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改姓〜どうして女性だけ?〜


今年3月。
お付き合いしているパートナーが、プロポーズをしてくれた。

私自身も、この人と結婚したい。と強く思い
自然と相手との将来を考えていたので婚約はとても喜ばしいことだった。

入籍に向けて本格的に準備を進める中で
私は大きな壁の前に立った。

そう、今までの人生1度も思わなかった

「名字、変えたくないかも。」

という気持ちが急に現れた。


私は、地方出身かつその中でもかなり珍しい名字だ。
下の名前も、学校に1-2人いるかいないかの名前のため、姓と名が並ぶととてもインパクトがある。

社会人になり上京し、日々新しく出会う人が増えた。
仕事は接客業のため、職業柄制服にはネームをつけているし、名乗ることが多い。
そんな中で、毎日のように

「この名字って、、、出身はどこ?」

「芸能人みたいな名前だね」

「ステキなお名前ですね」

と名前を褒められる機会が増えた。

名前を褒められるって、正直嬉しい。

学生時代は、テストの時に名前を書き終わるのがクラスで一番最後なのが嫌だったし
幼稚園〜中学、そして高校大学と、周りの環境が数年に1度しか変わらないから友達にも私の名前が馴染んでいて、名前を話題にすることはほとんどなかった。

しかも、みんなも思い出してほしい。(特に女性は共感できる人が多いはず、、、)

学生時代や若い頃、好きな人や彼氏の名字と自分の名前をくっつけてノートや机に書いたことはないだろうか?
もちろん私は何度もある。笑

そんな恥ずかしいこともできちゃうくらい
日本では

夫婦同じ名字=愛、家族

という文化が根付いているのだ。


話は戻るが、いざ入籍日が決まると
それまでに名字をどうするか問題を解決しなければならない。

そこで一度パートナーに、改姓することに迷いがあることを伝えた。
もちろん彼は驚いていたし、まさか私がそんな話題を出すとは思っていなかったという反応をしていた。

彼が言ったのは

「夫婦別姓の制度があればね、、、」

その言葉を聞いたとき、あ、、、彼は私の名字になることは考えてないんだ。と察した。

生まれてこの方、まさか自分が名字を変える未来なんて考えてもなかっただろう。
でも、その時の驚きと困惑、不安。
それらは改姓を当たり前のように求められる我々女性も同じ気持ちなのだ。

誰もが違和感なく、水が川を流れているかのように婚姻届の「夫の氏」欄のチェックボックスにレを書いているわけではない。

二人姉妹の我が家にとって、私は最後の砦。(ちょっと誇張し過ぎかもしれないけど)
自分が継いだ名字が今後継がれないことに関して、父はどう思っているのだろう。
子どもが女の子だけなことが分かった瞬間、いつかその時が来ることを理解するのだろうか。


この件に関して、彼のご両親には彼から話してもらった。
結論から言うと、ご両親(特にお義母さん)は
「何でそんなことになってるの?」と不満な様子だったらしい。
そして、「本当にお嫁さんに来てくれるんだよね?」と。

それを聞いたとき、正直「やっぱりか」と思い
その瞬間、相手の名字になることに決めた。
決めたというか、そうするしかないと思った。

これから先長い間、家族として彼のご両親と付き合うことになるし、時にはお世話になることもある。
先のことを考えると、争うようなことはしたくなかった。


夫婦別姓が認められていない現在の日本で、私と同じように改姓で悩み、悲しみ、一生の自分の名前(アイデンティティ)に妥協をする女性(または男性)がどれくらいいるのだろう。


早く夫婦別姓の制度が整い、夫婦がお互いに
納得のいくかたちで自分らしく生きていける
そんな日本になることを、切に切に願っている。


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