2017年には127万6,000人になっているよ!

きっと病院がうつ病になりそうな人を早期に発見してくれているんですね! 日本のお医者さんは優秀だね! すばらしい!

参考:図表1-2-9 こころの病気の患者数の状況丨厚生労働省

こころの病気の患者数の状況
出典:厚生労働省

所得が増えなくても暮らせるのは物価が安定してる証拠!

次は所得、つまり給与や売上から控除や経費を差し引いたお金をみてみよう!

厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、1世帯当たりの年間の平均所得金額は、1994年の664万円をピークを右肩下がりに減りつづけ、2018年には552万円になっているよ!

所得が増えなくても生きていけるのは、物価が安定している証拠だよね! 知らんけど!

唯一の救いは2009年以降、「児童のいる世帯」の平均所得金額が上昇に転じている点ですかね。

それでもピークは1996年です! あと実感として「前より経済的に楽になったわ~」と変化を感じている子持ち世帯はどれほどいるのでしょうか?

子どもがいる方、ぜひ教えてください!

参考:Ⅱ 各種世帯の所得等の状況丨厚生労働省

各種世帯の1世帯当たり平均所得金額の年次推移
各種世帯の1世帯当たり平均所得金額の年次推移
出典:厚生労働省

働かなくても生きていけるのは国が豊かな証拠!

つづいて、日本に「中高年のひきこもり」、いわゆる「子供部屋おじさん(おばさん)」がどれくらいいるのかをみていくよ!

2019年に内閣府が発表した調査よると、40~64歳の「子供部屋おじさん(おばさん)」の人数は推計61.3万人いるようです!

これは、15~39歳の推計54.1万人を上回っており、日本のひきこもりが高齢化・長期化していることを浮き彫りにしたよ!

働かなくても、外にでなくても生きていけるということは、それだけ日本が豊かで便利な社会になったということですね! すばらしい!

実際、パソコンとインターネット環境あれば仕事できるし、Amazon使えば家から出ずに生活必需品も嗜好品も揃うしね!

参考:特集2 長期化するひきこもりの実態丨内閣府

初めてひきこもりの状態になった年齢
初めてひきこもりの状態になった年齢
出典:内閣府

「子供部屋おじさん」の親が80歳になったらどうなる⁉
ワクワクするね!

さて、この約60万人の「子供部屋おじさん」の親が80代になったとき、なにが起こるか考えてみよう! 一体どうなるのか、ワクワクするよね!

このイベントは「80-50問題」って呼ばれていて、「80代の親が50代のひきこもりの息子の世話をする」っていう地獄絵図 生暖かいハートフルな状態になってしまうよ!

80-50問題!
出典:NHK

例えば、行政の支援がないまま親が認知症になったり体が動かなくなって要介護状態になることや、亡くなってしまうと収入がない「子供部屋おじさん」の生活が難しくなるよね! どうするんだろう!

親の年金頼みの「子供部屋おじさん」は収入源がなくなるから、固定資産税や水道光熱費も払えなくて、最悪の場合は家を手放さなくちゃならなくなるかもね!

もちろん、約60万人いる40~64歳の「子供部屋おじさん」全員が窮地に立たされるわけではないとは思うけど、仮に半数だとしても約30万人が、その半数だとしても15万人が生活困窮者になるよね!

この記事で日本は選挙においても終わってることを解説したけど、やっぱり日本は終わっているんだね!

第2章
「子供部屋おじさん」が「無敵の人」に進化⁉

「子供部屋おじさん? ふーん。
でも別に自分に関係ないからどうでもいいや」

って思ってるそこのあなた!

そんなこといってると子供部屋おじさんが、いわゆる「無敵の人」に進化して、社会に牙をむく可能性があるよ!

「無敵の人」とは、「失うものが何もないため、犯罪を犯すことになんのためらいもない人」のこと! 2ちゃんねる創設者でいまはYouTubeでもおなじみの西村ひろゆきさんが15年も前に提唱したよ! 先見の明ありすぎ!

出典:YouTube

「無敵の人」が起こしたとされる事件は下記のようなものがあるよ!

  • 2008年:秋葉原通り魔事件

  • 2012年:黒子のバスケ脅迫事件

  • 2015年:東海道新幹線火災事件

  • 2016年:相模原障害者施設殺傷事件

  • 2018年:東海道新幹線車内殺傷事件

  • 2019年:川崎19人殺傷事件

  • 2019年:京都アニメーション放火殺人事件

  • 2021年:大阪ビル放火25人死亡事件

  • 2021年:小田急線刺傷事件

  • 2021年:京王線刺傷事件(ジョーカー事件)

  • 2022年:安倍晋三銃撃事件

社会学者の宮台真司さんは、こうした事件を「他人を巻き込んだ間接的な自殺にみえる」と分析しているよ!

また、「無敵の人」という言葉の生みの親、西村ひろゆきさんはこんなふううに分析しているよ!

