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映画『めがね』を観て

あまりに酷暑が辛いので
何も考えずに観られて美しい景色が舞台の映画が観たくなり
何度も観た映画『めがね』を久しぶりに観てみました。

『かもめ食堂』の荻上直子監督の映画です。
かもめ食堂とスタッフ、キャストもほとんど同じでよく一緒に出演することの多い、小林聡美、もたいまさこ、光石研達が共演しています。


あらすじ

あらすじ・ストーリー タエコは南の海辺にある小さな宿ハマダに滞在することに決めた。しかし、ハマダの人々はタエコのことも気にせず、驚くほどマイペースに毎日を過ごす。そこでタエコは同じ町のペンションに移ることにしたのだが……

映画ナタリーより

あらすじといっても
ほとんどストーリーらしいストーリーはありません…💧
意味深な人々のやりとりも色んな解釈をすることはできますが、特に意味付けをせずにのんびりと観る映画かと思います🌿
劇的な展開や人間ドラマを求めて観ると
あまりに何も起きないので驚くかと💧

リラックス動画の様な感覚でなんとなく流しておくと心地良いというような映画なので何度となく今まで観ました👓
小林聡美ともたいまさこのコンビの映画は
そういう雰囲気の映画が多い様に思います🏖️

『かもめ食堂』も監修されたフードスタイリスト
の飯島奈美さんが『めがね』の食事も携わって
いるため食事のシーンがとても美味しそうで素敵です😋

とても美味しそうなシーンがたくさん出てきます

あえて意味を求めずに観た方が楽しめる映画だと
私は思っていますが、劇中意味深な人々の言動があるので色々な解釈も出来るかと思います。 

途中でメルシー体操なる不可思議な体操が
出てくるところが私は好きです🤭

なんだか気持ちも上がるので
最近はラジオ体操とセットで朝やってから
出勤するようにしています😂

めがねが外れるということ

基本的に登場人物がみんな
めがねをしているのですが
物語終盤で主人公の小林聡美のめがねが
初めて飛んでいくシーンがあります👓

それに対しては色んな解釈があってよいと
思いますが、

私も今年はある意味
同じ体験をしているなと
『めがね』を観て初めて思いました。

とても逆説的ではありますが
私は今年うつ病になって色んなことが出来なくなり、心身共に慢性的に辛い状態を日々経験してからこそ、生きているなという実感を感じています。
それにはもちろん異論もあると思います。

ただ我ながら不思議なことに
うつ病になってからの方が主観的には
日々を丁寧に全力で生きている感覚があります。
もちろん楽ではありません。はやくこんなことは
終わってほしいです。

ただ、映画『生きる』にも近い感覚なのか
日々死を当たり前に身近に感じることで
皮肉にも生きている実感は元気だった頃よりもある気さえしています。

それがいいこととは思いませんが、生と死の
狭間で生きている感覚だからかもしれません。

心身が元気だった時には
なんとなく見ていた世界
それが見事に吹き飛ばされた。
それが私にとってのめがねが飛ばされたということです👓

製作者側の本当の意図はわかりませんが
映画『めがね』を
黄泉の国の話だと解釈されている方もいて
たしかにそうとらえることも出来るので
非常に面白いなと思いました。

明るいのか暗いのか
意味があるのかないのか
そんな不思議な映画『めがね』はおすすめです👓

途中で加瀬亮がドイツ語でいきなり詩を言い始めるシーンがあるのですが(しかも誰もそのことに触れず、訳も出ない…)

レビューを書いてる方のおかげで訳を知りましたが


何が自由か知っている



道はまっすぐあるきなさい

深い海には近づかないで



そんなあなたの言葉を置いてきた

月はどんな道にも光をそそぐ

暗闇に泳ぐ魚たちは宝石のよう



ぐうぜんニンゲンと呼ばれてここにいる私

何を恐れていたのか 何と戦ってきたのか



そろそろ持ちきれなくなった荷物をおろす頃



もっとチカラを やさしくなるためのチカラを



何が自由か知っている

何が自由か知っている

amebloより

私にとって何がおろすべき荷物で
何が自由なのでしょうか

自分のめがねが飛ばされて
たしかに
今はわかる気がします

とても不思議な魅力的な映画です
小林聡美ともたいまさこが共演の
似た雰囲気の映画には
『マザーウォーター』『プール』
などもありそちらも不思議で魅力的な映画です


誰もがいつか海へ向かう…

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