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インフルエンサーマーケティングだけに頼るのは危険です。

ここ2〜3年、インフルエンサーマーケティング、流行ってますね。

インフルエンサー(その業界で影響力を与える人物)にSNSなどで商品を紹介してもらうことを依頼して知名度や売上を伸ばそうとすることですね。インスタなんかでモデルさんが化粧品を紹介したりしている、アレです。

最初に言っておきますと、私自身はインフルエンサーマーケティング自体が悪いとはまったく思っていません。商品との相性が良いのであれば、積極的に活用するのもアリだと思っています。

しかし、インフルエンサーマーケティングには落とし穴がありまして。

以前ご相談を受けたお客様にこんな方がいらっしゃいました。詳しくは書きませんが、飲食店のオーナーさんです。

飲:「来店客を増やしたいんです」

私:「○○○○(飲食店口コミサイト)のページ見せてください。あ、レビュー1件もありませんね。まずは常連さんやお友達に書いていただいてはいかがでしょう」

飲:「素人のレビューはいらないんです。ランクの高いレビュアーでないと点数への影響が低いので。だからランクの高いレビュアーに依頼します」

私:(「素人」って…)「そうですか…では、Webサイトを見せてください。あ、料理の写真が1つもないですね。メインビジュアルに料理の写真を入れた方がお客様はわかりやすいのでは」

飲:「一流の飲食店は料理の写真なんか出さないんです。価値のわかるお客様は写真なんかなくてもわかってくれるんです」

私:(次第にテンション下がる)「はあ…このあたりは一戸建てが多いですけど、ポスティングは試されましたか?私も近くに良いお店ができたりするとチラシを冷蔵庫に貼ったり…

あ、まずいこと言ったらしい。硬直する飲食店オーナーの顔。

飲:「うちのお客様には冷蔵庫にチラシを貼るような人はいません…!そんなレベルの低い人はうちのお客様ではありません」

…私も毎日色々なご相談を受けていますが、人対人のことですから、ご相談者との相性はあります。この飲食店オーナーさんとは(当然ながら)それっきりになってしまいました。

1年後、そのお店の前を通ると、閉店されていました。

どのような経緯があったのか気になってインターネットで調べてみて、驚きました。

○○○○(飲食店口コミサイト)の評価は5段階評価で3.8。トップレビュアーがお料理の味やサービスを褒めちぎっています。若干一般のレビュアーのコメントもあり、そちらが点数を下げているようです。

そして、Googleの評価。5段階評価で1.8でした…。さんざん(主に味以外の面で)酷評された後、「なぜ○○○○で高評価なのかわからない」というコメントも。それぐらい、落差が際立っていたのです。

インターネット上には、複数の口コミサイトがあります。インフルエンサーにお願いして、それらの評価をすべて上げるのは、小規模な事業者には不可能です。

結論としては、まずはお店に来てくれるお客様を大切にし、誠実に対応する。さらに上を目指すならインフルエンサーの力を借りる。という順序が正しく、順序を間違えると一気に信頼を失うのだと思います。

いかにインターネットの時代になっても、自営業は信頼商売。私もそれを肝に銘じて、お客様の悩みに真摯に対応していきたいものです。

ちなみに、ご相談があった飲食店のディナーの単価は6,000円
私のような冷蔵庫にチラシを貼るようなレベルの低い人間(笑)でも、
ちょっとした日に行ける金額でした。

さらに言うと、その店があった場所は自宅から徒歩2〜3分
近所に住んでる美味しいもの好きな女性自営業者なんて、
絶好の見込み客だったのに、残念!

ということで、インフルエンサーマーケティングだけに頼るのは危険ですよ!という話でした。

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