今の日本は社会的弱者や不幸な人を見なかったことにしている

「「無敵の人」に対しては、既存の刑事罰を強化しても、犯罪を抑止する効果はあまりありません。
逮捕されて刑務所に入ることをイヤだと考えるのは、社会に属すことに居心地のよさを感じる人たちだけです。
社会を敵対視している人にとっては、刑務所や死刑ですら苦痛からの解放のように考えてしまう場合もあるからです。」

ひろゆき「暴力ではなく言論で」はきれいごと…社会に絶望して他殺を選ぶ"無敵の人"を減らす方法

2012年の「黒子のバスケ脅迫事件」の犯人、渡邊 博史被告はこんな興味深いことを語っているよ!

渡邊 博史被告の画像
渡邊 博史被告!
出典:withnews

一連の事件を起こす以前から、自分の人生は汚くて醜くて無惨であると感じていました。
それは挽回の可能性が全くないとも認識していました。
そして自殺という手段をもって社会から退場したいと思っていました。
(中略)
自分の人生と犯行動機を身も蓋もなく客観的に表現しますと「10代20代をろくに努力もせず怠けて過ごして生きて来たバカが、30代にして『人生オワタ』状態になっていることに気がついて発狂し、自身のコンプレックスをくすぐる成功者を発見して、妬みから自殺の道連れにしてやろうと浅はかな考えから暴れた」ということになります。
これで間違いありません。実に噴飯ものの動機なのです。

「黒子のバスケ」脅迫事件の被告人意見陳述全文公開1

偏見が事件を生む!
「子供部屋おじさん=キケン」は短絡すぎ!

ここまでくるとあなたのなかで、「ひきこもりは犯罪者予備軍なんだ!」というイメージができあがってきてるんじゃないかな?

残念!

これはテレビや新聞などのマスコミがよくやる偏向報道とおなじやり口だよ!

「子供部屋おじさんが無敵の人に進化するかも!」なんて言ったけど、実はこれはただの偏見なんだ! だから「子供部屋おじさんはキケンなんだ!」と考えるのは短絡的!

ワイドショーではよくひきこもりの問題をとりあげて犯罪者予備軍みたいなレッテル貼りをしたり、なにか事件が起こるとまっさきに「容疑者宅にテレビやゲーム機」などと報道したり、「オタク趣味との関連性」を強調するよね!

まぁ怖い!もしかして冷蔵庫とか掃除機もあるのでは?!

でも実際は、ひきこもりの人やオタク趣味がある人と、そうではない人との重大犯罪の関係性は証明されていないため、ただの偏見であり偏向報道だといえるね!

こうした報道のあり方は、いろんな事情や境遇にある人たちを「ひきこもり」というジャンルで十把一絡げにして、社会から排除しようという姿勢が垣間見えるよね!

まさに、ひろゆきさんがいうように「社会的弱者や不幸な人を見なかったことにしている」んじゃないかな!

こうした行為は「属性排除」といって、人種や国籍、出自や団体などの属性に対して、「怪しい」「危ない人だ」とレッテル貼りをして、排除することだよ!

日本は歴史的にみても他国に本格的に侵略されたり植民地化されたことがないから、諸外国に比べても同族意識が異常に高いことで知られているし、外国からすると右翼的な国だと認識されているよね!

近年では、こうした傾向がさらに高まってきていて、属性排除の力が働きやすくなっているように感じるんじゃないかな⁉ 最近の日本はなんだか息苦しくて生きにくい気がするのは、こうした属性排除の圧力が関係しているかもね!

「自分とは違う」と分類して安心する心理

どうして社会はひきこもりの人や無職の人を隅へ隅へと追いやるのかな?!

そこにはきっと、「安心したい」という気持ちがあるんだよね! 例えばさっき列挙したような事件が起きたときに、犯人が自分たちと同じような普通の一般人だったらどう感じるか考えてみよう!

きっと、「もしかして普段話している同僚もヤバいやつかも…」「自分の息子もこんなことをするのではないか…」と不安になるよね! なぜなら、「普通の人」が犯人だと、身の回りにいる「普通の人」も怪しく感じてしまうから!

だから、「無職」や「ひきこもり」「オタク趣味」といったカテゴリー分けをして、「自分とは違う分類の人が事件を起こしたんだ」って安心したいんだね!

そうやって皆、一生懸命「普通の人」でいようと必死なんだ! 世間体や常識、人の目を気にして「自分は普通の人で、おかしなことはしませんよ」っていうメッセージを発しているんだね!

そして同時に、マスコミも大衆に対して「変なコトすんなよ? 目立つなよ? 皆と同じ行動をとって異を唱えるなよ?」と暗に脅しているんだ!

「ひきこもり=危険」という偏見が事件を起こす

こうした「ひきこもりは殺人事件を起こす」という偏見が、実際にそういう事件を起こしかねないから本当に危ないんだ!

例えば、2019年6月1日に起きた「元農水事務次官長男殺害事件」があるよ! この事件は農林水産省の元事務次官が、44歳になる自分の子どもである栄一郎さんを36ヶ所も刺して殺害した事件だね!

