ヒトは、無力感で容易く死ぬ
好奇心は人を殺す。よく言われる言葉だ。そして自分は表題の言葉も掲げてみたい。
ここの文面を、誰かの役に立てようとは思っていない。ただ、自分と同じように誰かに下に見られ、あるものを発揮できず、ただただ燻るばかりの者に。『俺と同じにならんでくれ』と書いたものは少しだけある。
正直今さっき唐突に思いついたワードだ。だが、無力感、無力。それは確実に人を殺し得る。どんな時でも希望を持っていた人間を殺し得る。無力感とは絶望と相互に在るからだ。
夢と希望とは、パラダイスである。お天道様がきちんと見ていて、努力が正しく反映されて。余程でない限り、誰かが何処かに生きる道を見出だせる世界。これを楽園と言わずして、なにが楽園か。嗚呼、ユートピアは二次元だった——!
……翻って現実を見る。正直言えば辛いものだ。世間を味方とみなせる人間は必然、ユートピアに近い生き方ができる。一方、無力感に倦んだ人間は? 堕ちる。ひねくれる。苛まれる。歪む。鈍る。喘ぐ。この世が、生き地獄と化す。それでも良識は。世間は。地獄を生きろと呼び掛ける。それが不条理とも、酷薄な行為とも感じることなく。
生き地獄から抜けるには、覚悟がいる。学習してきた無力感に抗い、現状維持を促す内側の訴えを振り切り、震えながらも、怯えながらも、立って進まなければならない。それはまるで、絶望の淵でも立ち上がる、漫画の主人公に似て。
正直な話をしよう。漫画ではいとも容易く行われる立ち上がるという行為すら。現実に打ちひしがれた人間には幾つものプロセスを経た難行となる。
だから自分には『さあ、主人公になろう』とか、そういう軽いセリフを吐ける気はしない。なぜなら、己もまた、その途中だからだ。
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