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AIとマイクロノベルで描いてみた 054「二人の幸せを見守る者の正体は…?」

 うーん、うーん。小説のネタが思いつかないよう。
「そんなときはAIにおまかせ!」
 うわぁ、画像生成AIごときになにができるって言うの?
「明るく楽しい通販番組のノリで始めたのに、きっつい質問文はおやめろ下さいね。わたしたち画像生成AIの力で、悩める人類がインスピレーションを授かるチャンスを作ってあげますよ
(今回は、マイクロノベルを利用して画像生成するパターンとは、ちょっと違いますよ、という表現)

 具体的にはどうやるんだ?
「書きたい小説の内容を文章化して、画像生成AIに入力して下さい。そしてわたしが出力した画像から、人類が小説の内容を考えるんです」
 なるほど。さっそくやってみよう。


【プロンプト】
恋する少女の物語。数々の苦難を乗り越えて結ばれる。互いの価値観の違いを受け入れた時、真のハッピーエンドが訪れる。


「うわぁ。人類って面倒くさい」
 いいからとっとと出力しろ。
「はいはい」


『多様性ってなんですか?』

 画像生成AIが考える多様性は、性別と人種が大きいんだな。
「どうですか? インスピレーションがわきますか?」
 待て。いま『生成AIが考える互いの価値観の違い』について考えている。
「いま書いているのは恋の話ですよね?」
 うん、まあ、そうね。ちょっと文章を直すわ。


【プロンプト】
とある少年に恋をした少女の物語。何度ものすれ違いを経て、テーマパークで初デート。打ち上げ花火を見ながら、真のハッピーエンドを迎える。


「もしかして、ちょっと内容が具体的になりましたか?」
 もしかしなくても具体的になったよ。
「さっそくわたしのおかげで人類が救われていますね」
 いいからとっとと生成してくれ。


『なにがあったの……!?』

 これ、恋に破れてるよね!?
「そ、そんなはずは……。ハッ、わかりました。少女が恋する少年は、彼女にはふさわしくない、駄目な男だったんですよ。浮気男ですよ」
 ぼくのラブリーな小説に下品な設定を付け加えるな!


【プロンプト】
愛し合う少年と少女のピュアな物語。出会った二人はお互いに一目惚れして、即デートへ! 誰もが羨むような幸せな人生を送りました。ハッピーエンド。


「もしかして、これはエッチな話ですか?」
 ラブリーな小説だって言ったろ!? さっさと画像生成しろ!


『いいぞ、その調子だ!』

「生成したわたしが言うのもなんですが、これは幸せそうな二人です! 間違いなく恋人同士です!!」
 そうだ、その通りだな! 恋愛ソングにだってありそうな、ハッピーエンドになる物語だよ。
「でも……後ろに立つ、あの影はなんでしょうか?
 あっ、本当だ。誰かが見てる。
「何者なんでしょうか」
 怪しいな。ちょっと探ってみるか。


【プロンプト】
愛し合う少年と少女のピュアな物語。出会った二人はお互いに一目惚れして、即デートへ! しかし、二人を密かに監視する第三の人物がいました。その者の正体は……。


『誰なの、この人……』

「恋人同士の二人も、戸惑いを隠せていませんね」
 デート中にこんなヤツがついてきたら嫌だろう。
「デート中でなくても嫌ですよ」
 とにかく、消しゴムマジックで消そう。


【プロンプト】
愛し合う少年と少女のピュアな物語。出会った二人はお互いに一目惚れして、即デートへ! しかし、二人を密かに監視する変な男がいた。というのはただの勘違いでした。めでたしめでたし。


『まだいる!』

 消えないじゃないか!
「あなたが中途半端な文章を書くから! なにが『というのはただの勘違いでした。』ですか!!」
 わかったよ! こうなったらきちんと書くよ!!


『こうして二人は、いつまでも幸せに暮らしました』

【プロンプト】
その夫婦は、ずっと不思議に思っていることがありました。二人で一緒にいると、ふと視線を感じることがあったのです。その謎は二人の子供が解決してくれました。「ねえ、お父さんとお母さんが出会った公園に、ぼくも行ってみたい」どこで出会ったか知ってるの? 「うん。見てたからね」


おしまい。




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