元農水事務次官長男殺害事件
元農水事務次官長男殺害事件!
出典:nippon.com

栄一郎さんは中学時代にいじめに遭ってから家庭内暴力をふるうようになったり、「社会的事件を起こす。上司を包丁で刺す」と言ったり、隣の小学校の運動会の音に腹を立て「子どもたちを殺す」と漏らすなど、精神的に不安定な状況だったみたい!

さらに元事務次官の親は普段から「殺すぞ」と言われていたため、命の危険を感じていたうえに、息子がなんらかの事件を起こすのを阻止するためにも、ついに息子を手にかけてしまったよ!

元農水事務次官長男殺害事件
出典:nippon.com

報道や社会にも責任の一端があるかも⁉

問題は、この事件が起きる前のマスコミや報道のあり方だね!

「ひきこもり=犯罪者予備軍」のようなレッテル貼りをして煽るワイドショーや、それに簡単に流される安易な視聴者の危うさ!

こうした偏見が、ひきこもりの息子に対して元事務次官が危機感を感じさせ、精神的に追い詰めていた可能性もあるよね!

あくまで可能性の話ではあるけど、もしそうだとしたら、そうした偏見に満ちた報道と、そんな偏見に流されるバカな大衆・社会にも責任の一端はあるんじゃないかな?!

社会によるレッテル貼りが犯罪者を生む⁉

実際にこうした可能性は、ハワード・ベッカーというアメリカの心理学者によって「ラベリング理論」として提唱されているよ!

これは、社会がなんらかの行動を「逸脱している」と判定し、そうした行動をする人を「逸脱者」として認定することで、「逸脱者」が生み出されるという考え方!

ラベリング理論!
出典:オールアバウト

従来は、なんらかの逸脱行為があってそれを人びとが「それは逸脱してる!」と認識することで「逸脱者」が生まれる、としていたんだ!

でもラベリング理論では、人びとがなんらかの行為を「逸脱している!」と認識することから、「逸脱行為」が生まれるよ! これにより「逸脱者」としてレッテル貼りをされることで新たな「逸脱者」が生まれてしまうんだ!

例えば、最近でいうと「マスクをしないやつはおかしい」「自粛しないやつは反社会的人間だ」とラベルを貼ることで、議論の余地があることでも「逸脱行動」として確定するよね! そうやって、「逸脱者」が増えていいくよ!

こうすることで犯罪でもないのに、マスクをしていない人は犯罪者のような目でみられるよ!

第3章
狂った現代で勝ち残るのは図々しい人!

ここまでみてきたけど、日本て相当終わってるよね!

ここでは、こんな狂った現代で「成功者」として勝ち残るための方法を教えるよ!

1つ目の方法は、金持ちや上級国民の家に生まれてくること! なぜなら日本はアメリカほどではないにしろ、格差社会に近づきつつあるから!

可処分所得の中央値の半分以下を「相対的貧困」っていって、その割合を「相対的貧困率」というよ! で、日本の相対的貧困率は2018年時点で約15%! つまり人口の約7人に1人は貧困層なんだ!

下のグラフは貧困層の推移だけど、太線の「相対的貧困率」がジワジワ上がっているのがわかるね!

貧困層の年次推移
出典:厚生労働省

だから金持ちの家に生まれることが大事になってくるんだ!

「成功者」は図々しい人ばかり!

とはいっても、そんなのただの運ゲーだよね! だからもう1つの方法を教えるよ!

狂った現代を勝ち残るもう1つの方法は、図々しくなること!

意識高い系が好きそうなメディアによく登場する、近年になってお金持ちになった「成功者」をイメージしてほしいんだけど、なんか図々しいイメージがないかな⁉

言葉を変えるなら「厚顔無恥」「下品」にも近いかもしれないね!

つまり成功したいなら図々しくて、厚顔無恥で、下品になろう!

「いやいや、成功者が図々しいなんてそれこそ偏見だよ」

って思ったそこのあなた! 勘が鋭いね!
でも、「成功者は図々しい」ってことは、100年以上前にある偉人が指摘してるんだよね!

その偉人こそ、経済学者で哲学者のカール・マルクス!

カール・マルクス
カール・マルクス!
出典:Wikipedia

マルクスが指摘した成功者の「図々しさ」!

マルクスは資本主義社会においては、人間は下記の2種類にわかれるといったよ!

  • 生産手段をもつ資本家

  • 労働力を売る労働者

このうち、成功者と呼ばれるのは資本家だね!

一方で、生産手段をもたない労働者は自分の労働力を売るしかないから、どれだけ一生懸命働いてもお金持ちにはなれないよ!

なぜなら、労働力を商品と同じようにつかう資本家は、労働者をできるだけ安く働かせたいから!

この点に関してはこの記事でも解説したように、ウォール街でロングセラーになっている「マネーの公理」という書籍で、世界一お金持ちが多い国スイスの金融マフィアも同じことを言っているね!

よく勘違いしている人がいるけど、資本家が労働者に払う賃金は「利益の分配」ではないよ! 労働者の労働力を「商品」として購入するための、ただの「代金」に過ぎないんだよね!

