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句を読む―糠床といういきもの

サングラス取り糠床にひざまづく

西山ゆりこ『ゴールデンウイーク』

夏休みの旅行から帰ってきたところだろうか。「サングラス」の語が伝える、ちょっと浮かれた気分。楽しい夏の旅行、海、太陽、常夏の島…
バカンスの空気を引き連れたまま帰宅し、サングラスをとる。台所にひざまずいて床下の扉を開くと、留守番していた糠床が顔を出す。

糠床は生き物だから毎日1度は混ぜなければならない、と思っていたけれど、現代は冷蔵庫があるから3~4日に1度程度でもいいらしい。
それでも常温で毎日かきまぜて作った糠漬けは、冷蔵庫を使ったものとは味が違うのだそうだ。食べ比べてみたいなぁ。

NHKの番組で味噌づくりを見ていたら、最近は消毒をするから手のひらにいい菌がいなくて味噌が美味しくならない、という話があった。
子どもの手のひらの常在菌は元気だから美味しくなるとも。
あと、どこかで「縫物をする人は糠漬けできない(手に細かな傷があるからすごく沁みる」というのも聞いた。私たちの生活と、菌がまじりあっているなぁ、と思う。

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現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなかったときは私が読んでいるアンソロジー本のリンクにしていますので、こちらもご覧ください。


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