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データと実感から視るナチュラルワイン

何かと目にする機会の多くなったナチュラルワイン。専門のワインショップやワインバーも多くなってきていますが、ワイン販売全体でみるとまだまだニッチな市場です。

ナチュラルワインは全世界的に共通した公的な定義づけが行われていないため、厳密な意味で「ナチュラルワインはこういうもの」ということができないワインカテゴリーでもあります。またこうした状況は各国や各地域で造られるナチュラルワインがそれぞれ異なったものになる原因にもなっています。

現在地のわかりにくいナチュラルワインの状況を、2021年にドイツで行われた調査が部分的にではありつつも明らかにさせました。

その調査結果からは、このワインの販売が従来とはかなり異なる方法や対象に対して行われているほか、ナチュラルワインに対する定義が造り手ごとに幅があり、その結果造り方にも大きな差が出ている現状が浮き彫りにされました。

調査結果の概要は次の記事にまとめています。

ナチュラルワインの現在地

この記事では調査結果の内容をさらに詳しく見ていきます。

この記事はオンラインサークル「醸造家の視ているワインの世界を覗く部」に投稿された記事の内容を一部再編集したものとなります
#サークル記事

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ドイツのワイナリーで現役の栽培・醸造責任者としてワイン造りに関わっているNagiが見ている視界や考えていること、ワイン造りのための技術などを発信していきます。 公開されている記事にだけ興味のある方はサークルに加入することなく、それらの記事をご覧いただけます。

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