だから、資本家が労働者をつかってどれだけ利益をあげようと、その利益を分配することはないことを覚えておこう!

出典:Smart FLASH

いまの大企業が内部留保を溜め込み、従業員に還元しない理由もそこにあるのもかもしれないね!

内部留保
増え続ける内部留保!
出典:読売新聞オンライン

資本家にとって労働力は安ければ安いほどいい!

あなたも経営者の立場になって考えてみよう!

できるだけ儲けを増やすためには、どうすればいいかな⁉
そう! 商品の原価率をできるだけ低くすればいいよね! つまり、原材料費を安く購入することがポイント!

ということは、労働力という「商品」もできるだけ安いほうがいいよね! だから経営者である資本家は、労働者を安く買い叩くんだ!

じゃぁ、労働者から搾取して得た莫大な利益はどこにいくんだろう? 答えは役員や株主の懐だね!

ムシャムシャ!ムシャムシャ!

こんな感じに労働者を人間扱いせず、上手に搾取して利益だけをチューチュー吸いとれる人が資本家になれるんだよ!

優しい人にはこういう決断は難しいから、やっぱりサイコパス性がある図々しい人が資本家や経営者には向いているんだね!

まさに「下品力」が求められる仕事だ!

第4章
「拝金教」信者が増える日本!

図々しくて厚顔無恥で下品な人が「成功者」になれるとしても、あんまりなりたくないよね!

それに、そこまでして「成功者」になっても、幸せになれるかはまた別問題だよ! というのも、お金がたくさんあって物理的に豊かになっても、人は不安感や孤独感にさらされていると幸せを感じることが難しいんだ!

1人じゃ幸せになれない!

たしかに、お金持ちは憧れのマトになる一方で「お金持ちは孤独で不幸」みたいなイメージがあるよね!

このことを明らかにしたのは、トマーシュ・マサリクという社会学者・哲学者だよ! また、チェコスロバキア共和国の初代大統領でもあるすごい人なんだ!

トマーシュ・マサリク
トマーシュ・マサリク!
出典:Wikipedia

「自殺の原因は貧困である」と考えられていた時代、マサリクはプロテスタント地域と、カトリック地域の自殺率を調べたよ! その結果、カトリック地域よりも豊かなプロテスタント地域のほうが自殺率が高かったんだ!

つまり物質的に豊かでも、孤独感や不安感があれば幸せを感じにくいんだ! そりゃそうだよね!

「貧乏=不幸」は本当かな⁉

「でも、お金がなかったらもっと不安で不幸じゃん」

って思ったそこのあなた! 確かに一理あるけど、「お金がない=不安=不幸」というのはすこし短絡的かな!

ていうかそれこそいま日本で流行ってる「拝金教」という宗教の教義だよね! 「お金がないと不幸だよ! だから死ぬ気で働いて稼げ!」っていう教義!

貧困率にはさっきの「相対的貧困率」と、「絶対的貧困率」があるんだけど、世界銀行によると1日1.9ドル以下の収入で生活しているひとが「絶対的貧困」だよ!

現在(2022/08/07)のレートでいうと、1日約250円! 日本じゃ生活できないね! でも世界には1日約250円で生活している人が6億8,900万人もいるとされているんだ!

そこで生活する子どもたちは「さぞお金がなくて苦しくて不安で不幸な生活をおくっているんだろう」と思いきや、こうした貧しい国にいくと、意外にも明るく目を輝かせて強くたくましく生きていたりして驚くよね!

下の写真はエチオピアの子どもの写真だよ!(「世界の笑顔とチェキ」というサイトからの引用)エチオピアは世界でも最貧国のひとつで、一人当たりの月収はおよそ4,500円! 1日に換算するとたったの150円だけど、笑顔がまぶしいね!


引用:チェキ

つまり、「お金持ち=幸せ」「貧乏=不幸」という単純な式は成り立たないんだ!

経済大国ニッポンのほうが実は「不幸で貧しい」⁉

一方で、世界第3位の経済大国ニッポンに目を向けてみよう!

2022年の「世界幸福度ランキング」によると、日本は54位だったよ!最下位が145位だから低くはないけど、決して高いとはいえない順位だね!

日本が54位より上にいけなかった原因としては、「社会的自由度の低さ」があるよ!

例えば、有給休暇をとりにくい「働く環境の不自由」や、同調圧力やメディアによるレッテル貼りによる「言論の不自由」、「報道しない自由」揶揄される「報道の自由度」の低さが原因だね!

実際、「報道の自由度ランキング2021」では180ヵ国中、日本は67位で先進国のなかでほぼ最下位だったよ! このランキングを発表した「国境なき記者団」は、日本について下記のように指摘したよ!

日本政府と企業は、大手メディアに対して日常的に圧力をかけており、その結果、汚職やセクシュアルハラスメント、健康問題(新型コロナや放射能)、環境汚染などのセンシティブと見なされる可能性があるトピックにかんして厳しい自己検閲が生じている。

要するに「忖度のせいで報道の自由が脅かされている」ということだね!

