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「質より量」も大切だが、「量よりスピード」の方が大切;箕輪厚介著「かすり傷も痛かった」より

仕事においては「まず質より量を重視せよ。圧倒的な量をこなすことが質に転嫁する」と言われる。

だがこれは本当なのだろうか。

「一万時間の法則」を信じて圧倒的な時間を費やし量をただひたすら闇雲に過ごした時間は質に転嫁するのだろうか。

王貞治は現役時代、毎日500本の素振りを日課として行っていたという。だが、この500本という数に達成することだけを追い求め、一本一本の素振りに集中していなかったらスイングが上達することなどあるだろうか。

もちろん、量をこなすのは大前提だが、結局その量をこなす過程において質は大事なのではないか。

この「質」と「量」の二項対立にさらに新たな要素を加えてくれたのが冒頭の著作「かすり傷も痛かった」の一節である。

著者の箕輪氏と元ドラゴン桜の編集者の持論によれば、実は「量」ではなく「スピード」が大事なのではないか。

スピードを意識することで量も結果的に後からついてくる。量ではなくスピードに意識を置くことで、「まずは量を重視しよう。質は落ちてもいいから」という自分の心の中から生まれてくる怠惰な感情を払拭することができる。

量ではなくスピードを意識することで、量が最重要事項ではなくなる。したがって質もある程度は維持できたままアウトプットができる。スピードを意識することで時間が生み出され、そしてその生み出された時間を仕事に再投入することで、結果量も確保できる。このサイクルを繰り返しているうちに質が身に付く。

まず意識すべきは「スピード」だったのだ。

そんなことを気づかせてくれた著作が冒頭の「かすり傷も痛かった」である。

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