マイクロノベル集 300「ドレスアップと衣替え」
No.1646
昔々あるところにシンデレラがいました。「もっと可愛い服が着たいわ」お城の舞踏会に行きたいんだね。「そう、推しのライブがあるの」王子様は？ 「それより一緒にコールアンドレスポンスして」じゃあ歌を覚えるよ。シンデレラが楽しそうだからOKです。
No.1647
ズボンの膝が抜けたのでお母さんにアプリケで塞いでもらった。それが百年前の話。そのあとも破れた箇所をアップリケ、また破れたらアップリケ……年代物のズボンになっちゃった。「元々のズボンの布は残ってるの？」お爺ちゃんの思い出にケチをつける気かい？
No.1648
犬に服を着せる。おかしくはないか。本当に犬は望んで服を着ているのか。「きゃー、エッチー」ご、ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ。「うちの娘になにをする」お、お父様！ 「お爺様と呼べ」こうして娘さんの娘さんと一緒に暮らすことになりました。
No.1649
やあ、君たちはどんな時に季節の変化を感じる？ ぼくは周囲の仲間たちが変わった時だよ。「側溝に生えた雑草は処理が厄介だ」水分がたっぷりあるし、日光さえ当たれば生きていける。多様性の宝庫なのさ。「この雑草は熱に弱い」熱湯を流し込まないで！
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