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宗教の数字:大災害時死亡者率

神仏の存在証明は、現代科学の測定技術ではできない。

神仏とか霊魂なんて存在しないのだから測定できなくて当然だろう?という人はたくさんいると思う。

このnoteの趣旨は、科学技術による神仏の測定ではなく、統計という手段で考えてみませんか?統計によって神仏の加護の有無を類推できるのですけど、あなたはどう思いますか?と問いかけることです。

そして何を統計するのか?

ズバリ大災害発生時の死亡率です。

例えば何か大きな災害が発生して、たくさんの死者が出た、と仮定します。具体的には阪神淡路大震災や東日本大震災のような天災地変をイメージしています。ここでは、ある地区には1万人の人口がいて、1000人が亡くなったと仮定します。死亡率は10%。
死亡率が多すぎるけれども、わかりやすさ優先の数字なのでご了承下さい。

この時、この地区に複数の宗教団体があり、「神仏なんて存在しない=会員信徒に対する神仏の加護も存在しない」とするならば災害時死亡率は下記の結果になるはずです。

全くのサンプル表

神仏は存在しないし、神仏の加護がないのだから、教団単位での死亡率にはバラツキが発生しない。バラツキは発生してはいけない。
当たり前のことですね?

しかしながら、何と、バラツキが発生するのです。
もし興味がわきましたら、続きを読んでみてください。

阿含宗の場合:阪神淡路大震災

まずは結論です。

1995年1月、阪神淡路大震災における阿含宗の正規会員信徒の死者はゼロ名でした。

但し阿含宗の準会員まで範囲を広げると3名となります。
阿含宗には正規の会員信徒が家族等の為に御本尊様を頂く準会員制度があって、この時に亡くなった方は全員が準会員でした。正規会員の死者数はゼロ名。この地域の全員の安否確認をした結果です。
そうは言ってもゼロだと計算ができないので、このnoteでは3名として扱います。

幸い、当時の神戸の人口がわかる資料があったのと、阿含宗開祖が、当時神戸淡路地域の阿含宗会員信徒は1万数千名と書籍に記載しておりましたので、簡単に表を作成しました。

阪神淡路大震災の死亡者率

神戸、淡路の人口は、「国勢調査結果速報から見た 兵庫県の人口 兵庫県企画県民部ビジョン局統計課」という資料がググったらありましたので、ここから1995年の人口を記載しました。阪神淡路大震災の前後どちらの数字であるのか、ボクにはわかりませんが、概要がわかればOKです。
また当時の神戸、淡路地域の阿含宗会員は1万数千名ということですが、ざっと状況がわかれば良いので少なめに1万人としました。

当時、とある教団では檀家信徒が約600人も死亡しており、また他の複数の教団でも200~300を超える死亡者が出ていたらしい。当時のマスコミが、これらの数字を報道したのかどうか、ボクは知らないけど、意識の高いマスコミ記者はちゃんと把握していて、そのうちの誰かが、阿含宗開祖に凄いことを言ったらしい。

わたくしに、各大教団の死亡数を知らせてくれた或るマスコミ人は、わたくしにこう言って皮肉な笑いを浮かべたのである。
「こういう死者の数を見ると、宗教に入っていなかった人のほうが無事だったような気がしますね」
と。
わたくしは、なんと答えたら良いのか、一瞬、とまどったのだった。

阿含宗機関誌「ダルマチャクラ」 1995年4月号より

阿含宗開祖に向かって勇気ある発言をしているなあ、と思う。
まあ、でも熱心に活動していたと思われる会員信徒が普通に数百人単位で犠牲になっているという数字を見れば、宗教なんて意味ないよね?と言いたくなるのもわかる。

そして、このマスコミ記者からの指摘を受けて、阿含宗開祖は阿含宗の数字を出しました。
神仏の加護は存在するのだ、人々を救う力を持つ教団は存在するのだということを訴えるため、そして多くの人に気づいてもらって救われる側になって欲しいという願いからです。

阪神淡路大震災の阿含宗会員信徒の犠牲者は3名。本当はゼロであって欲しいのだけれども、この数字。
単純計算だけれども、死亡者率は「犠牲者数/地域の会員信徒数」の計算式で0.03%です。
表の通り、当時の神戸・淡路島の人口は約156万人で同じ計算式で死亡者率は約0.4%。
桁が一桁違う。

「神仏は存在しないし、よって神仏の加護も存在しない」という立場から、阿含宗の死亡者率0.03を用いて計算してみましょう。
とある大教団は約600人の死者が出たそうです。
ということは、計算式が「犠牲者数/地域の会員信徒数=0.03%」なのですから、数字を当てはめましょう。中学生の方程式で解けますね。

犠牲者数600 / x = 0.03%(つまり0.0003)
600 = 0.0003 * x
x =  600 / 0.0003
x =  200万

つまり、阿含宗の割合0.03%が標準値であるとするならば、600名が亡くなったという教団の神戸・淡路島の会員信徒数は約200万人いるはずで、念のため繰り返すと当時の神戸・淡路島の人口は約156万人です。
だから、そもそも根本的な何かがこの教団と阿含宗では異なっているということ、統計がわかる人なら母数の性質が異なるという言葉で理解できるはずです。

