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長屋リノベーションについて1 工事の前の流れ

こちらはリノベーションに興味がある方へ、
長屋のリノベーションの流れと
実際かかった費用(金額部分のみ有料記事にさせて頂いた)を掲載しておく。




元々5棟あった長屋

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リノベーション前の全体の写真がないが、
元々は画像のように建物が5棟あった。
平屋が3棟、二階建てが2棟、それを取り囲みブロック塀もしくは木塀。
昔ながらの二軒長屋なので一棟が真ん中で線対称に分かれて2部屋あるので
満室だった時は、合計10世帯が入っていたことになる。

当時の写真をもっと撮っておけば良かったと悔やんでいるが
残っていたものをこちらに。

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手前が平屋1号、青いのが2号。2号の奥は当時の住民が
勝手に建てた物置があった。

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平屋3号と二階建て。アンテナも立っていた。

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現在は平屋3号をnagaya.に、裏の2階建ふたつ(4部屋)を賃貸している。
どの建物をどう使うかを決めるまでも紆余曲折があった。
最初の計画は下記のように平屋1号を潰して駐車場にし、
平屋2号をnagaya.として使い、後ろの3棟を賃貸として貸すものだった。
私が建築士に伝える時に簡単に作った図面も残っていたので貼っておく。

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1)どの建物が使えるかをチェックする/耐震診断

徳島県では、「平成12年5月31日以前に着工された木造住宅の耐震診断」
の補助制度があり、まずこちらに全ての建物の耐震診断を申し込んだ。
https://www.pref.tokushima.lg.jp/FAQ/docs/00018623
(私が申し込んだ2013年ごろは徳島市も無料だったが、
 今は3000円/1件がかかるようだ。)
耐震診断は結果が出るまで1,2ヶ月ほどかかる。

耐震診断の基準(is値)
is値とは構造耐震指標のことをいい、地震力に対する建物の強度、靱性(じんせい:変形能力、粘り強さ)を考慮し、建築物の階ごとに算出します。

震度6~7程度の規模の地震に対するis値の評価については
以下の様に定められています。

is値が1.0以上           倒壊、又は崩壊する危険性がない
is値が0.6以上             倒壊、又は崩壊する危険性が低い
is値が0.3以上 0.6未満  倒壊、又は崩壊する危険性がある
is値が0.3未満              倒壊、又は崩壊する危険性が高い

        引用元:日本耐震診断協会 https://www.taishin-jsda.jp/

2)耐震をどこまでするかを決める

過去の長屋を建築した時の資料も探して、
平屋1号、2号が一番築年数が古く、2年後平屋3号、
5年後に二階建てを作っていたこともわかった。
そして、耐震診断の結果は、(うろ覚えだが)平屋1,2号は0.3未満、
平屋3号と二階建ては0.3以上0.6未満だったと思う。
耐震診断については引用先の耐震診断協会のHPに詳しいが、
震度6,7程度の地震に対して、倒壊の危険性が高いかという判断基準になる。
もちろん新築であればis値は1.0以上にはなるが、
新築の耐震基準までリノベーションをすると、
柱だらけ壁だらけになったり工事費用もどんどん上がってくる。
(そもそもリノベにそんな高い基準を求める場合は、
 柱だけを残して全て作り変えるような工事になってしまう可能性も高く
 新築でええやん!!というものになりかねない。)
今回のリノベーションでは、店として使うという用途は決まっていたので
万が一、南海大地震のような震度6,7程度の地震が起きた場合も、
すぐ建物から逃げられる状態でいる(寝ていない)という前提で、
「is値が0.6以上 倒壊、又は崩壊する危険性が低い」程度までの
耐震補強を行うことにした。
もちろん、初期費用をかけたくない場合や、地震が少ない地域の場合は、
耐震補強を行わず現状維持、という決定も可能だ。
そう思うと、徳島県は常に地震を意識しないといけない地域で、
地域によって古い建物が残りやすい、残りにくいというのは
差が出てくるのだろうと思う。

3)使う場所・解体する場所を決める

耐震診断の結果と、店の運営内容、建物の広さ、駐車場など
全ての要素を組み合わせて、建築士さんとも相談の上、
平屋1号、2号は解体し駐車場とし、平屋3号を店として使用することに。
また、耐震の面から、住居として使用するのは危険と判断し、
二階建ての2棟は店や事務所などとして賃貸をすることにした。
三好市での地域おこし協力隊の経験から、
いろんな人たちが一箇所に集まることのパワーを体感していたので、
自分の店1つがあるより、色んな人が恒常的に滞在している方が
面白いだろうと思ったからだ。
賃貸部分も含めて"ナガヤプロジェクト"と名付けたが、
機会があればその立ち上げについても書きたいと思う。

道に面していた部分はコンクリート塀と木の塀があったので、
駐車場に進入しやすいように道に面したブロック塀は撤去した。
木塀は雰囲気が良かったので、残しておいたのが、
吹きっ晒しになっていたので、数年後に台風で倒れてしまった。。。

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4)建物の設計を依頼する

耐震診断のお得なところは、無料もしくは格安な診断に加えて、
建物のきちんとした図面をもらうことができる点だ。
その図面をベースに、こちらの希望を伝え
耐震工事を加えた図面を建築士さんに依頼した。
下のは初期案。ここからレジの場所を変えたり、試着室を加えたり、
トイレのドアを変更したり、何度か図面をやり取りした。


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リノベーションで注意しないといけないのが、建物の用途変更だ。
長屋の賃貸"住宅"のように固定の人が使う場合と違って、
nagaya. のような"店舗"は不特定多数の利用者がある。
そのため、住宅から店舗、住宅から宿泊施設(民泊)というように
建物の使用目的をリノベーションなどによって変更する場合は、
建築基準法では用途変更の確認申請の手続きが必要となる。
実際に手続きを行うには、多くの費用と手間がかかる。
この法律には緩和条件があって、建物の延べ床面積が
100平米以下は確認申請の手続きが不要とされている。
(2019年以降200平米以下にさらに緩和されたそう。)
長屋に関してはどの建物も80平米以下で、手続きは不要だったが、
この用途変更はきちんとリノベーションする場合は
頭に入れておく必要があるので覚えておいて欲しい。


5)図面が決まったら、工事費用を見積もってもらう

費用について前述したがリノベーションは
どの程度まで行うかで費用が大きく変わる。
また、実際建物を解体していくと、最初の工事内容を
やむなく変更しないといけない部分が出てくるので、
それについては双方了承の上での見積もりとなる。
(そういう不意の事象が苦手な方は、
 リノベーションは向いていない、とも言えるのではないか。)

今回何気に費用がかかったのは、解体の費用だ。
70平米程度の一階建ての木造の建物でそこそこの費用がかかるので、
ボロボロになった空き家が放置されている理由も理解できる。
鉄筋ビルなどであれば、処分費も大きいので、
桁が違ってくるのではないだろうか。
長くなって来たので、ひとまず一度切って、続く。

解体のみの工事金額が気になる方は以下記事有料とする。
2013年当時の徳島市における見積もりなので、参考程度にして欲しい。


解体のみ工事費用(有料部分)


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徳島県徳島市でnagaya.という雑貨店を営んでいます。ナガヤプロジェクトオーナー。