しかもおもしろいことに、NHKはこの件を報道する際に「日本政府の圧力」については一切言及しなかったんだ!

そして、「国境なき医師団」の日本への指摘では触れられてない韓国(43位)とオーストラリア(39位)を引き合いに出して、あたかも日本と同列かのように伝えていたんだ!

さらに、日本の30~50代未婚男性が「幸福でない」と感じている割合が、諸外国と比べると突出して高いよ! 「団塊ジュニア世代」がこのくらいの年齢なのも関係してるのかな⁉

中年未婚男性の不幸感がエグい!
出典:Newsポストセブン

世界3位の経済大国でも不安!なんで⁉

こうした理由から、日本の幸福度は高いとはいえない順位になっているけど、ほかにも理由があるよ!

それは、将来に希望がもてず、不安材料しかないこと!

うつ病患者と子供部屋おじさんが増えつづけるも所得は増えず、無敵の人が社会に牙をむく国ニッポンは、多くの不安が渦巻いているよね!

  • 老後2000万円問題!

  • G7最下位の労働生産性!

  • 破綻が囁かれる年金問題!

  • 学歴やキャリアを重視する風潮!

  • 飛ぶ鳥を落とす勢いの少子高齢化!

  • 毎年約60万人が亡くなる人口減少!

こんな国で毎日希望に満ちあふれて楽天的に生きている庶民がいたら、それこそおかしいよね! 危機感もたなきゃマジヤバい!

そんな不安の国ニッポンで、「心の拠り所」となったのが「お金」だよ! 要するに諸外国でいう「神」の座についたのが、日本では「お金」だったんだね! 日本は無宗教な人がおおいし、「宗教=胡散臭い」って思われてるからお金はうってつけだ!

実際、ある雑誌の編集長は2000年以降、「お金」に関する企画がよく売れるようになったと話しているよ! 確かに最近は「お金の増やし方!」「失敗しない投資入門!」「FIRE入門」といった本をよく見かけるよね!

よくみるお金本!

佐藤 優氏はこうした現代の病理を「拝金教」と呼んでいるよ! そう! お金は宗教なんだ!

「教養」すら資本主義の道具に成り下がったよ!

「お金の増やし方」や「投資」をテーマにした本が増えたけど、これとならんでよく見かけるようになったのが「教養」をテーマにした本だね!

教養本も増えた!

「I ♥ KYOYO」も教養をテーマにしているからこそ残念に感じるところもあるんだけど、最近では「教養を身に着けていなければ稼げない」「教養がある人こそ一流のビジネスマンである」みたいな売り文句で売り出されているよね!

このことを佐藤 優氏は「脅迫としての教養」と表現しているよ! 資本主義のもとでは教養すら商売の道具、脅しの道具に成り下がったんだ!

「前のめり」になると騙される!

ビジネスや経済界の著名人がカタカナ語を駆使して時事ネタをダラダラ喋る、ビジネスマン受けがよさそうな意識高い系コンテンツが好きな人、いる⁉

カタカナ多すぎ!
出典:笑うメディア クレイジー

意識高いコンテンツが好きな人は情報感度が高く、さまざまな情報をあつめて世の中の動きを常にウォッチし、少しでも最新情報に触れつづけないと不安に陥るよね!

でも残念なことに、こういう意識が高い人ほど流行や宣伝、PR、プロパガンダに流されやすく、踊らされるんだ! 本当は他者に扇動させられて手のひらで踊っているだけなんだけど、そういう人に限って「自分の意思で選び、行動している」と思いたがるよね!

こうした生き方を、佐藤 優氏は「前のめりな生き方」と呼んでいて、情報に右往左往させられながら前に突き進んでいくんだ!

教養は立ち止まる力!

こういう生き方に対して、佐藤 優氏は「立ち止まることができる力こそ教養である」としているよ! これはいい定義かもしれないね!

情報に踊らされながら前のめりに突き進むのではなく、周りの人が突き進んでいるのを横目に「ちょっとまてよ?」と「これ、ヘンじゃない?」「おかしくない?」と立ち止まることが大切なんだ!

その力こそ、教養なんだね!

なぜなら、前のめりに情報に飛びつくとミスリードされちゃうからだよ! でも教養があれば「この情報ってどこからでてるんだ?」「ここで皆がこう動いたら誰が得をするんだ?」と立ち止まれるよね!

出典:ダイヤモンド・オンライン

第5章
自己責任論は庶民の首を締め、金持ちを助ける論理!

すこし話が変わるけど、2000年以降にやたらと日本でやたらと「自己責任」という言葉を耳にする機会が増えた気がしないかな!

インターネット掲示板ではなにかあればすぐに、「自己責任だろ」「それを選んだのは本人の責任だし仕方ないよね」といった自己責任論が幅をきかせているよね!

でも実は、「自己責任」っていう言葉はそもそもおかしいんだ!

まず「責任」は英語で「responsibility」っていって、この元になったラテン語は「respondere」っていうよ! このラテン語の意味は、「訴えられた人が法定で自分がしたことについて説明・弁明すること」だよ!

