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世の中を舐め切っていた

学校では、誰とも一言も話さない。
声を出して教科書を読んだことも
歌を唄ったことも
はい!と返事をしたことも
キャハハと声を出して笑ったことも、無かった。
そんなんでよく学校生活が送れたなと感心する。

小学校低学年なら授業中は先生の話をじっと聞いていれば
取り敢えず、テストで100点は取れる。
優しい子が「なぎちゃん、一緒に遊ぼう」と声をかけてくれる。

喋らない大人しくて変わった子どもだったから
変な意味で目立っていて、誰かしらが気にかけて助けてくれた。

全く喋らなくても、周りが構ってくれるから
私は喋らなくてもいいんだ、頑張らなくても、みんなが助けてくれる。
今、思えば、自分から誰かに話しかける努力もしないただの怠け者。
周りの友だちに恵まれていただけで、自分の力ではないのに
いつからか、当たり前のように感じていた。
ありがとう、と感謝の気持ちすら忘れていた。
とんでもない子どもだったと思う。
小学生にして、世の中を舐め切っていたんだな。。。

全く喋らなくても何とかやり過ごせた。
でも、それが通用したのは小学校4年生くらいまで。

喋らない生活が一変したのは、5年生のときだった。

新しい担任の先生は40代後半くらいの女性の先生。
いつもすっぴんで、銀縁の眼鏡に腰まである長い髪を後ろでひっつめて
ジャージ姿という化粧っ気もお洒落も全く興味が無さそうな姿。
ちゃきちゃきした話し方とせっかちな性格でのんびり屋の私とは正反対。
絶対に、この先生と合わない。
絶対に、きつく当たられる。
隣のクラスの若い女性の先生なら良かったのに。。。
もう、新学期の始業式から憂鬱だった。

嫌な予感は的中してしまったんだ。。。







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