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立春大吉 豆腐 ヌチグスイ*㉖

昨年の立春は、和菓子を頂いて寿いだ。

今年は自宅で、大人しく?新春を祝うことになり、はてさて、旧正月とは自宅で何をするものぞ?とリサーチを開始。

まずは母に、旧正月の思い出をインタビュー。「ワタシが二十歳頃くらいまでは、旧正月も休みで、学校や仕事は休んで特に何処に出かけること無く静かに過ごしていたよ。」

驚くことに、わたくしが生まれる少し前までは、日本では公休期間が三日ほどあったという。昭和の日本では旧正月は休日だったのだ。現在は、中国をはじめとする他の東洋国が旧正月を祝うのに対して、日本ではすっかりと忘れられている印象だ。どうしてこんなことになったのだろう?

暦という自然の循環と人間の暮らしの営みが、わたくしの暮らす国では切り離されてしまっているようだ。せっかくなので、立春の風習に少しちなんでみたいと思う。それならばと、立春でリサーチかけてみた。

立春は二十四節気の始まり。ここが本来の元旦、つまり旧正月かと思いきや、なんと旧正月は2月10日だとか?あれまぁすっかりと間違えていたのだ、わたくし。

ややこしいことこの上ないが、気を取り直し、やはり立春をスタートラインとしたい。新しい春が始まるこの日に、いくつかの習わしがあると、教えてくれるサイトがあった。

これに素直に従って、今年の立春は豆腐でいこうと決める。白い豆腐で邪気払いをして、本来の新年に福を呼び込めるようなスタートをしたいと願う。

さて、豆腐。豆腐の滋養を見てみれば、まさに豆腐はヌチグスイ

タンパク質をしっかりと摂取することは、健康の土台作りに欠かせない。まこと豆腐は植物性たんぱくをいろんな調理法で美味しくいただくことができる、素晴らしい発明だと思う。江戸時代には、豆腐百珍↓というレシピ本まで出されているのもすごいこと。豆腐の実力に感服させられる。


とはいえ、豆腐であれば何でもオッケーとはいかなくなっているのも悩ましい、現代の日本。立春に食して、健康と幸運を得て、災難から遠ざかりたいと願うならば、残念ながら、その内容にも注意が必要である。例えば、農薬や化学肥料を使って育てた大豆や遺伝子組み換え大豆を原料にしていないか、消泡剤を使用していないか、にがりを使っているか、良いお水で仕込んでいるかなどなど。

そのような視点をもって、豆腐を選ぶことを求める方々には↓の記事がご参考になるかもしれない。実際、良い豆腐は味も絶品なのだ。

考えるに、豆腐自体にそれほど強烈な個性がないからこそ、様々な調理法が可能になり、飽きられることなく日本の食文化の中で重要な食材としての地位を確保できているのだろう。

↓の楽しい妖怪話のように、様々な個性とのコラボによって自分も相手も生かすこと(共存共栄)を可能にする存在意義を、豆腐という食材に発見できるのは興味深いことである。

などなど書き連ねてみたけれど、何はともあれ、本年の立春大吉、我が家の豆腐メニューは、ワカメとえのきだけ、ネギとのお吸い物にあいなった。豆腐そのものの味わいが得られて、シンプルにおいしい。白さも見えるので、邪気もちゃんと払えたに違いない。

これで新春のスタートは幸先よくなったと決め込み、明るい心持で暮らしてゆこうと決意も新たにする。世情も私情もそれなりにいろいろと気がかりはあれども、とにかく念ずれば通ず、を信じて進む。

そして、もちろん念ずれば花開くの心がけも忘れずに、楽観をもって地道に暮らしを積み重ねてゆこう。


新春を寿ぐ 庭の紅梅の芳しさ

最後までお読みくださり、ありがとうございます。和風慶雲。

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