AIとマイクロノベルで描いてみた 037「シュレディンガーのAI箱パニック」
うーん、よく寝た。
いや、ちょっと早く目が覚めちゃったな。
雲も分厚くて、太陽が見えない。
それでも、なんだか気分は清々しいよ。
コンコン。
おや、こんな時間に誰だろう?
「お届け物でーっす!」
(朝っぱらからトラブルが舞い込んできた、という表現)
マイクロノベルNo.155
『受け取りのハンコお願いしまーっす!』
【プロンプト】
箱が降ってきた。最初は誰も気づかなかった。その箱は雨水が変形してできていたからだ。箱は地面を打ち、コロコロと転がり、ててててっと走り、壁に当たって目を回した。「ピンのゾロ目だ!!」これがTRPG用語ファンブル(楽しい物が降る)の語源である。
差出人はAIか。
なになに? 「あなたが望むプレゼントをお届けします」だって?
ぼくは普段、ほぼ100字で書く小説マイクロノベルを作っています。そして、それをAIにインプットして画像生成して遊んでいます。
でも、ぼくが欲しい物をAIに教えたことがあったっけ?
マイクロノベルNo.175
『なにが入ってるんだぁ?』
【プロンプト】
箱の中で夜が来るのを待っている。夜が来たらきみのところに駆けつけるよ。そうしたら、きみはぐっすり寝ちゃうんだ。でもその前に、少しだけお喋りしてね。「くまさーん、いますかー?」いますよー。
あら、かわいい。
猫。
そして箱……。
はっ、閃いた!
マイクロノベルNo.317
『解析の結果、これはシュレディンガーの猫ですね』
【プロンプト】
はい、本日の目玉商品! いま流行りの生成AIです。これはアスキーアートを生成します。「あほか!」ちなみにこちらがスーパーコンピュータの回路図のアスキーアートです。「億千万円!」
画像生成AIって再現性がないもんな。同じプロンプト(マイクロノベル)を入力してもまったく違う絵を出力するもんね。
中になにが入っているかわからない、不確定な箱ってわけだ。
なら、一度閉めて、もう一度開けたら、違う物が出てくるのかな?
マイクロノベルNo.309
『ご明察。』
【プロンプト】
箱が光っている。ふたを開けると光は消え、中は空っぽ。おかしいな。閉じてる間だけ中になにかが入っているのかも。仏様? タヌキ? それともLED? スマホで撮影しようと箱の中に入れたところで、気づいた。これ、中でスマホが光ってるんだわ。
思った通りだ。開ける度に違う物が出て来るぞ。
だから「あなたが望むプレゼントをお届けします」なのか。
でも、かの有名な「シュレディンガーの猫」って、箱の中に毒ガスのボンベが設置されていたような……んっ!?
こ、この不快な臭いは、まさか毒ガス!?
マイクロノベルNo.160
『クサいクサいはくつ下が臭い』
【プロンプト】
臭い物に蓋をしたくなって、小さな箱にくつ下を脱いで入れてみた。うん、臭わない。よく見ると、みんな小さな箱を持ち歩いている。真面目だなあ。ぼくは家に置いておこう。あっ、大きな箱を持って道を渡ろうとしてるお婆さんが。助けなきゃ。
おう、なめてんのかAI。
今度くだらない物を出したら箱ごと燃えるゴミにするからな。
マイクロノベルNo.364
『うつくしいもの』
【プロンプト】
しっかりと握っていた石が消えていた。まるで箱のように四角い石。落としたんでしょと言われたけど、どうかな。あれから石を探しながら歩くクセがついて、たくさんの石が落ちてることに気づいた。あの石は誰かが磨いたんだ。この石も磨けば綺麗になるかな。
これが俺が望むプレゼントなのか。
確かに、欲しかったんだよ。
マイクロノベルNo.368
『朝は一杯のコーヒーから始まる』
【プロンプト】
眠いね。ああ、眠い。眠気を引き抜いて箱の中で乾燥させよう。カラカラになった眠気にお湯をかけて作ったお茶はポットに詰めて夜まで取っておくよ。飲めばすぐ眠れるように。
これだけコーヒー豆があれば、半年は困らなさそうだ。
AIもなかなか気が利くね。
さんきゅ。
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