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鏡には可愛い女の子

私が通っていた幼稚園は卒園アルバムが無かった。
集合写真や先生や園児の写真が載っていない代りに
自分の似顔絵と先生からのメッセージが書いてあった。
卒園文集とでもいうのかな?

担任の先生からのメッセージ。

「もっと、わっはっは!と笑ってみようよ。
先生はなぎちゃんの笑顔がもっと見たかったなぁ。
たくさん笑って過ごしてね!
そうしたら、もっともっと毎日が楽しくなるよ!」

私はそんなに笑わない子どもだったのかな。。。
メッセージの隣には自分の似顔絵。
その似顔絵をどんな気持ちで描いたのか、今でもはっきりと覚えている。

周りの子は瞳にキラキラの星が入った
フワフワのロングヘア―の
少女漫画のヒロインのような可愛い女の子を描いている。

私は可愛い女の子の絵なんて興味ないよーって顔をして
目はただの黒丸で短い髪の女の子の絵を乱暴に描いた。

私はそんな風に描いちゃいけないんだ。。。
本当は可愛いく自分を描きたかった。。。
そんな気持ちをグッと堪えて鉛筆をしまった。

悔しいとか、悲しいとか、惨めとか色んな感情が入り混じっていた。

あれから40年以上経っているのに、未だに忘れられないなんて。。。

「私はこんなことをしちゃいけない。
私なんかがこんな事を言っちゃいけない、私なんか、私なんか、、、」

その感情をずっと抱えたままずっと生き辛い人生を送って来た。

人生とは『親から受け継いだ呪い』と
『18歳までに自分で自分にかけた呪い』を解いていく道のりだと言う。

それなら、私はすでに十分すぎるほどの呪いを自分自身にかけていたんだ。

呪いの元凶、、、
ずっと胸の奥に閉じ込めていた嫌な記憶。
前に進むためには、もう一度向き合わなきゃいけない。。。

<<続く>>







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