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ワイナリーの四方山話|畑作業と仕事の効率

ワイナリーで栽培と醸造の両方に関わっていると、なんだかんだといって年間を通してまとめて休めるタイミングというものがありません。年明けはブドウの枝の剪定と共にはじまり、夏までは常に畑でブドウの世話をして過ごします。8月頃になって防除が終わると畑での作業も一段落しますが、そこからは収穫に向けた準備にはいります。準備が終われば収穫。それからは怒涛の醸造期間に突入です。そして一連の醸造作業が落ち着く頃には再び剪定作業がはじまります。

こうした作業の途中にはボトリングやそのためのワインや資材の準備などといった細かい作業がはいってきます。気がつけば一年は本当にあっという間。長期で休暇をとるためにはどこかしらの作業から抜けるしかありません。

とはいえ、我々の手帳がびっしりと予定で埋まっているのかといえば、そんなことはありません。むしろ大概の場合、予定表はところどころに記入があるだけであとは真っ白です。仮に予定表だけをもとに長期休暇の話をしたら、いつでも休みが取り放題のようにさえ思えるかもしれません。ならなぜ我々に休みを取れるタイミングがないのでしょうか。それほどまでに仕事の効率が悪いのでしょうか。案外、その指摘は間違いではないかもしれません。

「ワイナリーの四方山話」はドイツのワイナリーの醸造責任者として勤務するNagiが日々の仕事のなかで感じたり考えたりしたことを時に長文、時に短文で簡潔に書くシリーズです。理論的な解説や学術的をともなう難解なアプローチはせず、気楽に読んでいただける内容となっています。
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