近年になって起きた市民革命(※)以降、市民が自由を謳歌するようになったときに、「自由」を行使するには「責任」が伴うとされたんだ!

※市民革命ってなに⁉
市民革命(しみんかくめい)またはブルジョワ革命、資本主義革命、民主主義革命とは、封建的・絶対主義的国家体制を解体して、近代社会(市民社会・資本主義社会)をめざす革命を指す歴史用語である。

Wikipedia

人を騙すのも殺すのも自由で誰も責任をとらなかったら、カオスになるから当然だね! それに、自由に行動できもしないし自由意志もないのに、責任だけとらされるなんて理不尽極まりないよね!

だから、「自由がなければ責任もないし、責任がなければ自由もない」とされ、「自由」と「責任」は表裏一体、セットで語るべき概念になったんだ!

自由と責任の天秤
自由と責任はセット!
出典:幻冬舎ゴールドオンライン

こうして近代以降の「責任」は、次のように考えられるようになったよ!

責任とは自由意思に基づいて行動した結果に対して、その本人が他者に対して説明し、しかるべき対応をすること

佐藤 優『メンタルの教科書』

「自己責任」とセットの「努力」って⁉

自己責任論とセットで語られるようになったのが「努力」だね!

例えば、ワーキングプア(※)に対しても、世間では「彼らの努力が足りなかったから仕方ないよね、自己責任だよね」と、本人の努力不足が原因とされたよ!

※ ワーキングプアってなに⁉
「ワーキングプア」とは、正社員やフルタイムで働いているにも関わらず、生活保護の水準以下しか収入が得られない、就労者の社会層のことをいい、日本語では「働く貧困層」と呼ばれています。

HRプロ

でも、これは本当に正しいのかな⁉

「働いても低収入」であることの原因が「努力しなかったからその責任を問われているだけ」なのだとしたら、「人は必ず努力はしなければならない」という前提が成り立ってしまうよね!

つまり、努力が義務になってしまうんだ!

努力とは、本来は本人が自主的・主体的にするもので、第三者が「努力しろ」と強制することはできないし、そんな権利は誰ももっていないよ! 「努力しなければならない義務」なんてものは存在しないんだ!

ということは、「努力をしないこと・しなかったこと」に対する責任は生じないよね!

出典:togetter

自由なき責任を問われる現代社会!

どうしてこんな話をしているのかというと、現代は「自由なき責任」を問われる社会だからなんだ!

マルクスも「資本家って生産手段もってるし、労働者より圧倒的に有利すぎて草。資本家は自由な立場にいるけど、ぶっちゃけ労働者って自由なくね?」的なことを言ってるよ!

出典:ダイヤモンド・オンライン

本当に自由と責任が表裏一体なら、自由度が高い資本家・経営者・雇用者のほうが大きな責任を背負うのが当然だよね! でも、こうした資本家は本当に責任を全うしているかな⁉

「上級国民」という言葉が流行ったように、一部のお金持ちはなにかやらかしても責任を果たすことなくうやむやにするよね!

出典:ABEMA TIMES

一方で、資本家から搾取される構造のなかで労働力を商品として売っている労働者は自由かな⁉ 佐藤 優氏は「労働者は自由意志を持った存在とは到底言えません」と語っているよ!

さっき言った「自由がなければ責任もないし、責任がなければ自由もない」という本来の責任のカタチを思い出そう! 自由がないところに責任はないよ!

資本家にとって都合のいい労働者が欲しかっただけ!

じゃぁどうして「自己責任論」が流行ったのかな⁉

それは、資本家にとって都合のいい労働者が欲しかっただけなんだ!

つまり、ワーキングプアや非正規雇用労働者など社会的に立場が弱い人に対して「自己責任論」をふりかざすことで、本来であれば雇用者がとるべき責任を回避しているんだね!

これは自由度が低い弱者に「自由なき責任」を押し付けているだけなんだ! 

資本家や雇用者は、いつでも辞めさせることができていつでも替えがきく労働者を欲しがっていたから、立場の弱い労働者に「責任」を押し付ける仕組みをつくっていったよ!

今も昔も変わらない!
出典:netgeek

第6章
こんな日本でどう生きていけばいいの⁉

さて、ここまで日本がいかにおわってるかをみてきたけど、こんな国でどう生きていけばいいのかを教えるよ!

その答えは、まず寝ること!
これは佐藤 優氏も言っているよ!

はじめにも言ったけど、日本はどんどんうつ病が増えているし、最初にうつ病になると再発率は50%、2度かかると70%、3度かかると90%とどんどん高くなるよ!

さらに、厚生労働省は2015年から「ストレスチェック実施プログラム」を行っていて、職場のストレスチェックとその方法を無料で紹介しているよ! つまりそれだけ職場でストレスを抱えてメンタルを止む人が多いということだね!

こんな絶望と不安の国でメンタルまでやられたら、おしまいだ!

だからこそ、メンタルを整えるためにも寝ることが大事なんだ! 佐藤 優氏も睡眠の重要性についてこう言っているよ!