この違いを考えることが重要

加護の有無が違いを生む

この根本的な違い、母数の性質の違いを、ボクは神仏の加護の有無だと言いたいわけです。
神仏の加護のある教団と、加護が無い教団があると言っています。
もしかしたら加護が無いどころか、呪われてるとしか言いようのない数字の教団もあるかもしれない。

阪神淡路大震災の当時、「それぞれの教団の死者の多い少ないを論ずるのは無意味である」と堂々と述べた学者先生がいたらしい。

そんな馬鹿なことがあるものか、とボクは思う。
一生懸命に信心して、教団の活動に参加して、自分の人生をかけて、でも大災害に遭っても加護がなくて救われませんでした、テヘペロ❤
あなたは、それで良いのですか?
有意義で充実した人生を送りたい、家族もそうであってほしいと願うなら、災害の時に加護を得られない教団に属しているより、神仏の加護が得られる教団に属していたほうが良いと思うのが普通だと思う。

偶然このnoteをみかけて、なんとここまで読んでくれた方、神仏なんて存在しない、宗教なんて信じない、宗教はいずれなくなるものであると信じるスピ系の人たち、上記の数字を見ていただいた上で、せっかくなので、少し長いのですが当時の阿含宗開祖の文章を読んで、この観点について考えてくれたらありがたいと思います。

もちろん、宗教というものは、災害をまぬがれることだけが目的のものではない。しかし、それもまた重要な一つの要素であると、多くの人々は考えている。
だから、宗教を持たない人のほうが、かえって、災害に際して無事だったと聞いたら、宗教に疑問を持つ人が多く出てくるであろう。また、宗教を捨てる人も出てくるかもしれない。
本当にそうなのか?
宗教は心を救うことはできるが、災害から人を救うことはできないのか?災害に対しては無力なのか?
そんなことはないのである。
宗教とは、聖なるものと俗なるものとの両面を持つ。そのいずれをも救うのが宗教である。
俗なる願いであると捨て去り、聖なる面のみを説くのは、真の宗教ではない。俗なるものをも厭わず救うのが真の宗教である。聖俗併せ救うのである。
宗教者として、わたくしは、それをはっきりさせる義務があると思ったのだ。
信者にとって、熱心に信仰していながら災害に遭って不幸な死を遂げるということは、考えられないことなのである。もちろん、どんな信仰を持っていたって、避けられない災難があることはわかっている。しかし、わかっていながら、篤い信仰を持っているものが、災害に遭って簡単に命を落とすことにはつよい抵抗を感ずる。それが信者の心境である。
その死が、その信仰にとって意義のあるものならば、納得するであろう。たとえば、殉教者である。それならば、自分も周囲も納得して受け入れるであろう。しかし、その死がなんら意義のあるものではなく、たんなる不幸なものであるならば、首をかしげてしまうのである。
信者というものは、それほどの信頼と期待を、信仰の対象に寄せているのである。

1999年7の月が来る 桐山靖雄著
1995年4月に書かれた書籍です

整理すべきポイント

どこかの教団に所属している方の場合は、このような観点で整理してみましょう。

  • 阪神淡路大震災の時、阿含宗なる教団の正規会員の死者数はゼロだったそうだけど、自分が所属する教団の死者数はどれくらい?

  • 差があるとするならば、それはなぜ?

  • そもそも自分の属する教団の教義教学は災害から自分や家族が守られて幸せな人生を送ることができると教えている?

  • 自分の所属する教団が護持する神仏は、教団の会員信徒を災害から守るつもりはあるの?会員信徒を災害から守る力を持っているの?

  • 守るつもりも、守る力もあるというなら、この数字は何?

  • もし、信心が足りないから、というならば亡くなった方は、皆、いいかげんな人だった?

  • これらを整理した結果、自分は、これからどうあるべき?

いわゆる宗教二世、三世と呼ばれて悩んでいる方々は、阪神淡路大震災や東北の震災の時に、教団内部で公表された数字等を調べて、総合的に考えてみる機会を持つことも良いと思います。

数字を知りたいという方へ

当時の教団別の数字について調べたいという意欲のある人、裏付けを取りたい方、こちら(ボクだけでなく阿含宗自体も)は具体的な数字を持っていません。ですので、自力で当時の資料や数字を頑張って調べていただけますよう、お願い致します。

特に阪神淡路大震災の時に、最前線で取材にあたっていた記者さんは、もう定年を迎えている方がたくさんおられるかもしれない。ですから情報収集はお早めに!としかお答えできません。
宗教二世、三世の問題を精力的に記事にするのも良いけれど、「それって結局、個々人の家庭の問題でしょ?」で終わってしまう場合があります。
でも、こういう統計に基づいた公の数字をバーンと出すと、論理的、客観的な数字を見て考える人に届く場合があります。

阪神淡路大震災の当時に数字を出してまとめた記者が、どこかにいたのですから、これを読んだ熱心な記者さん、研究者さんにもできるはずです。ボクはこっそり期待しています。

最後に、東日本大震災の数字を記載しておきます。教団として公式な数字を出していないぽいのか、ボクが資料を発見できなかったので、口頭で聞いた概数のみです。
東北地方には、もちろん万を超える阿含宗会員信徒数がいると思います。
そして、東日本大震災について、阿含宗の正規会員信徒の死者はゼロ名、準会員が数名だったとのことです。


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