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縁結び戦略 - 【開封率第3位】2020年1月7日のニュースレター


お正月はゆっくりお過ごしになられたでしょうか。

私は普段から氏神様にお参りに行く習慣があるのですが、普段はひとがほとんどいない町の小さな神社も、初詣の時期は鳥居の外までお参りの人々が並んでいて、神様も人気者になって喜んでいる感じがして、こちらも嬉しくなってしまいます。

今は色々な神社で、縁結びのご利益を謳う所が増えました。

その総本山といえば出雲大社ですが
実は、出雲大社が縁結びの神様として有名になった裏には、マーケティング戦略があった、という記事です。

【本日のピックアップニュース】

「出雲大社はイメージ戦略のパイオニアなんです」
「最初に『縁結び』を始めたのも出雲大社です。他の神社はその真似をしているんですね」

出雲大社教の布教師でもあり、その教えを今に伝えている出雲大社・和貴講社講社長の酒井嚴貴さんがそう解説しています。

ことの発端は天正19年(1591年)、毛利輝元の朝鮮出兵に備え出雲大社の社領は大幅に削減されたこと。

大社は財政再建のために、全国に「御師(おし)」と呼ばれる中官級の神主を派遣し、御札を配り祈祷や講話などで収入を得ていたそうです。


「御師」は本来「御祈祷師」を略したものですが
後に神社の参詣の世話をする神職も指すようになり、
出雲大社はその後、源頼朝の御師も行ったくらいの大きな組織になりました。

その出雲の御師たちが全国で御札を売り歩くなか
「出雲大社は男女の縁をむすぶご利益がある」
と宣伝したのが、縁結びの神として知られる最初だったそうです。


もともと出雲には「神在月」の言い伝えがあり神様が相談をする内容には

・年の良し悪しき
・人事の吉事凶事
・五穀の豊凶
・雨降風吹
・世の中の治る乱る
があったのですが、その中にちゃっかり
・男女の縁結び
も入れて触れ回ったというふうに、既存のものをうまく活用したやり方で徐々に広めていったとのこと。


口コミマーケティングだけではなく、神様たちが話し合っているところを目撃した農民のその娘が結婚したという噂話と共に、その話し合いでは、
神々が役所のように御札に名前を書き赤い糸をつけて、御札と御札を結び合わせる作業をしている様子の絵を描き
(参考:https://auctions.afimg.jp/item_data/image/20151118/yahoo/g/g164556484.1.jpg

https://auctions.afimg.jp/item_data/image/20151118/yahoo/g/g164556484.1.jpg )
それを版画として流通させたりもしました。いまで言うマスマーケティングですね。

こうして、神々による婚活サービスを行っているようなイメージ戦略が功を奏し、出雲大社教の礎を築いた、第80代出雲国造の千家尊福氏により、大正時代には「古來結婚は出雲の大神之を主配し」と宣言されてしまったのでした。

結果的に出雲大社は縁結び戦略が大当たりし
人々が縁結びの祈願にやってきて、大繁盛しました。

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少子化が問題になっている現代だけではなく
江戸の昔から、結婚は人々の大きな願いの一つだったのですね。

仏教における「縁」は、仏教の根幹の考え方である「因縁」で使われるように、もともとの原因、といった意味合いですが、神道における縁は、教義でもないので普通に人々が使うように、繋がりや出会いといった意味で使われてきました。

そもそもの神道の成り立ちからして、八百万の神や神話、天皇、自然は
祖霊崇拝的で血の繋がりを感じさせるものですし、氏神様、産土神様も、その土地に繋がりのある神様という考え方です。

縁日でお祭りを開き人々の耳目を集めるのも
普段はお参りをしない人でも、神様と繋がりやすくするといった目的があります。


そして、神道の「縁」は「意図」です。
意識的であろうと無意識であろうと、誰かが意図しないとそこに縁は生まれません。

縁を大切にするということは意図を大切にすることになりますし
その意図が自分のものか相手のものかによらず、それを尊重することに繋がります。


縁を結ぶことが意図を結ぶことなのであれば、
赤くても白くても何色のいとであろうとも
その願いはきっと尊重されていつか自分の現実としてやってくる、
そんなふうなからくりになっているように感じます。


今年、大切に結びたい縁は
どんな縁でしょうか。

そのいとが、純粋に強く
誰かに届きますように。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

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