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ワイナリーの四方山話|ワイナリーで働く顔ぶれと醸造責任者の在り方

2023年の収穫が終わりました。9月の頭から始まり、10月の半ばまでと通算40日ほどかけての長い収穫期間となりました。この間で収穫をしなかった日は2、3日ほどでしたから醸造所内では40日間ほとんど毎日、搬入されてくるブドウに半ば翻弄されながらも朝から深夜まで休みなく作業を続ける日々でした。

そんな毎日でしたので従業員にかかる負担も決して小さくはありません。長い労働時間、少ない睡眠時間、疲れていようが関係なくすべてに厳密さを要求される細かい作業の数々。普段はなかなか受けない類のストレスを受け、醸造チームの面々も日々疲弊していくのが目で見てわかるほどでした。

そんなある意味での非日常的な環境の中にいると、普段はなかなか見えてこない個人の性質も見えてくるものです。現場を統括し、仕事を振り、すべての作業を日々的確に完結させていくことが求められている立場にいると、こうした個人の普段は見えない面の見極めは仕事の遂行上、重要なポイントです。そうした人間観察を通してワイナリーで働く面々の違いを改めて確認しつつ、そんな中で醸造責任者に求められる在り方とはどのようなものだろうかと考えていました。今回はそんな四方山話です。

「ワイナリーの四方山話」はドイツのワイナリーの醸造責任者として勤務するNagiが日々の仕事のなかで感じたり考えたりしたことを時に長文、時に短文で簡潔に書くシリーズです。理論的な解説や学術的をともなう難解なアプローチはせず、気楽に読んでいただける内容となっています。
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