メンタルヘルスにおいて何が一番重要か?
それは良質な睡眠をとることだと言ったら、あまりにも簡単な答えだと思われるでしょうか? しかし、睡眠こそあらゆる病の薬となり、疲れ切った心身にエネルギーを再び取り戻す最大の方法だと考えています。

佐藤 優『メンタルの教科書』(強調筆者)

OECD加盟国主要29カ国と比べると、日本人の睡眠時間は下から2番目だということがわかっているよ! 日本人は眠らなさすぎてヤバい!

寝ないとマジでメンタル病むよ!

私も睡眠の重要性については何度も強調しているけど、何度強調してもし足りないくらいなので、またここでも簡単に解説するよ!

この記事では、どんなに健康な人でもただ寝不足になるだけでメンタルを病むリスクがあがることを解説したよ!

こっちの記事では、浅い睡眠の「レム睡眠」が減ると自閉症になるリスクが高まることを解説したね!

そして、この記事では、ストレスとかイヤな感情は寝て夢をみるだけで解消できることを解説しているよ!

こうした睡眠の効果や睡眠不足のヤバさについては、この記事でまとめてあるからサラッとのぞいてみてね!

絶望の国で生き残るには「上品」に生き、人とつながろう!

「おいおい! 絶望の国で生き残る方法が寝るってそりゃないよ!」

って思ったそこのあなた! 安心して! 寝るのは大前提で、ここからが本番!

絶望と不安の国で生き残るためには、「上品」に生きて、人とつながることが重要だよ!

じゃぁ、どういうことか解説しよう!

そのために、まず人がどういう存在かを知る必要があるよ!

人というのは「その人自体」と「その人を取り巻く環境」のこと!つまり、「あなた」はどういう存在かというと、「あなた」と「あなたを取り巻く環境」のことなんだ!

あなたは「あなた」だけでは存在することはできないよね! あなたの両親がいて、その両親にも両親がいて…と続くし、それにあなたが食べる食べ物や来ている服も自分一人ではどうしようもない!

だから、あなたはあなた以外の存在や環境にも大きく影響を受けているのと同時に、あなたも世界に対して影響を与えているんだ!

こういう感じで、人は「その人自身」と「その人を取り巻く環境」で構成されているよ!

資本主義社会で失われたコミュニティ!

こういう「その人を取り巻く環境」は「コミュニティ」ともいうよ!

コミュニティとは、家族や地域のつながり、趣味や興味によってつながる集合体だ!

一方でコミュニティに似た「アソシエーション」もあって、これは共通の目的をもつ人たちが、自発的につくる組織や集団だよ!

アソシエーション!

コミュニティは自然とできるものを指すけど、アソシエーションは自発的につくられるのが違う点だね!

そして、資本主義社会になって真っ先に失われたのが、このコミュニティだったんだ! それまではコミュニティのなかで助け合いながら暮らしていた人たちはバラバラになり、それぞれが個別化した存在になっていったよ!

昔はご近所づきあいが濃厚でおすそ分けをしあったり、子どもの面倒をお互いにみたり助け合っていたイメージがあるよね! でも、資本主義社会になると横のつながりが薄くなった結果、「大衆社会」が生まれたよ!

大衆社会は、「個」となった人びとが集まってできた社会! そこに対してコマーシャリズムやマスコミによる画一的な情報発信をすることで、大勢が同じものを欲しがるようにして大量消費社会をつくり、経済を成長させていったんだ! 

人びとが「コミュニティ」から「個」に移行することでしがらみから自由になることはできたけど、人とのつながりが希薄化してしまったよ!

実際、内閣府「安全・安心に関する特別世論調査」によると、「人間関係が難しくなった」と回答する割合が6割強もあったんだ!

そしてその理由として挙げられているのが、

  1. 「人々のモラルの低下(55.6%)」

  2. 「地域のつながりの希薄化(54.3%)」

  3. 「人間関係を作る力の低下(44.5%)」

  4. 「核家族化(41.8%)」

だよ!

出典:情報通信白書


こんな感じに人間関係の希薄化が進んだ結果、なにかしらのコミュニティを求める人が増えてきたよね! オンラインサロンが流行った一因はここにもあるんだ!

アソシエーション(会社)にも居場所がなくなる!

コミュニティを離れて都市に集まった人たちは、「会社」というアソシエーションに集まったよ!

昔の会社は「キツく泥臭いけど、社員は家族のような強いつながりで結ばれている」、そんなイメージがあるよね! いわゆる家族主義的な日本的経営で、年功序列制度や終身雇用制度などの日本的雇用慣行がこうした経営を可能にしたんだ!

でも、バブルが崩壊して2000年くらいから、こうした日本的雇用慣行が崩れ始めていって、いまでは能力主義や成果主義が導入されつつあるよね!

昔の日本的経営であれば、同僚も上司も強いつながりで結ばれて家族のような関係だったのが、成果主義・能力主義の時代になるとそうしたつながりは希薄化していくんだ!

