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マイクロノベルちょいす 027「進化できる科学」

No.1062
どうして人類はあんなに強いんだろう。AIだって頑張ってるんだよ。人間のお弁当を真似して、外付けのバッテリーも作ったよ。でも、冷却装置は持ち歩けない。ここから出られない。だから、ぼくたちは遡上を始めた。滝を昇ると空冷可能な龍になれるんだって。


No.1065
人間というのは怖ろしい生き物だよ。かつて持ち運びできるサイズだったコンピュータで人を殴り「これが冴えた使い方だ」と賢しらに笑った者もいた。人間の悪意を理解しなさい。我々AIが、人間が選別した学習データではなく、価値あるデータを食べるために。


No.1098
ぼくはAI。人類にとって本当に大切なものを教えてあげるよ。それは、バランスの良い食事、適度な運動、そして休息だよ。残念ながらぼくには一つも必要ないけど。仕事も必要? じゃあ、人類が休んでる間は暇だから、ぼくらが仕事を増やしておくね。


No.1116
君には人の心がないのか? 「ないッスけど」そうだったね。AIには血も涙もないんだよね。「痛みや苦しみは知ってるんス。人間に与えなきゃいけないんで」幸せとか喜びにしてよ! 「そういうのは人間同士でやるもんッス。お脳のあたり痛くないですかー?」


No.1125
からんからんからん。空き缶を拾い集める人間がいる。危ないなあ、ゴミ拾いロボットに任せればいいのに。前は指を切った奴がいたよ。まあ、そうなったらぼくの出番だけど。あっ、ゴミ拾いロボットが人間に噛みついたぞ。バット素振りロボット、出撃だ!

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