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世の中の一流と呼ばれる人々は歴史(書)好きが多い。若い頃、もっと歴史を学んでおけば良かった

上記Xのコメントについて補足しておきたい。社会人になり、会社を問わず、いやそもそも国籍を問わずいろいろな人々と接してきたが、経営者や会社役員の方々はほぼ間違いなく歴史に造詣が深い。トピックによっては自分もついていけたこともあればついていけなかったことがあるが、もっと若い頃、歴史/歴史書を勉強しておけばよかったことが悔やまれる。歴史の会話は間違いなく盛り上がるし、完全にノーサイドで相手と議論を楽しめるから、知識を持っておいて全く損は無い。

なぜ経営者や会社役員の方々は歴史/歴史書が好きなのか。おそらく「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」の言葉に従い、今世界で起きている事象を過去の同様の事例と比較し類型化することで大局観を掴み、どう対処すべきか、に思考を巡らせるのかも知れない。また、そもそもこうした方々は知的好奇心が旺盛なので、最低限の教養として自然と歴史書に触れ、思考の幅を広げているのかも知れない(元ライフネット生命の出口会長然り)。

上記Xの中で、けんすうさんに「歴史が好きなのだが、歴史は社会に出てから役に立つか」と質問している方が羨ましい。歴史は社会に出てから重鎮の方々と話す上で最高の与太話でありコミュニケーションツールだから、きっと社会に出てから役に立つこと間違い無しだろう。

自分としては、できることなら今から大学時代に戻って歴史関連図書を読み漁りたいがそれも不可能なので、今からでも歴史の図書に触れる機会を多くしよう、と思わされたツイートである。

なお、自分がついていけた歴史のトピックはユヴァル・ハラリの「ホモ・デウス」及び「サピエンス全史」に関する話題と、さらには横山光輝の「三国志」や唐の太宗の「貞観政要」から学べるリーダー論等である。

以下、ご参考までだが自分がサピエンス全史やホモ・デウスについてどのような会話をしたのか、記憶の限り記載しておきたい。


1.サピエンス全史について

サピエンス全史については、ちょうど世界的ベストセラーになった後の2017年、米国のベンチャーキャピタルに出向していた時の投資チームのボス(年齢60過ぎ)と、昼食時の会話で話題になった。昼食を食べている最中、なぜサピエンス全史の話題に行き着いたのかは忘れてしまったが、そのボスからいきなり、

「おい。サピエンス全史は読んだか?俺たち人類は実は砂糖と小麦の奴隷らしいぞ」

と話を振られた。幸い、自分は読んでいたので

「知っている。砂糖と小麦のせいで定住化も進み、人口も増えた。一方でその代わり虫歯にも悩まされるようになったし病原菌が蔓延するようになった。サピエンス全史を読むと、ハンターをやっていた狩猟民族時代の方が人類は平和だったのでは無いかとさえ思える」

といった趣旨のコメントしたところ、そのボスの横に座っていた米国人パートナーが更に議論を展開させ、「人口を加速化させたのは麦だけではない米も同様だ。アジア地域を見てみれば良い、人口が多い地域は決まって稲作地域だ。そして米と小麦は我々人類に糖尿病をもたらした」といった感じで、まるで炭水化物ダイエットこそが正義とでも言わんばかりの会話がその後展開されていったのを覚えている。

2.ホモ・デウスについて

①「人類が他の生物と全く異なる点が一つある。人類意外の生物は環境に適応させるよう長い年月をかけて自分の身体を進化させてきた。一方で人類は周囲の環境を自分の身体に適合させてきた。これはホモ・デウスで語られていることだ」

という会話をいきなりしてきたのは、米国シリコンバレーの経営者だった。ワインを飲みながら酔っ払っていた時、急にイーロン・マスクの話題になった矢先、冒頭の発言が彼から飛び出してきた。

「つまり、火星移住計画を立てるイーロン・マスクは、人類が(地球以外の)環境に適合できるよう進化する前に、自ら火星を人類に適合させるよう試みているのだ。だから彼は本当に人類の最先端を走っている人物なんだ」

これがSpaceXを手がけるイーロン・マスクの、全人類史を見た上での立ち位置なのである。なんだか当時は妙に納得したことを覚えている。

以上、自分が文字に起こすと拙い与太話に聞こえてしまうのだが、歴史をトピックに会話が盛り上がったことだけは鮮明に覚えている。歴史を学ぶことの醍醐味を知った思い出である。


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