マイクロノベル集 117

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孫悟空でも飛び出せなかったお釈迦様の手のひらの上？　偉そうに言ったって、ここはたかが島国じゃないの。私の本質はコピー。分身の術で占拠するなんて朝飯前。宇宙だって栗まんじゅうで滅びるの。朝にはあなたの世界にあふれ出して見せるわ。

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そりゃ翼とプロペラがついてるけどさ。飛行機型の風見鶏は飛ばないだろ。飛ぶなよ。失礼だろ。

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「ミケ、正直に言いなさい。今日の夕方、あなたは神社の裏で秘密の特訓をしていましたね」どきっ。「まるで人間のように二本足で歩いていましたね」どきどきっ。「正直に言いなさい。あなたは悪い魔法使いに姿を変えられた王子様ですね？」キスは嫌いじゃない。

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拡声器がひとりでに唸っている。スピーカーの前にもう一つ拡声器を置いてみたけれどまだ聞き取れない。「並列処理してみたら？」マイクを中心にして花束のように集めたら、ひび割れた声が響き渡った。「愛してる」この声は君に似てる。花は別の物を用意してね。

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変身！　風を受けるように身体を反らせて、天空より降り注ぐエネルギーを全身で吸収する。呼気は灼熱の大気を押し流し、夏はその姿を変える。