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句を読む(鑑賞)

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現代俳句から気に入った句の鑑賞文をぽつぽつ書いています。しっかりした感想文というより、ひとりごとや連想ゲームのような感じ。
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#夏

句を読む―夏が終わる

「秋立つ」、つまり立秋はもちろん秋の季語。 けれど実際には8月8日くらいだから、まだまだ暑…

和代
1年前
15

句を読む―確かにあった瞬間

家族なのか、恋人同士なのか…とにかく関係性が好きな句だ。だじゃれを互いに言い合って、じゃ…

和代
1年前
7

句を読む―決意を乗せて

夏の朝、霧が立ち込めるなかを馬車がことことと進む。 馬車だし、「とっとことっとこ」くらい…

和代
1年前
5

句を読む―糠床といういきもの

夏休みの旅行から帰ってきたところだろうか。「サングラス」の語が伝える、ちょっと浮かれた気…

和代
1年前
7

句を読む―「ちょろちょろせんと!」

ちょろちょろっと駆け回る子どもに、ぎゅむっと「夏帽」をかぶせる。運動帽だろうか、麦わら帽…

和代
1年前
9

句を読む―淡々と受け継ぐ

「さく」という響きがいい。実感がある。 「土用の丑の日」はニュースでも取り上げられるけれ…

和代
1年前
12

句を読む―薄いはなびら

朝顔の、薄いはなびらを思う。ほかの花より、ずいぶん薄いイメージがある。チューリップとかガーベラとか、もっと厚みがあるんじゃないだろうか。 そんな薄いはなびらが夏の朝、力を合わせて空を支えている。儚いけれど、確かにそこにあったもの。夏の一瞬のきらめきとリンクする。 *** 現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。 Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなか

句を読む―夏の創造主

「大地」という広大なイメージから連想すると、「門」も巨大なものなのだろう。目の前の「門」…

和代
1年前
6

句を読む―白をみつめる

極北に暮らすイヌイットの人たちは、私たちの何倍もの「白」を表す言葉をもつという。寒さの厳…

和代
1年前
3

句を読む―あなたは今日から私の家族

縁日から帰る道すがら、これから家族になる金魚に家路をよく見せていく。 ここがたばこ屋さん…

和代
1年前
4

句を読む―恋のはじまり

どうも、私はあの人に好かれはじめているらしい。あの人の目の動きや笑い方、まとう空気から好…

和代
1年前
3

句を読む―ちょうどよい酔い方

カクテルでもウィスキーでもないところがリアルだ。カクテルだったら自分に酔いすぎだし、ウィ…

和代
1年前
6

句を読む―幼馴染の五月

よくある恋愛漫画のシチュエーションで、幼馴染の男女が徐々に互いを異性として意識し始め…と…

和代
1年前
5

句を読む―ひとつひとつの花を

福田若之の俳句。 ああ、そうやなぁ…と思いました。 あじさいに触れることで、ひとつひとつの花を認識する。目で見たときの、花が集まってひとつの球状になったあじさいではなくて、花のひとつひとつを触れて、知る。 すごく納得した。 *** 現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。 Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなかったときは私が読んでいるアンソロジー本の