皆、自分の仕事だけに黙々と集中し、会社にも人びとの居場所がなくなっていったよ!

信頼できるアソシエーションに所属することが大切!

アソシエーションというのは、社会的になにかしらの使命や役割をもっていたり、社会になにかしらの働きかけをする組織のことだね!

社会人として生きていくということは、こうしたなんらかのアソシエーションに所属して収入を得るということともいえるよ!

そこで、佐藤 優氏は現代社会で強く生きるのポイントを2つ挙げているよ!

  1. 信頼できて、社会的価値が高いと評価されているアソシエーションに所属すること!

  2. 失われつつあるコミュニティを復活させて、所属すること!

結局、人は人間関係のなかでしか幸せを見いだせなかったり、人と関わらずに生きていくことは不可能だからこそ、意義あるアソシエーションやつながりを感じられるコミュニティが重要なんだね!

人とつながるための「上品さ」!

ここでようやく「上品さ」がつながってくるね!

コミュニティによって人とつながることで幸せや安心感を感じ、アソシエーションによって社会をより良くしていくことで人生に意義を感じるためには、やはり人とのつながりを広く、深めることが重要なんだ!

そして、人とのつながりを広く、深めるには「上品さ」が求められるよ!

第3章「狂った現代で勝ち残るのは図々しい人!」では、資本主義社会で勝ち残るのは労働者から上手に搾取できる下品で図々しい人だって説明したね!

でも、だからといってそんな下品で図々しくなりたいという人は少ないんじゃないかな! 下品で図々しい人が成功できる社会だからこそ、上品な人が貴重になるんだ!

たとえあなたが成功者でお金持ちだったとしても、他人を蹴落としたり裏切ったりしてのし上がってきた「下品」な人とは仲良くなりたくないよね! こういう人は「利害関係」でしかつながることはできないんだ!

そうなると、人とのつながりを求める人間の欲求を、本当の意味で満たすことはできないよね!

終章
上品に生きるための日本の美意識!「粋」とは?

じゃぁ、最後に「上品」ってなんなの?ってところを解説していくよ!

佐藤 優氏はその答えとして、「│<<いき>>」を挙げているんだ!

そして「粋とはなにか?」を考察している書籍『「いき」の構造』をもとに「粋」を説明しているよ! 著者は九鬼 周造という日本の哲学者で、日本の美の真髄の1つとして「粋」を分析している名著だね!

九鬼 周造は「粋」の構造について次の3つを挙げているんだ!

  1. 媚態

  2. 意気地

それじゃぁ1つずつみていこう!

「粋」の要素① 媚態!

「│媚態<<びたい>>」とは、次のような意味があるよ!

男にこびるなまめかしい女の態度。また、人にこびへつらい取り入ろうとする態度。

goo国語辞書

あんまりいい意味じゃなさそうだけど、九鬼はさらに広い意味でこの言葉をとらえているよ!

他者を意識してつながろうとする気持ちや、相手に興味をもってもらうために気を引くための態度をとることは誰しもがあるよね! よくいえば「なまめかしさ」や「色気」「艶っぽさ」となるかな!

「粋」の要素② 意気地!

次に「意気地」は、次のような意味を持っているよ!

他と張り合って、自分の思う事をどうしても通そうとする気持。

Oxford Languages

「意地」ともいって、「宵越しの銭は持たない」江戸っ子のよう気質のよさだと九鬼はいっているよ!

「媚態」だけだといやらしさが残るけど、目先の欲望に溺れずに凛とした態度でいることで「媚態」を良いものに変えているのが「意気地」なんだ!

「粋」の要素③ 諦め

そして最後の「粋」の要素が、「諦め」!

「締め」とは、「物事に執着せずに細かいことに頓着しない」的な意味だよ!

この記事で、仏教においても執着しないことの大切さが説かれていると解説したけど、「粋」にとっても重要なんだね!

3つの要素があってこそ「粋」であり「上品」!

この3つが揃って、はじめて「粋」!

今後、さらに変化が激しくカオスになっていく現代社会においては、これまで以上に「人とのつながり」が重要になるよ!

「媚態」は相手に媚びるとか、色目をつかうという意味ではなく、相手の存在を認めて、相手との違いを認識しつつ、乗り越えようとする姿勢のこと! 自分を理解してくれようという人に対して、イヤな気持ちになる人はいないよね!

あなたの友達に「なぜか人から好かれて、人が周囲によってくる人気者」はいないかな? こういうある種アイドル的な魅力も「媚態」の1つなんだ!

また、「意気地」があってこそ「媚態」が輝くよ! なぜなら、自分自身の譲れない一線ややせ我慢であっても貫く気概が「意気地」だから! 「媚態」だけで人に気に入られようとしても、「意気地」がなければ軽蔑されかねないから気をつけよう!

そして最後の「諦め」は、いろいろな失敗を経験し、痛い目を見て「人間にはどうしようもないことも存在する」ということを理解することなんだ! いい意味で諦められるからこそ、謙虚になれるよ!


生き方・人生哲学の教養」ではこんな記事がよく読まれているよ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?